LCCが必ず安い訳じゃない! 達人に聞く損しない航空券購入テク

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LCCは、買うタイミングによってはかえって割高になる!

飛行機代は高い、という常識を覆したLCC(格安航空会社)。「空飛ぶ高速バス」といったキャッチフレーズや、「1円セール」などのキャンペーンも続々登場し、日本の旅行業界に衝撃を与えたのは未だ記憶に新しい。

LCCのセール運賃はとても安い。この値段で手に入れられれば本当にお得(2019年3月撮影)※現在このセールは終了

現在も、ANAやJALなどよりお得なイメージがあるLCC。しかし、航空券を購入するタイミング、旅行の時期によっては、大手航空会社(フルサービスキャリア、以下FSC)よりも“割高”となってしまう場合がけっこうあるのだ。

LCCでお得に購入するテクニック、逆に、LCCで航空券を買う時のNGなパターン、FSCを選んだほうが良いケースなども合わせ、年間通して国内外を数多く飛ぶ旅の達人が、航空券を賢く購入するためのノウハウを伝授する。

国内LCCは4社、セール運賃を購入できれば本当にお得

LCC(ローコストキャリア)は、格安航空会社と呼ばれる通り、気軽な料金で飛行機に乗ることができることから、一気に有名になった。日本では、2012年3月にピーチ・アビエーション(Peach)が国内初の本格LCCとしてデビューし、現在では、ジェットスター・ジャパン、SPRING JAPAN(春秋航空日本)、エアアジア・ジャパンの4社が国内線および国際線を運航する。

筆者も、国内外で地元大阪が本拠地のPeachをはじめ、これまで数多くLCCを利用してきた。

LCC専用としてオープンした成田国際空港第3ターミナル。バニラエア(手前)はPeachと2019年10月に統合して運航終了した(2017年6月撮影)

LCCでお得に航空券を購入するには、まずは「セール」をチェックすること。不定期で実施される「〇周年」「〇〇線就航記念」などだ。LCC各社のメールマガジンに登録しておくとセール商品発売前に情報が届く、SNS公式アカウントをフォローしておくのもおすすめ。

だが、よくニュース等で話題になる「1路線数百円」という激安運賃のセールは通常、発売直後に売り切れる。パソコンの前に座って発売開始と同時に申し込むぐらいでないと買えないうえ、公式サイトにアクセスが集中してサーバーダウンすることも。筆者も、何度も挑戦しては最後の決済画面でのエラーに泣きを見てきた。逆に狙い目は、1980円、2980円といったセール運賃。超激安運賃に慣れている利用者からすると、あまり安いと感じないせいなのか、路線や出発時間帯によってはずっと販売されていることがある。

関西国際空港ではPeachだと徒歩で飛行機に向かう。これがいつも楽しく「旅に出る!」という気分が高まる

一度、Peachで大阪(関西)から仙台へ、1480円のセール運賃で飛んだことがある。1時間強のフライトで満席だったが、定時運航でなにも問題もなかった。諸税や手数料を含めても、総額は2000円台。大阪から沖縄(那覇)までジェットスターで2980円だったということもある。こんな時は、「日本でもLCCが飛ぶようになって本当に良かった」と実感する。

日本でLCCが年々浸透、大手航空会社との価格競争に

日本にLCCが登場した当初は、規則も緩やかで、各社とも“手探り”の状態というのが、乗客の立場からも感じることも多かった。しかし最近は、不採算路線は徐々に運休や減便になったり、主要空港に「LCC専用ターミナル」が開業したり、手荷物のルールも厳格化されたりするなど、コスト重視というLCCらしさが徐々に顕著となってきた。

成田国際空港の第3ターミナル。LCCの一部の便が発着する。鉄道駅からやや離れていて移動にやや時間がかかる

そんなちょっとした不便さも、運賃が安ければ、まだ納得がいく。だが実際は、LCCなのにFSCよりちょっと安いだけ、場合に寄ってはほぼ同額の運賃ということがある。同じ航空券代を払うのなら、手荷物ルールが緩くて座席が広いFSCを選ぶのが賢明だ。

LCCで航空券を買うのが「NG」なパターン

こんな時は「LCCで買っちゃダメ!」というパターンがある。先に述べたFSCと比べて運賃があまり変わらない時期だ。特に閑散期は、FSCも安い。一方、お盆や年末年始などの繁忙期は、運賃が空席状況によって変動するLCCの場合、発売開始後すぐ最高値になる。もしも出遅れたら他の手段を考えたほうが良いだろう。

また、LCCは深夜や早朝の発着便も多く、空港まで公共交通機関を利用する場合、空港付近での前泊や後泊が必要になることも。ホテル代などを合わせると結局FSCと変わらなかったというケースも出てくる。LCC利用者の中には空港のベンチなどで仮眠する人もけっこういるが、心身ともに消耗するので若者など体力に自信がある人以外にはおすすめできない。

