「世界最悪級」神奈川HDD転売より酷い個人情報流出は必ず起こる

容疑者出品の記憶媒体3904個が落札。納税記録や教職員名簿が流出したが、この事件を超える流出事件は必至だという

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8日、大森署から送検される高橋容疑者。HDDを盗み出すときは、始業時間の2時間前に出社していたという

「ウチの会社と取引をしている公共機関は神奈川県庁だけではありません。相模原市役所や神奈川県教育委員会などの地方自治体のみならず、防衛省や最高裁判所で使用される記憶媒体の廃棄・消去も担当していたので、データ流出は今回明らかになったものだけでは済まないでしょう」(ブロードリンクの現役社員)

12月6日、「世界最悪級」のデータ流出事件が明らかになった。神奈川県の行政文書を保存したHDD(ハードディスク)計18個がインターネットオークションサイト「ヤフオク!」で売られ、納税記録や教職員名簿などの個人情報が大量に流出していたのだ。

「警視庁に窃盗容疑で逮捕された高橋雄一容疑者(51)は、HDDの破棄を委託されていたIT機器会社、ブロードリンクの社員です。『親の介護費を稼ぐためにカネが必要だった』と容疑を認めている上に、『転売は入社した’16年から始めた』と供述している」(全国紙社会部記者)

高橋容疑者が入社以降に「ヤフオク!」で転売した記憶媒体は計3904個に及ぶ。ブロードリンクにIT機器の処理を委託していた自治体や企業では、自分のところの重要な個人情報も流出しているのではないかと大騒ぎになっている。

不祥事の原因は、過酷な労働環境にあったという声もある。ブロードリンクは法外な時間外労働や、無茶な営業ノルマが蔓延していたため、社員や元社員による労働基準監督署への駆け込みが絶えなかったという。前出の現役社員が話す。

「過去5年で高橋容疑者以外にも多数の社員が懲戒免職になっています。たとえば、営業先の不要になったパソコンを会社名義で引き取った後、個人で売り飛ばしていた男がいました。給料が労働時間に見合っていないと、カネ欲しさに悪事に手を染めていたのです」

ブロードリンクの責任が問われる一方で、神奈川県庁の危機管理意識にも大きな問題があった。

「今回流出が確認されたHDDに関して、神奈川県は本来受け取るべきデータ消去に関する証明書を確認していませんでした。それだけでなく、重要な個人情報が含まれたファイルを暗号化せずに業者に渡すだけというのは、驚くほどお粗末です。県庁の職員には、県民の個人情報を守ろうという意識が欠落していたのではないでしょうか」(前出・社会部記者)

今回明らかになったのは氷山の一角。データ処理を外部に丸投げしていると、今後もっと酷い情報流出が必ず起こる。

9日に会見したブロードリンクの榊彰一社長(写真左)は、社長を辞任する意向を明らかにした
高橋容疑者は「ヤフオク!」を通じて、勤務先から盗んだHDDなど、3904個を転売していたという

『FRIDAY』2019年12月27日号より

  • 撮影蓮尾真司(高橋容疑者)写真時事通信社(ブロードリンク会見)

Photo Gallary3

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