沢尻エリカ逮捕 警視庁組対5課を動かした“タレコミ者”の正体 | FRIDAYデジタル

沢尻エリカ逮捕 警視庁組対5課を動かした“タレコミ者”の正体

タレコミから1ヵ月での逮捕のウラには高精度の情報が存在していた

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渋谷区のクラブ「W」のVIP席で、沢尻エリカ容疑者は逮捕当日の朝5時まで踊っていた(写真は「W」のHPより)
渋谷区のクラブ「W」のVIP席で、沢尻エリカ容疑者は逮捕当日の朝5時まで踊っていた(写真は「W」のHPより)

「私が聞くところによると、今回の沢尻エリカ容疑者の逮捕劇は、警視庁組織犯罪対策第5課(組対5課)への情報提供から始まりました。それに基づいて捜査をしたところ、沢尻容疑者の薬物使用の疑いが濃くなり、家宅捜索の令状をとったのです。警視庁に情報提供、いわゆるタレコミが入ったのは逮捕わずか1ヵ月前と言われています。薬物捜査は長い内偵捜査を経て事件化するのが常ですが、今回は短期間でのスピード逮捕となりました。よほど情報の確度が高かったのでしょう」(元警視庁刑事の吉川祐二氏)

非合法な薬物ビジネスに手を染めながら、いとも簡単に捜査当局やメディアに有名人の薬物情報をタレこむ闇社会の住人は確かに存在する。その目的とは――。

実は、本誌にも沢尻容疑者の薬物使用に関する情報が寄せられていた。音楽関係者を自称するA氏が本誌記者に電話をかけてきたのは、この夏のことだった。A氏はこう語った。

「現在、逮捕リストに挙がっているのは、沢尻エリカと大物女優X。どちらもMDMAやコカインの常習者で、沢尻を組対5課、Xをマトリ(厚生労働省麻薬取締部)が内偵している。Xは早ければ秋ごろ、沢尻は年明けに逮捕されるだろう」

A氏からは、沢尻容疑者が逮捕前日に飲み明かしていた渋谷区のクラブ「W」の名前も挙がっていた。

「沢尻はクラブやフェス会場に来ると、いつもMDMAやコカインを使用していた。昨年も、有名フェスの会場で異常なテンションだった。そういえば、今年7月の『フジロック』でも友人と一緒に踊っているのを見た。沢尻にクスリを提供している売人はミュージシャン崩れで、『W』を始めとした都内のいくつかのクラブで薬物売買を行っている」

そう言いながら、A氏は沢尻容疑者が写った写真を見せてきた。隣に写る男が〝売人〟だという。A氏は「マトリ」ともつながっていて、同じ情報を当局に流していることもほのめかした。その後、A氏からの連絡は途絶えたため、彼が警視庁へのタレコミを行った人物と同一人物なのかどうかは分からない。しかし、その情報と今回の逮捕劇がいくつかの点で符合していることは事実だ。

その一方で、沢尻容疑者のドラッグ使用は多くの関係者が目撃していて、メディアに情報をタレこむ人間が複数存在する状況にもなっていた。

「沢尻容疑者がクスリを使用しているという情報は、多くのマスコミ関係者に広まっていました。今年の9月に開催された某フェス会場の近くでは、沢尻容疑者の薬物使用を摑んだ複数のメディアが張りこんでいたようです。その後も沢尻容疑者は断続的にマークされており、TBSと週刊文春が逮捕前夜の様子をカメラに収めた」(全国紙警視庁担当記者)

捜査当局とSの蜜月関係

著名人の薬物情報はどのように捜査当局にもたらされ、逮捕に至るのか。元厚生労働省麻薬取締官の高濱良次氏が話す。

「タレコミが来ると、現場の捜査員に情報が回ってきます。ただし、あいまいな内容では動きません。〇月×日、△△のクラブで□□から購入していたというような、かなり具体的な情報提供があったのでしょう。情報の信頼性が担保された後は、内偵捜査が行われ、被疑者は24時間にわたって連日、監視下に置かれます。一般人と違って、芸能人は生活サイクルが不規則なので、行動確認の際は複数のチームを編成することが多い。投入される人数は事件の大きさによって異なりますが、今回、沢尻を逮捕した組対5課はマトリと違って人数が多いのが強みです。しっかりと体制を組んで捜査をしていたのでしょう」(高濱氏)

捜査当局がタレコミを受ける際に最も注意を払うのは、情報提供者の動機だという。タレこむ理由は個人的な恨みや金銭がらみなど様々あるが、情報の確度を見極めることが重要だ。今回、警視庁に情報を提供した人物の正体について、薬物捜査に長く携わった元警部は言う。

「私の個人的経験では芸能人・素人を問わず、薬物の情報は常に警察が飼っているS(スパイ=情報提供者)からもたらされる。彼らは大抵、薬物の売人や暴力団関係者です。自分が抱える重要なクスリの取引を見逃してもらったり、警察の捜査情報を提供してもらったりする。その代わりに芸能人の情報をタレこむ。一方で警察はSに利用されていると分かっていながらも、芸能人を検挙するとメディアで大きく報じられるため、その情報をもとに捜査を行う。本来であれば入手ルートを解明し、供給源を根絶やしにしなければならないのに、それが疎かになっているケースもある。そして、Sたちは再びクスリの売買に手を染めるのです」

捜査当局に情報をタレこんだS――。その正体は、クスリに溺れた芸能人をたやすく売り飛ばす闇社会の住人なのだ。

今年8月、青山のバーで沢尻容疑者と女優の片瀬那奈らを撮った写真が、インスタグラムに投稿されていた
今年8月、青山のバーで沢尻容疑者と女優の片瀬那奈らを撮った写真が、インスタグラムに投稿されていた

『FRIDAY』2019年12月6日号より

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