香港デモは新時代の戦争 銃より効果大「親族の顔晒し」という攻撃

大きなダメージを与えるのは、銃や火炎瓶より、「サイバー攻撃」

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10月下旬、香港郊外の元朗駅付近。デモを鎮圧しに来た警官隊と一般市民が、激しい口論を繰り広げていた

銃や催涙(さいるい)弾で攻撃を加える香港警察。デモ隊は、傘を盾に火炎瓶で応酬する。町中で火の手が上がり、物が焼け焦げたような臭いが立ち込めている――。

11月中旬に入り、香港内では冒頭のような衝突が相次いでいる。デモ隊が立てこもる香港理工大学では、警官隊が突入し多数の逮捕者が出た。

だが、これは香港で起こっている戦いの一部分にすぎない。いま、デモ隊、中国当局側双方が最も力を入れているのは、ネットを使用したサイバー攻撃だ。

「デモ隊への攻撃で代表的なものは、デモ隊が使用しているメッセージアプリ『elegram』への妨害です。中国当局は『Telegram』に大量のデータを送り付け、デモ隊の相互連絡を妨害したり、グループチャットに侵入してデモ隊の動きを監視したりしています。『Telegram』は暗号化された安全なシステムですが、妨害を受け続ければ、ハッキングされやすい別のアプリを使わざるを得なくなるかもしれません」(国際ジャーナリスト・山田敏弘氏)

これに対して、デモ隊側も黙ってはいない。デモ隊が警察関係者の個人情報を暴露する攻撃が頻発しているのだ。

「警察関係者の個人情報をリークするチャンネルが『Telegram』内に存在します。そこでは警官やその家族の生年月日、電話番号などの個人情報が晒(さら)され、なかには家族写真を無修整でアップされた警官もいました。こうした個人情報は、リーク情報をもとにフェイスブックなどを使って集められているようです」(ノンフィクション作家・安田峰俊氏)

情報戦で相手を痛めつける手法は、まさに「新時代の戦争」だ。この新しい形の〝戦い〟に終わりはあるのか。

「いまのところ収束の見込みはありません。今度の香港区議選はデモ隊にとって大きな活動の場となるでしょう。デモ隊は、『完全な民主的選挙の実施』などを当局に対して要求していますが、こうした要求は現在のところ実現する見込みがなく、デモの終わりが見えにくいのが現状です」(前出・山田氏)

香港デモは、ネット社会で起こる戦争の未来図を示しているようだ。

『FRIDAY』2019年12月6日号より

  • 撮影山田宏次郎

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