関西国際空港のエアロプラザにある休憩室・シャワー施設。時間内であれば無料で利用でき、毛布も貸し出しあり(シャワーは有料)

大きなスーツケースなどの手荷物、また、お土産が多い人もLCCは厳しい。空港のチェックイン(搭乗手続き)時に預ける手荷物は基本1個から有料で、機内持ち込み手荷物のルールも「7kgまで」などと少なめ。筆者もLCC利用時、空港のカウンターや搭乗ゲートなどで重量チェックを受け、オーバーした分の荷物を、その場で大整理をしたことが何度もある。特に、当日、空港で支払う超過手荷物の手数料は数千円に上り、けっこう高い。

LCCの機内持ち込み手荷物は合計7kgまでが基本。搭乗前にチェックされるので言い逃れなどは考えないほうが良い

さらに、台風や大雪などの時期は、LCCの欠航率はFSCより高いと考えていたほうがいい。LCCが欠航の場合、振替は自社便のみとなり、数日後の予約しか空いていなく、結局泣く泣く高い運賃でFSCを買い直す羽目になったケースも聞く。代替手段に陸路がある場所はともかく、北海道や沖縄など、離島ではリスクが大きい。スケジュール的にも気持ち的にも「余裕がある」時にLCCは利用するに限る、といっても過言ではない。

LCCより大手航空会社が「お得」であるケース

LCCが台頭するのに合わせ、FSCと運賃が拮抗する路線が出てきた。

例えば、台北(桃園)行きの路線。東京(成田)-台北、大阪(関西)-台北などは、FSCとLCCが競合する。こういった競合路線だと、通常は高いFSCもけっこうお得に利用できる。一見LCCのほうが料金が安くても、手荷物や座席指定、機内食などの追加オプション、さらにFSCにはかからない決済手数料などが加算されると、その価格差は一気に縮まる。

日本人に人気の観光地、台湾。JALで大阪-台北を税込35,000円ほどで利用したこともあり、FSCも日によってはとても安い

さらに、利用するターミナルの利便性、運航スケジュールの時間帯、欠航や大幅遅延時の対応などまで考えると、FSCのほうが結局お得、となるケースも多い。

LCCでもFSCでもない“中間の航空会社”こそ狙い目

先の北海道出張時、神戸から札幌までAIRDO(エア・ドゥ)に搭乗した。航空券はANAのWEBサイトで購入して片道1万円強。事前座席指定ができ、預け手荷物は無料、ANAのマイルも加算された。

エア・ドゥ公式サイトからだと、航空券はさらに安く購入できる。

「北海道の翼」エア・ドゥでは北海道ならではのドリンクが、機内で味わえる。「オホーツク塩サイダー」は絶品だった(2019年11月搭乗)

LCCでもFSCでもない航空会社が、国内でも運航されている。スカイマーク、エア・ドゥ、ソラシドエア、スターフライヤー、FDA(フジドリームエアラインズ)などだ。幹線と呼ばれる国内の主要路線をはじめ、地方路線にも就航する。

2018年に就航20周年を迎えた「スカイマーク」は、低運賃ながらFSCに近いサービスで根強い人気を誇る。羽田空港発着の便が多いのも魅力的

これらの運賃は一概には言えないものの、ANAやJALより安いことが多い。サービスはFSC並み、手荷物のルールも緩く、運賃がLCCのように変動しないので買いやすいのも特徴の1つといえる。基本的に、チェックインもLCC専用ターミナルのような不便な場所ではなく、ANAやJALと同じターミナルを利用するため、利便性も高い。

LCCをお得に乗るための3つのポイント

LCCは確かに安い。しかし賢く使いこなすのにはある程度の経験やコツが必要だし、何も考えずに購入すると運賃が割高になることもある。搭乗の際のルールもいろいろ厳しい。そこで、LCCをお得に利用するためのポイントをまとめてみた。

①セール運賃もしくは通常運賃の最安値に近い値段で買う

②無理のない運航スケジュールの便を選ぶ(早朝や深夜の発着便はできれば避ける)

③手荷物が少ない時に利用する

LCCの割安感を過信せずに、状況に合わせてFSCや“中間の航空会社”の価格もチェックし、上手に使い分けてお得に旅を満喫したい。

■記事中の情報、データは2019年12月5日現在のものです。

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  • 文・写真Aki Shikama / シカマアキ

    旅行ジャーナリスト&フォトグラファー。飛行機・空港を中心に旅行関連の取材、執筆、撮影などを行う。国内全都道府県、海外約40ヶ国・地域を歴訪。ニコンカレッジ講師。元全国紙記者。

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