想像の斜め上 ガリガリ君の「レーズンバターサンド味」どうなの?
2012年に発売された「コーンポタージュ味」が売上予測を大幅に上回り、発売後3日で販売休止に追い込まれるほど人気になったかと思えば、2014年に「ナポリタン味」を発売し、賛否を呼んで程なく撤収。
いい意味でも悪い意味でも話題を巻き起こし、それでも日本一売れているアイス「ガリガリ君」。この度「レーズンバターサンド味」という“危険な香り”しかしない新商品が登場したと聞いてコンビニに走った。「レーズンバター」ならわかるけど「レーズンバターサンド味」って……。
「これ、売れてますか?」という質問に、店員のお姉さんは「発売したばかりなので、よく売れてます!」との回答。とはいえその時点で発売後1週間。販売中止に追い込まれた「コンポタ味」の時にはすでに話題になっていた……「当たり」なのか「ハズレ」なのか、このリアクションだけでは判定不能。
9月に「ガリガリ君リッチたまご焼き味」という、あの「ナポリタン味」から実に5年半ぶりのおかず味を発売した赤城乳業。今回は直球ど真ん中、当てに来たのか?
早速開封。うーん、確かに「レーズンバターサンド」の色。一口かじって、なにこれ、フツーに美味しいじゃん! そして、確かに「レーズンバター“サンド”味」になっとる。
「六花亭のバターサンドをはじめ、ラムレーズン×
レーズンが意外とたくさん入っていて、
アフォガード? ではないけれど、
「あの『ガリガリ君』、ということで身構えていましたが(笑)、とっても美味しかったです。封を開けるとあま~い匂いが漂い、かじれば完全にレーズンバターサンド。ラムレーズンが『クイーンズ伊勢丹とかで売ってる系のラムレーズン(ちゃんと漬けてるやつ)や!』って感じでした。なんとなく、森永のミルクキャラメルアイスを彷彿とさせるコクでもありました。
無心で食べているうちに『マルセイのバターサンド食べたいな』と思ってきたのは、味はレーズンバターサンドなのにアイス、という謎の食べ物を食べているせいで、アイス…? いやバターサンド…? シャリシャリ…? と脳がバグって本物を求めたんだと思います。そう考えるとこれは、『レーズンバターサンド』という概念をアイス化したものなのかもしれません。
冬の定番チョコ『ラミー』が好きな方や、普通に『レーズンバターサンド』が好きな方にとっては幸せを感じる味だと思います」(30代 女性 お菓子オタク)
と酒飲みにも下戸にも好評。
「(つまらなそうに)なんだこれ、美味い。赤城乳業、“置きにきた”な」(40代 男性 野球オタク)
販売元の赤城乳業マーケティング部の岡本秀幸氏に話を聞いた。
「冬はアイスの購入者が少なくなるため、アイス売場に来たくなるような商品を開発すべく、今までに発売してこなかった新しいフレーバーにチャレンジしました。冬の季節は『ラムレーズン』や『菓子系』のアイスの構成比が高くなる傾向がある上、お土産などで人気の『レーズンバターサンド』を手軽にご購入いただける商品が良いのではないかと。
苦労したのは、バターサンドの風味をアイスで表現することです。外側のアイスにはバターやクッキーの芳ばしい香りを配合することで、アイスでありながら、バターサンドの風味を演出。おかげさまで味については、お客様の口コミなどで『美味しい』という前向きな評価をいただき、多くのお店にお取り扱いいただき、嬉しく感じています。
『ガリガリ君リッチナポリタン味』の反省(味が美味しくない)から、今年9月に発売した『ガリガリ君リッチたまご焼き味』は、味を美味しくする(1本最後まで食べれる)ことを大事にしました」
悔しいが、なんだか「たまご焼き味」も試したくなってきたのは、赤城乳業の思うツボか。