「最高裁まで争う」実刑5年判決の新井浩文被告が犯した最大のミス | FRIDAYデジタル

「最高裁まで争う」実刑5年判決の新井浩文被告が犯した最大のミス

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初公判を終え、車で東京地裁を出発する新井被告。報道陣からの質問に対して、一切答えることはなかった
初公判を終え、車で東京地裁を出発する新井被告。報道陣からの質問に対して、一切答えることはなかった

その男は何度もまばたきをして、時折深いため息をついていた。

派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴した強制性交罪に問われた俳優の新井浩文被告に対し、東京地裁は求刑通り懲役5年の実刑判決を言い渡した。判決の瞬間、新井被告は直立不動で目はうつろ。体形に変化はほとんどないものの、公判を追うごとに白髪が増えていった。

最大の争点は「合意があった」と被告が勘違いしてもおかしくない状況であったかどうかだ。新井被告は被害女性が挿入時に抵抗しなかったことや、興奮していたことなどを生々しく証言。知人女性に頼んで事件当日の再現VTRまで証拠提出した。

一方、被害女性は力づくで下半身を触らされたことや、恐怖で身動きが取れなかったこと、帰り際に被告から「悪いことしちゃったね、これおわび」と声を掛けられ、7万円を渡されたことなどを証言した。

滝岡俊文裁判長は「合意があった」とする被告の訴えを却下し「自己の性的な欲求を優先して犯行に及んだ」「合意があったと誤信するとは到底考えがたい」と断罪。その後「あなたの人生は終わったわけではない。責任と向き合い、地道に信頼を取り戻すべく努力を続けてほしい」と述べたが、被告は返事をしなかった。

新井被告は即日控訴。2月の保釈時よりも1・5倍増の保証金750万円を納付し、保釈された。法曹関係者によれば「被告は納得がいっておらず、最高裁まで闘うつもり」という。

とはいえ、判決が覆る可能性は低い。裁判官が重視したとみられるのは、被害女性の“本気度”だ。

事件直後に最寄りの警察署に駆け込み被害を訴えたことや、被告から提示された2000万円の示談金に見向きもしなかった点から、被害女性の証言は「信じるに値する」と判断。新井被告が迷惑料名目で7万円を渡そうとしていたことも被害者の証言を補強する材料になったと考えられる。

「10月23日の公判では、被害女性の意見陳述が微妙に変化したことに『それはおかしい!』と声を荒げ、派遣型マッサージ店=性風俗と言わんばかりの主張を繰り返し、性的思考が偏っていることも露見した。再現VTRにしても、本人はよかれと思ったのかもしれないが、被害女性にしてみればセカンドレイプそのもの。裁判官の心証が悪くなることを自ら進んで行い、自滅した印象を受ける」(取材したスポーツ紙記者)

このまま一審判決が維持されれば、新井被告は来年にも収監されることになる。滝岡裁判長は「あなたの人生は終わったわけではない」と諭したが、俳優としては“死刑判決”も同然だ。中堅芸能プロマネジャーの話。

「業界では新井被告のことを高く買っているプロデューサーや映画監督はいますが、仮に刑期を終えて出てきても、演じる役柄が極めて制限される。“いい人”役は無理ですし、ラブシーンや濡れ場も被害者がいる話なので不可能。暴力的な描写も難しいでしょう。そうなると、“死に役”しかできない。演じる役柄が限られるというのは俳優としては致命的です」

新井被告は事件当時に住んでいたマンションから引っ越し、現在は知人の家を転々とすることもあるという。控訴した新井被告が唯一できることは、示談交渉をまとめることしかない。しかし、被害女性の厳罰を求める気持ちは強く、ボツ交渉といっていい。

「実は初公判時に新井被告が真摯に謝罪し、言い訳せずに反省の言葉を並べていれば、被害女性は示談に応じても良いという考えを持っていたようです。ところが、被告は全面対決に舵を切ってしまいました」(被害女性に通ずる人物)

やること、なすことすべて裏目に出てしまったようだ。

  • 撮影蓮尾真司

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