女が男を買う時代  心を癒す「女性向け風俗」の実態とは?

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ソープ、ピンサロ、ヘルスなど、全国に点在する性的サービス=風俗。夜の繁華街を歩けば、ネオンの灯りに煌々と照らされた店や呼び込みの男性、看板を目にすることも多いだろう。

では、女性向けの風俗についてはどうだろう。「そんなもの存在するの?」なんて声も聞こえてくる一方で、ここ数年で利用する女性客が軒並み増えているという。女子会で話題に上がることも多いという声もある。一口に風俗といっても、レンタル彼氏、女性専用性感マッサージ、ホスト、出張ホストなど、その種類はさまざまだ。

女性向け風俗について、ネットの書き込みや掲示板を見ると、予想に反して20代女性の利用客が非常に多い 写真:アフロ

元整体師の70代“男娼”に月1で癒される30代独身OL

「お互い傷ついた経験があるから分かり合えるものがあるんじゃないかな」と語るのは、自身の体験ルポを綴った「男を買ってみた。〜癒しのメソッド〜」の著者・鈴木セイ子氏。

幅広い年齢層の女性たちから、日常生活にまつわる相談ごとを受ける鈴木さんは、17年のキャリアを積む「生活カウンセラー」。相談の内容は、うつ病やパニック障害からダイエット、美容、夫婦関係の修復など多岐にわたる。そんな鈴木さんが、女性向け風俗に興味を持ったのは、ある男性の話がきっかけだった。

「友人の知り合いにいわゆる“男娼”がいるんですが、元整体師の彼は、なんと70代! 完全紹介制で今も現役らしいのですが、その友人が現場を見学させてもらったというんです。その展開にも、彼の年齢にもビックリですし、そこでいったいどんな行為が繰り広げられるのか? 

その日のお客さんは、地方に住む30代の独身OL。彼は勃たないのでいわゆる性的な交わりはなく、ひたすら女性に施すわけですが、なんと21時からスタートして終わったのが翌朝5時! そのお客さんは、月に1回、彼とひと晩過ごすために上京しているそう。

その話がずっと心にフックされていたんでしょうね。その後、少しずつ周囲からも女性向け風俗を利用したという話を聞いているうちに、これはなかなか興味深いぞと。思い切って行ってみることにしたんです」

女性向け風俗がフツーになれば、男女ともハッピーになれる?

男性ならまだしも女性が風俗へ行くなんてーー。

そんな風潮に対し「男だから、女だからといって権利が分散されるのはおかしい」と言い切る鈴木さんは幼い頃から、なぜランドセルが赤じゃないとダメなのか理解できなかった。また、“嫁奴隷制度”が根強い田舎でありながら、保育園の送り迎えをし、洗濯物を干す「先進的」な父の姿を笑う近所の人たちを見て「何がおかしいんだろう?」と、子どもながらに男女差別について疑問を抱いてきたという。

「いわゆる“男性だけが利用するもの”とされてきた性的サービスでさえも、女性たちの間で拡大しているということは、いよいよこの閉鎖的な世の中から解放される時代になってきている、ひとつの表れなのではないかと感じています。

男女差別の風潮を当たり前のように受け入れるのではなく、男女ともに考え直してみたほうが、結果お互いがハッピーになれるんじゃないかと思うんです」

その思いをひとりでも多くの人に伝えるために、そして「カップルや夫婦間で話し合うひとつのコンテンツになれば…」と、“男を買う”ことを切り口に執筆することを決め、性的サービスへの扉を開いた。

鈴木氏が女性向け風俗で出会った男たちはまさに“プロ”。身体的にだけでなく、精神的にも気持ちよくしてくれたという 写真:アフロ

「まず驚いたのが、ネットの書き込みや掲示板を見ると、予想に反して20代女性の利用客が非常に多いこと。中には、バージンの人も少なくない。実際にそこで働く彼らに聞くと、『男というものを知りたいから、裸で立ってみてください』なんて人もいたそう。

確かに、私のカウンセリングに来るクライアントにも、誰とも付き合ったことのない20代後半の女性や、30歳間近なのにバージンで悩む女性が大勢います。また、40〜50代のある知人男性が、知り合いの女子大生に、『バージンをもらってほしい』とお願いされたなんて話も聞いたことがあります。

欲しい情報が簡単にネットで手に入るこの時代、経験よりも知識が勝って、自分の感覚で恋愛ができない。デジタル化で対人関係のコミュニケーションが希薄化されてきているというのもひとつの原因だと思います。とても切実な問題です」

マッチングサイトよりも健全!?

