神社写真のラテも? あの靖國神社におしゃれカフェが出現した件 | FRIDAYデジタル

神社写真のラテも? あの靖國神社におしゃれカフェが出現した件

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「すべてのメニューに英語併記」「随所に充電用のソケットを配置」「ピクチャーラテなどフォトジェニックな商品をラインナップ」――。

こんなカフェが、今年で創立150周年を迎える靖國神社内にあると聞いて驚く人も多いのではないだろうか。

桜の頃の靖國神社 写真:アフロ
桜の頃の靖國神社 写真:アフロ

鎮守の森に囲まれて、遥か昔から変わることなくその土地に住む人々を暖かく見守ってきた神社は、いま時代に合わせて変わろうとしている。戦没者の慰霊という役割を担い続けて戦後74年を経た、靖國神社のいまを探った。

若い世代にも親しみを感じてもらいたい。その答えがカフェだった

150周年の記念事業として本殿や拝殿、靖國会館などで改修工事が進んでいる靖國神社。事業のひとつとして、この秋「外苑休憩所」がオープンした。靖國神社を参拝した人はわかると思うが、以前は第二鳥居に向かって右側に「靖國うどん そば ラーメン」という看板を掲げた古い木造の建物があった。そこが取り壊され、このたび2つの飲食店と神社直営の売店に生まれ変わった。

新しい「外苑休憩所」は日本建築の屋根を戴きながら、壁面にガラスを使い、現代的かつ開放感のある平屋の建物。こちらにオープンした「靖國八千代食堂」は神社にしっくりくる和食の店だが、新鮮なのはインスタ映え間違いなしのおしゃれなカフェ「attic room 靖國外苑」だろう。今回こちらをプロデュースしたのは、渋谷や恵比寿を中心に都内で13店舗のカフェを運営する株式会社アティックプラニングだ。

株式会社アティックプラニング 取締役・五味美貴子さんによれば、不動産会社を通じて声をかけられたのがきっかけだったという。靖國神社によると、「和」を基本にした「靖國八千代食堂」に対し、より若い世代に親しみを感じてもらうために、都内に人気カフェを展開しているアティックプラニングに依頼したと当時を振り返る。

新しい「外苑休憩所」
新しい「外苑休憩所」

英語メニュー、電源ソケット、フォトジェニックな商品を

「attic room 靖國外苑」は、アティックプラニングの直営店となる。神社からの要望は「普段神社を訪れない方たちが、気軽に来たくなるような場所をつくってほしい。何か名物になるような商品を考えてほしい」とのことだった。アティックプラニングが展開している都内のカフェでは20~30代の女性がメインターゲットとなっているが、「attic room 靖國外苑」はターゲットを設定せず、幅広い人達を癒す空間を目指していると五味さんは語る。

「ここでは『すべてのメニューの英語表記』『お子様ライス』『随所にソケットを配置(仕事もできる)』『ピクチャーラテなどフォトジェニックな商品(観光客に対応)』などを用意し、あらゆる方に安心して使っていただけるような場にしています」(株式会社アティックプラニング 取締役・五味美貴子さん)

すべてのメニューが英語表記されていたり、お子様ライスがあったり。外国人から子供まで、幅広い客層に対応している
すべてのメニューが英語表記されていたり、お子様ライスがあったり。外国人から子供まで、幅広い客層に対応している

境内で楽しむ、神社を描いたピクチャーラテ

こちらで人気のメニューは「ピクチャーラテ」。描かれるのは靖國神社だが、客からの持ち込み写真にも対応している。神社のお祭りなどでは、特別なドリンクメニューも展開。食事は素材にこだわった「名物!メンチカツ」が好評だ。来年の桜の季節に合わせて、オリジナルのクラフトビールも発売することが決まっている。

ピクチャーラテは、持ち込み写真でも作ってもらえる
ピクチャーラテは、持ち込み写真でも作ってもらえる
「名物!メンチカツ」ほか、人気メニューの数々
「名物!メンチカツ」ほか、人気メニューの数々

「10/10にオープンしてから、おかげさまで多くのお客様が訪れています。想像していたより年齢層は幅広い印象です。外国人も多いですね」(五味さん)

「靖國神社としては、外苑は参拝者のためであると同時に、地域の憩いの場所となることも目指しています。オープンしてまだひと月程度ですが、土・日・祝日は参拝者のみならず、境内を散策される方々で賑わいが増していると感じています」(靖國神社)

靖國神社によれば、先の戦争を生き抜いた世代が高齢化する中で、戦友や遺族の参拝は減少傾向にあるという。しかしいくら時代が変わっても、神社の存在意義が失われることはない。だからこそこれからを担う新しい世代に向けたメッセージが重要となる。

全国の神社に目を向けてみると、アニメ作品とコラボした絵馬やお守り、ライブや食のイベントなど、各地で新しい取り組みが進んでいる。パワースポットとしてのPRが浸透した神社には、多くの若い女性が参拝に訪れるようになっている。移り行く時代の中、これからも神社が変わらず存在し続けるためには、若者や海外からの旅行者が訪れやすくする努力が必要となっているのだろう。

  • 取材・文浜千鳥

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