大阪・女児誘拐 “父も妹も医者”伊藤仁士容疑者の引きこもり生活

栃木県小山市内の自宅に小学6年生の少女を監禁した伊藤容疑者。奇妙な一人暮らしを追う

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少女が連れて来られて、「監禁」されていた伊藤容疑者の自宅。家族や近隣住民は誰も気づいていなかった

「1週間ほど前にも、自転車で出かける姿を見ました。いつも彼のほうから、挨拶してくれます。これまで女の子が出入りしているところなんて見たことありませんし、そんな事件を起こすような人には見えませんでしたよ」(近隣住民)

栃木県小山(おやま)市ののどかな住宅地に建つ、白い壁の一軒家。ここに伊藤仁士容疑者(35)は、少女を「監禁」していた。

11月23日、伊藤容疑者はSNSで知りあった大阪市住吉区の小学6年生の女児(12)を誘拐した容疑で逮捕された。

伊藤容疑者は父親とは早くに死別し、母親は介護のためにすぐ近くにある祖母宅で生活していた。妹と弟は独立し、一人暮らしだった伊藤容疑者は定職に就かず、引きこもり状態だったという。

「医者だったお父さんはもう20年近く前に亡くなっていると思います。ただ、お母さんは熱心に子育てに励んでいました。仁士君は弟さんの面倒もよくみて、礼儀正しい好青年。弟さん、妹さんもほんと真面目でしたね。妹さんも医者になったと聞いていますよ」(近隣住民)

中学時代は剣道部に所属。成績も優秀だった伊藤容疑者の歯車がおかしくなったのは、高校受験の失敗が原因だという。

「栃木県内で進学校と言われる高校を受験して、落ちてしまったんです。周囲も彼は合格確実だと思っていましたし、本人もショックを受けていました。滑り止めとして受けていた高校に進学して、卒業後はアルバイトを転々としていると聞いていましたね」(中学時代の知人)

20代前半の頃に伊藤容疑者が働いていた自動車教習所の社長はこう明かす。

「彼には総務課で雑務をやってもらっていました。車の点検やコースの維持管理です。無遅刻無欠勤でしたよ。休憩時間にはいつも本を読んでいましたね。世界情勢について雑談したとき、アメリカや中東との関わり方について、彼が『だから日本はだめなんだ。世の中は矛盾している』と言っていたことを覚えています。正社員にならないかと声をかけたこともありましたが、結局、彼は1年足らずで辞めていきました。ゲームのプログラマーになりたいと話していました」

ゲームの仕事をすることは叶わないまま、親のスネをかじり続けていた伊藤容疑者は、偽名を使って、SNS上で誘い出した大阪の少女を1週間近くも監禁。さらにもう一人、伊藤容疑者の自宅で保護された茨城県の女子中学生(15)とは、半年近くも一緒に生活していた。

元埼玉県警刑事で一般社団法人「スクールポリス」理事の佐々木成三氏が言う。

「伊藤容疑者は社会的に孤立しており、自分を頼ってほしいなどの承認欲求を少女たちに求めていたのかもしれないですね。未成年者の誘拐は、本人ではなく、保護者が承認していなければ成立します。手口が手慣れているので、過去に同じようなことをしていた余罪がある可能性もあります」

SNSを通じて、少女が大人に誘い出されて被害に遭う。これは現代の大きな社会問題だ。目を背けてはならない。

栃木県から大阪府警に移送される伊藤仁士容疑者(左)。終始、顔を伏せたままだった

『FRIDAY』2019年12月13日より

  • 撮影蓮尾真司

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