サービスの種類は、主に4つに分かれる。アロマオイルやベビーパウダーなどを使用したボディトリートメント並びに、ハンド、大人のおもちゃを使った性感マッサージが受けられる「女性専用性感マッサージ」、食事やショッピングなどデートのみの「レンタル彼氏」、酒を飲みながら、男性と面白おかしいトークを楽しむ「ホストクラブ」に、性感マッサージとレンタル彼氏を足した「出張ホスト」なんてものもある。

「ソープ、ピンサロ、ヘルス、パプ、SMクラブなど、コンテンツが細分化されている男性向けに比べると、女性向けは少ない。身体的に満たされたい男性と違い、女性は精神的に癒されたい人が多いからでしょうね。

何かに孤独を感じている人や失恋して恋をすることが億劫になっている人、男性経験のない人がデートの予行演習として利用するのも良いと思います。性感マッサージだって、きちんとしたサイトなら病気のケアもしているので、マッチングサイトよりも断然健全だと思います」

鈴木さんが今回経験した女性専用性感マッサージ、レンタル彼氏、ホストクラブについて、どれも「お金が発生するので、とくに罪悪感はなかった」という。

「まず最初にトライしたのが女性専用性感マッサージ。ラブホテルのじめっとした感じがいやだったので、シティホテルのデイユースを利用しました。私が先に部屋に入って待っていたのですが、めちゃくちゃ緊張しましたね。『ブサイクだったらリアクションどうしよう』なんて思ったり(笑)。実際は後光までさしている西村元貴似のさわやかなイケメンだったんですけどね。性感タイムはもう最高で、『これ“本番”我慢するのしんどいね(苦笑)』なんて口をついて出ちゃうほど気持ち良かったです。

レンタル彼氏は、こちらからシチュエーションを指定しました。せっかくなら今まで経験したことのないシチュエーションや、若い頃、こういうのに憧れていたなぁ〜みたいなのを叶えてもらいたい。いろいろ考えた結果、遊園地で手つなぎデートしたのち、観覧車でプロポーズしてもらうという、誰もオーダーしたことはなかろう内容にしました。180cmの西島秀俊似の“彼氏”とのデートは、ピュア感がすごいというか、ひさびさに“見られる”意識を持ちましたね。ちょっと上目遣いなんかしちゃったりして(笑)。

ホストクラブは、最高のエンタメ。ディズニーランドよりも何倍も楽しい! 奮発してモエ・エ・シャンドンのシャンパンコールをお願いしたんですが、これがもうくそ楽しくて! ホストクラブはひとりで行くよりも、女同士の接待なんかにおすすめしたいです」

そこで働く男性とは一体どんな人たちなのか。彼らと実際に会い、サービスを受け、話をし、取材を進めていくうちに、さまざまな発見があったという。

「私が会った人はみんなイケメンで、この仕事とは別に本業がある人ばかりでした。そして、お客さんである私たちと同様に、彼らも過去に傷を負っている人が多い。離婚、婚約解消など理由はさまざまだけれど、お互い傷ついた経験があるから分かり合えるものがあるんじゃないかなと思います。

私の友人は“性的サービス”を受けることで新しい恋に踏み出しましたし、しばらく恋愛をお休みしている人にもおすすめです。大切なのは、恋愛にブランクを空けないこと! ブランクが長くなればそのぶん抜け出すハードルが上がってしまいます。あと、人肌に慣れておくのはとても必要だと思います。

彼らは“プロ”なので、身体的にだけでなく、精神的にも気持ちよくしてくれますから、自信にもつながりますしね」

自信を与え、体だけじゃなく心まで癒してくれるうえ、傷つくリスクも少ない。分かったのは、女性向け風俗は、思った以上に合理的なひとつの選択肢だということ。孤独の壁にぶちあたったとき、この選択肢を知っているといないのとでは大きく変わる。この先、ものすごいスピードで需要が伸びていくだろう。

 

鈴木セイ子 明星大学人文学部心理・教育学科卒。在学中より依存症患者の会や不登校問題の会などへボランティアとして参加し、カウンセリング実践をスタート。その後、起業し主に女性のための生活カウンセラーとして17年従事している。また、女性の独立支援や女性をテーマにした映像プロデューサーなど活動の幅を広げるなか、「様々な女性を描く1分シネマ」をコンセプトに、インスタを開始した。onna_zukan instaシネマ〜女図鑑〜

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  • 取材・文獅子沢アキ

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