Wi-Fiルーター、SIM…海外旅行、お得なネット接続手段は? | FRIDAYデジタル

Wi-Fiルーター、SIM…海外旅行、お得なネット接続手段は?

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【人気10ヵ国・地域】国ごとにお得な接続方法が違う!? 海外旅行で損しない「ネット」活用術

Google MapにSNS…、海外でも欠かせない「ネット」接続。その選択枠は、①現地ホテルなどのWi-Fiを利用する、②日本からWi-Fiルーターを借りて持参する、③携帯電話会社(キャリア)が提供する「海外パケ放題」などを利用する、④現地でSIMカードを購入する、などが主な方法だ。できれば海外旅行中も、日本にいる時と同じくらいストレスを感じることなく、スマホやPCを利用したい。そこで、人気10ヵ国・地域のネット事情をチェック。

海外で利用するSIMは、自分のスマートフォンが「SIMフリー」でないと使えないので注意
海外で利用するSIMは、自分のスマートフォンが「SIMフリー」でないと使えないので注意

まず、気をつけたいのが、国・地域ごとにお得なネットの利用方法が異なること。自分が行く国・地域ではどんな方法がベストなのか、出国前にぜひ確認してほしい。 

現地SIMは基本安いが、SIMフリーのスマホ必須でややハードル高

海外でネットを利用する場合、一般的に最も安い方法は現地の「SIM」を利用すること。現地の空港もしくは街中にある携帯電話ショップなどで手に入れることできるほか、最近ではやや割高だが日本の「Amazon」などでも入手可能な国・地域がある。

ただし、現地でSIMを利用するには、自分のスマートフォンが「SIMフリー」であることが前提。ドコモやソフトバンク、au、ワイモバイルなどで購入したスマートフォンは「SIMロック」がかかっており、SIMカードを利用するときには解除する必要がある。

海外では、到着してすぐ携帯電話会社のブースがある空港が多いが、国によってその有無が異なるのでSIM利用の際は事前チェックを
海外では、到着してすぐ携帯電話会社のブースがある空港が多いが、国によってその有無が異なるのでSIM利用の際は事前チェックを

一方、海外で利用できるWi-Fiルーターは、日本の空港などで借りて返すスタイルが主流。現地に着いてルーターの電源を入れるだけですぐネットが利用できるため、海外旅行の初心者でも利用が簡単だ。1個のルーターで、複数人でシェアできるのも魅力の1つ。

ただ、貸出日と返却日もレンタル日数にカウントされるので、移動時間が長い欧米線や深夜便を利用する旅行では、往復の2日間ほどが無駄に。

また、Wi-Fiルーターの電源をずっと入れっぱなしだと、かなりバッテリーを消耗する。朝から夜までずっと電源を入れっぱなしで使い続けると、ほぼ確実にバッテリー切れに。Wi-Fiルーターをレンタルする際は、予備のバッテリーを追加するのも必須。また、複数人で利用する場合は「大容量」「無制限」など多めのデータプランを利用するほうが賢明だ。

【台湾】「SIM」が安くて入手も簡単。現地Wi-Fiと併用おすすめ

台湾の玄関口、台北桃園国際空港では、入国審査場の前にSIMを販売する携帯電話ショップのブースが並ぶ。どのショップもデータ量と価格はほぼ同じで、5日無制限(300台湾ドル〈約1070円〉)などのプランがある。よほど田舎に行かない限り、通信速度などどの会社もおおよそ変わらない。

台北桃園国際空港の入国審査前にある、携帯電話会社のブースが並ぶエリア
台北桃園国際空港の入国審査前にある、携帯電話会社のブースが並ぶエリア

また、台湾全土で使える公共Wi-Fi「iTaiwan」(無料)もあり、ホテルでも無料でWi-Fiが利用できるのが一般的。台湾では、SIMまたはWi-Fiルーターと、現地のフリーWi-Fiを合わせて利用するのをおすすめする。

【東南アジア】タイやシンガポールも現地SIMがお得!

