セクシーボイスのイケメン揃い 「男優集団」イベントに女子熱狂
女性向けセクシービデオに出演する熱心な追っかけファンには、年間100万円注ぎ込む人も!
「今夜は帰さないよ」
壇上のイケメンがセクシーボイスで呼びかけると、会場からは割れんばかりの黄色い歓声が上がった――。
11月中旬の日曜日、東京・阿佐ヶ谷にあるイベントスペースは50人近くの女性たちで埋め尽くされた。彼女たちが熱狂的な視線を向けるのは、壇上に座る4人のイケメンたち。「エロメン」と呼ばれるAV男優集団だ。
「エロメンとは、女性向けAVメーカー『SILK LABO』に出演する男優の総称です。女性向けAVと通常の男性向けAVでは作り方が大きく異なっています。過激な性描写で興奮させるのが男性向け。物語を重視した作りとなっているのが女性向けです。現在現役で活動しているエロメンは7名。この中には女性向けAV一本で活動している人もいれば、僕のように男性向けAVにも出演している人もいます」
こう話してくれたのは、エロメンでトップレベルの人気を誇る向理来(むかいりく)(29)さんだ。切れ長の目に通った鼻筋、韓流の人気アイドルと言われてもおかしくない端整なルックスは、いかにも女性ウケしそうだ。
’10年頃に活動を始めてから、順調に人気を増してきたエロメンたち。2000本売れればヒットとされるAV業界において、エロメンの出演作品は1万本を売り上げたこともある。いったい、何が彼らの魅力なのか。
向さんにひときわ熱烈な視線を送っていた、最前列に座る20代の女性に話を聞いた。
「友人に勧められて初めて女性向けAVを見たのですが、エロメンの女性への気遣いに溢れた優しいセックスにキュンときてしまいました。しかも、みんなイケメン! それからはもう、エロメンに夢中です。
好きなエロメンのイベントが開催されれば、全国津々浦々どこへでも駆けつけますし、DVDやグッズなども買っています。年間100万円以上はつぎ込んでいると思います」
男性アイドルばりに熱狂的な「追っかけ」ファンがいるエロメンたち。しかし、ファンの中には極端な行動に出る人もいるという。
アベマTVにも出演中の人気エロメン・東惣介(あずまそうすけ)(31)さんは言う。
「今までで印象に残っているのは、ホテルの部屋番号を伝えられたり、イベント中に『セックスして』とせがまれたりしたことですね。プライベートならぜひお手合わせしたいところですが、仕事がらみなので断腸の思いで断りました。ファンにハグするなど、僕は他のエロメンよりサービスが多いほうだと思いますが、ファンに手は出しません。そこの線引きはしっかりしたいですね」
一線を踏み越えない範囲で、理想の男性を演じきるエロメン。そんな彼らに世の女性は虜(とりこ)になっている。エロメンたちのモテテクニックから学ぶことは多くあるはずだ。










『FRIDAY』2019年12月13日号より
撮影:濱﨑慎治