家電や米から意外な返礼品まで! ふるさと納税を全角度から研究 | FRIDAYデジタル

家電や米から意外な返礼品まで! ふるさと納税を全角度から研究

どのサイトが便利か、どんな返礼品があるのか。これを読めば全部わかる!

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年末の風物詩として定着

「2019年で一番の変化は、総務省によってふるさと納税の返礼品は寄附の3割以内という強い行政指導が実施されたこと。6月からは、高額返礼品を出していた泉佐野市を始めとする4市町村が控除対象から外され、ふるさと納税の受け入れ停止に追い込まれました。その影響で泉佐野市などに寄附されていた数百億円が全国の地方自治体に再分配され、市場は活性化しています」(「ふるさと納税.tax」代表・河元智行氏)

年末までに寄附すれば、翌年3月の確定申告で税控除が受けられる―ふるさと納税制度は、すっかり12月の風物詩として定着した。6月の新制度移行後、注目を集めているのは、新潟県燕市だ。「ふるさと納税ナビ」の内田綾子編集長が言う。

「燕市内の家電メーカー『ツインバード』は安くてクオリティが高いと家電業界でも一目置かれている存在です。そこで燕市は同社の製品を返礼品に取り込んでいるのですが、市場価格3万8500円のコーヒーメーカーが寄附額9万円の返礼品になっている。どう考えても3割以上の高額商品を出せるのはナゼなのか。おそらく燕市は、地場産品ということで仕入れ値では寄附額の3割以下になっています、と説明しているのでは。

燕市の高い人気に触発されて、寄附申し込みが本格化する10月以降には、他の自治体でも、じわじわと家電の復活傾向が見えてきました」

制度定着によって、利用者の動向にも変化が見られ、最近では生活必需品を返礼に選ぶ手堅い手法が王道になりつつある。その筆頭は、保存できる主食「米」だ。

「安定した需要があるお米ですが、あまりお得になりすぎると規制対象として目をつけられてしまうため、寄附額に対する返礼量が年々減っています。現在は1万円寄附で10㎏前後が相場。そんな中、茨城県の境町は1万4000円寄附で返礼20㎏を提供しています」(内田氏)

贅沢品なら贈り物にもできる

『100%得をするふるさと納税生活完全ガイド』の著者・金森重樹氏が返礼品活用術を伝授する。

「たとえば家で自炊しない人が、3万円の肉を返礼品でもらっても冷凍庫の肥やしになるだけで意味がない。確実に自分が使うものを選ぶべきです。たとえば独身者なら、トイレットペーパーと箱ティッシュのセットなどは、かさばるものを送料無料で送ってもらえて便利でしょう。

また自分が使わない贅沢品を選んで知人や両親に贈るという手もあります。最近は熨斗(のし)をつけてくれるサービスを行っている自治体もありますから」

年収や家族構成によって、寄附できる上限額は変化する。たとえば独身、もしくは夫婦共働き世帯の場合、所得400万円の人の寄附上限額は4万2000円。所得600万円なら7万7000円、そして800万円ならば12万9000円と寄附上限額は跳ね上がるのだ。

「1万円の返礼品を複数申し込むのもいい。旅行券は6000円の寄附からもらえて便利です。また今の時期ならおせちを選ぶ手もある。愛知県蒲郡市の寄附5万円の三段重は毎年人気です」(金森氏)

いまや全国自治体から出品されている返礼品は20万点を超え、ベストマッチの商品を見つけ出すのは簡単ではない。

そこで考えておきたいのが、「どの寄附サイトを利用すればいいか」だ。

「今年元気だったのは、北海道と九州の自治体でした。とりわけ九州勢は、出品する返礼品の魅力を引き出す〝魅せ方〟に長けている。じつは九州勢は自治体と納税サイトの間にインターネット通販の優秀な専門家が入り、返礼品の開発やキャッチコピーなどまで請け負っているのです。肉などは写真の撮り方一つで売れ行きが決まりますからね。その代表格が宮崎県都農(つの)町です」(前出・河元氏)

人口1万人あまりの都農町には、昨年度は96億円もの税収が流れ込んだ。都農町財政課の担当者が語る。

「私たちがふるさと納税を始めたのは’15年度と後発だったのですが、それがちょうど楽天さんが納税サイトに参入する時だったのです。サイト開設時から出品していたため利用者の認知度が高く、現在はレビュー数も積み上がって、ますます選ばれやすくなっていると思います」

もはや、自分が生まれ育った「ふるさと」を活性化する趣旨から大きく外れてしまった制度だが、今年は試してみる価値があるのかもしれない。

*表示値段は寄附額です。また出品情報は12月10日現在です

『FRIDAY』2019年12月27日号より

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