日本からタイに入国する際は、バンコクのスワンナプーム国際空港またはドンムアン空港となる。どちらの空港にも制限エリア(入国審査の前)と一般エリア(入国審査の後)どちらにもSIMを販売するブースがすぐ見つかる。しかも、現地で購入するSIMは、7日2GBデータ(199タイバーツ〈約713円〉)などと安い。もし、スマートフォンがSIMフリーなら、SIM一択といっても過言でなく、英語も通じて設定も丁寧にサポートしてくれる。

スワンナプーム国際空港の手荷物受取場(ターンテーブル)近く。「AIS」はタイ最大手の携帯電話会社
スワンナプーム国際空港の手荷物受取場(ターンテーブル)近く。「AIS」はタイ最大手の携帯電話会社

シンガポールも同様に、チャンギ空港でもSIMの入手は簡単。ただ、タイよりもやや高めなのは物価高もあるので致し方ない。空港で販売されているSIMは例えば、180日15GBデータ(32SGドル〈約2556円〉)など、色々な容量のタイプが揃う。空港および街中にも、無料で利用できるWi-Fiは多く、通信速度も問題ない。

シンガポール・チャンギ空港では複数の携帯電話会社がSIMを販売する
シンガポール・チャンギ空港では複数の携帯電話会社がSIMを販売する

【韓国】現地で借りる「Wi-Fiルーター」が一般的、日本語対応も

韓国の場合は、Wi-Fiルーターがおすすめ。ソウルの仁川国際空港や金浦空港の到着口を出ると、携帯電話会社のブースが多く並んでいる。事前に予約していたWi-Fiルーターをその場で受け取り、空港で返却するスタイルは日本と同じ。日本語でネット予約ができたり、日本語が通じるケースも多い。

ソウル・仁川国際空港にあるWi-Fiルーターのレンタル、SIM販売を取り扱うコーナー
ソウル・仁川国際空港にあるWi-Fiルーターのレンタル、SIM販売を取り扱うコーナー

多少の英語やハングルがわかるなら、日本でWi-Fiルーターを借りて行くより、韓国で借りるほうが断然お得。SIMも販売しているが、他のアジア諸国よりもやや割高な傾向。

【ハワイ・アメリカ】日本から借りていく「Wi-Fiルーター」が安くて便利、現地空港調達も可

ハワイを含むアメリカでネットを利用する際に気を付けたいのが、アジアの空港のように到着後すぐSIMを手に入れるのが難しい点。例えば、ホノルル空港には携帯電話ショップがなく、筆者はアラモアナショッピングセンター内にある携帯電話ショップ「AT&T」でなんとかSIMを手に入れた経験がある。しかも、SIMは1ヶ月1GBデータ(35米ドル〈約3802円〉)からで、東南アジアなどと比べるとけっこう高め。

ホノルルのアラモアナショッピングセンター内にある「AT&T」のショップ。旅行者が現地でSIMを入手するにはここが便利
ホノルルのアラモアナショッピングセンター内にある「AT&T」のショップ。旅行者が現地でSIMを入手するにはここが便利

そのほか、ホノルル空港では、日本語で借りられるWi-Fiルーターもある。これも事前予約がおすすめ。また、ソフトバンクのユーザーなら「アメリカ放題」(キャンペーン中無料、通常は月980円)が、ハワイを含むアメリカ全土で利用可能だ。

【ヨーロッパ】複数の国を訪れるなら日本から「周遊タイプWi-Fiルーター」を持っていく

ヨーロッパの場合、1ヶ国だけ訪問ならその国のSIMを使うのが良いが、もし数ヶ国を訪れるなら「周遊タイプ」のWi-Fiルーターがおすすめ。ひとつのWi-Fiルーターで、国を移動した瞬間に自動的に現地のキャリアに接続してくれる。

周遊タイプのSIMもあるが、すべての国で入手できるわけでないので事前に要チェック。旅行期間が長い場合、携帯電話会社が提供している「海外パケ放題」などのサービスだけだと、帰国後の請求がかなり高額となってしまうので注意したい。

ヨーロッパは国ごとにキャリアが異なるため、Wi-Fiルーター、SIMどちらも「周遊タイプ」のプランを選ぼう
ヨーロッパは国ごとにキャリアが異なるため、Wi-Fiルーター、SIMどちらも「周遊タイプ」のプランを選ぼう

