文具界の仁義なき戦い 「ぺんてる」対「コクヨ」批判合戦の結末

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はげしく対立する「ぺんてる」と「コクヨ」。ぺんてるの和田優社長は「子会社化に断固反対」と発言。コクヨの黒田英邦社長も「(ぺんてると『プラス』の提携交渉は)裏切り行為」と批判

〈コクヨ社が「社会的責任を果たすべき企業」としての法令遵守意識を欠いていると評価せざるを得ない点がございますので、ここに強く抗議いたします〉

11月25日、大手文具メーカー「ぺんてる」が自社ホームページ(HP)に同業の「コクヨ」を非難する文書を公開した。中には〈犯罪行為に陥れるような不当な要請〉〈倫理観を欠いた対応〉など、のっぴきならない表現も使われている。いったい両社の間で、何が起きているのだろう。

「コクヨがぺんてるに対し、敵対的買収をしようとしているんです。発端は今年5月にさかのぼります。コクヨが、ぺんてる株の37%を保有するファンド『マーキュリアインベストメント』に100億円を出資。間接的にぺんてるの経営に参入しました。非上場のぺんてるは、定款で株式を譲渡する際は取締役会の承認が必要と決めています。コクヨはその抜け穴をついた。さらにコクヨはぺんてるに直接出資し、37%の株を取得し筆頭株主になります。コクヨの強引な買収姿勢に、ぺんてるも抵抗。文具メーカーの『プラス』と提携交渉を進め、コクヨに対抗し自社の株式を買い付けるよう求めたんです。ぺんてるはHPに『コクヨ社の一方的かつ強圧的な当社の子会社化方針に対し強く抗議する』と、怒気を含んだ書面を掲載する事態に発展しています」(全国紙経済部記者)

文具メーカー最大手のコクヨの売上高は約3151億円。一方ぺんてるの売上高は、わずか403億円だ(金額は両社とも’18年度)。なぜ敵対してまで、規模の違うぺんてるを買収しようとするのだろうか。経済ジャーナリストの松崎隆司が語る。

「ぺんてるでは’12年5月に創業家の堀江圭馬社長が解任されるなど、お家騒動が起きている。コクヨは、そこに付け込んだんです。さらにぺんてるは世界約120ヵ国で展開し、売上高に占める海外比率は66%もあります。対するコクヨの海外比率は10%に満たない。国内の文具市場は頭打ちで、コクヨはぺんてるの海外販路をなんとしてでも欲しいんです」

海外でのぺんてるのブランド力は高い。象徴的なのが、ロングセラー「サインペン」だ。ぺんてるは、’64年に米国シカゴで開かれた文具国際見本市にサインペンを出展した。たまたま大統領補佐官が手にし、当時のジョンソン大統領がいたく気に入り大量購入。品質が認められ、全米で1ヵ月間に180万本が売れるという大ヒット商品となったのだ。

コクヨにとって、ぺんてるの海外でのブランド力は大きな魅力だ。前出の松崎氏が続ける。

「ぺんてるの『ホワイトナイト(友好的な買収パートナー)』であるプラスは、他社との合併など重要事項を決定できる33.4%を1株3500円で12月10日までに買い付けるとしています。コクヨは対抗して、買い付け価格を4200円に引き上げた。もう泥仕合です」

3社が入れ乱れる文具界の“仁義なき戦い”。コクヨの大攻勢を、ぺんてるは必死に耐え続けている。

Photo Gallary1

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