【オセアニア】SIMが現地空港で入手可、「Vodafone」など大手がおすすめ

オーストラリアやニュージーランドでは、到着した空港でSIMを入手できる。例えば、2019年春に訪れたニュージーランドの場合、30日1.5GBデータ(29NZドル〈約2066円〉)で、オーストラリアもほぼ同額。日本にかつてあった「Vodafone」などの大手キャリアがなにかと安心だ。

オークランド国際空港の国際線ターミナル到着口付近にある携帯電話会社のブース。「Spark」「Vodafone」がニュージーランドでは大手
オークランド国際空港の国際線ターミナル到着口付近にある携帯電話会社のブース。「Spark」「Vodafone」がニュージーランドでは大手

【香港・中国】 中国本土は『金盾』に注意、SNS接続に影響大

香港国際空港には、制限エリアまた一般エリアにも携帯電話ショップがあるほか、セブン-イレブンや両替所などでもSIMを入手できる。10日1.5GBデータ(148香港ドル〈約2053円〉)など。

香港国際空港にある「中国移動香港」のショップ。中国本土でも利用できるSIMはやや割高だが、本土へ行くなら利用価値が高い
香港国際空港にある「中国移動香港」のショップ。中国本土でも利用できるSIMはやや割高だが、本土へ行くなら利用価値が高い

一方、中国本土でのネット接続には注意が必要だ。中国政府による『金盾』と呼ばれる政策により、現地で手に入れたWi-FiルーターやSIMでは「LINE」「Instagram」「Twitter」「Facebook」「Google」などに接続できない。

もしこれらのSNSなどを中国本土で利用したい場合は、携帯電話会社「海外パケ放題」や日本から持参したWi-Fiルーター、VPNを経由する必要がある。香港で入手したSIMでも『金盾』を越えて利用できる。ただ、Google Mapなどは終始不安定なので注意したい。

Wi-Fiルーターのレンタルは比較サイトで価格を要チェック!

日本国内で海外旅行向けのWi-Fiルーターを提供する会社は数多くある。例えば、「価格.com」の海外Wi-Fiレンタル比較サイトなどで、自分にぴったりのプランを比較検索するのも手。通常プラン、大容量プラン、無制限プランなどさまざまなプランがあるが、1人の利用でもGoogle Map等をいつも利用していると意外とデータ量を使うので大容量プラン、複数人ならギガプラン(超大容量プラン)や無制限プランが安心。

韓国の空港でレンタルした「LG」のWi-Fiルーター。モバイルバッテリー付き
韓国の空港でレンタルした「LG」のWi-Fiルーター。モバイルバッテリー付き

Wi-Fiルーターの会社を選ぶときは、料金だけではなく、サポート体制も確認したい。以前、大手某社のサービスを利用した際、現地で接続トラブルがあってメールで問い合わせをするとすぐに返事が届き、他の会社よりも若干高くてもサポートの手厚さを実感したことがあった。実際に利用した人の口コミも読んで、じっくり検討してほしい。

現地でホテルや空港などのWi-Fiも併用して上手に活用

海外でも常時ネットに接続しているのが当たり前になりつつある昨今。筆者はSIMフリーのスマートフォンを所有し、国・地域ごとにSIMを入れ替えるか、SIMの現地価格が高い場合は日本の空港からWi-Fiルーターをレンタルして出かけている。

現地でホテルや街角のフリーWi-Fiも活用する場合は、セキュリティ面での不安も念頭に置いて利用する必要がある。SIMまたはWi-Fiルーターと、ホテルや空港などのフリーWi-Fiを上手く併用することが、海外でお得にネットを活用するためのポイントだ。

■記事中の情報・データ、円換算レートは2019年12月10日現在のものです。

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  • 文・写真Aki Shikama / シカマアキ

    旅行ジャーナリスト&フォトグラファー。飛行機・空港を中心に旅行関連の取材、執筆、撮影などを行う。国内全都道府県、海外約40ヶ国・地域を歴訪。ニコンカレッジ講師。元全国紙記者。

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