セレブと「歯の美容治療」ベン・アフレック、エマ・ワトソン他…
俳優のベン・アフレックは、映画出演のために歯の美容治療をしたと、かつての恋人で女優のケイト・ベッキンセールが明かしている。
ベンが歯を治したのは、映画『アルマゲドン』(1998年)に出演したときのこと。ベンの乳歯のように小さな歯では「英雄的なショットが撮れない」と監督のマイケル・ベイが指摘した。
歯をすべてキレイにする費用として、ベンには2万ドルが支払われたようだ。
ケイト自身も、映画『パール・ハーバー』に出演した際、マイケル・ベイ監督から減量を命じられて気分を害したというが、歯の形を監督好みに変えなければならなかったベンよりはマシだったかもしれない。
幸いにも、ベンは歯を変えたあとも順調にキャリアを重ねることができた。マイケル・ベイの命令が異常なことに変わりないが、歯を変えたことは結果的に良い作用があったといえそうだ。
ちなみに、ベンは他人の指図で歯を治したが、ハリウッドには生まれつきの歯並びを美しく矯正したことで一気に垢抜けたセレブがたくさんいる。
エマ・ワトソンも歯列矯正でグンと美しくなった女優のひとりだ。
『ハリー・ポッター』シリーズでデビューした直後は、さほど気にならない程度だったが、成長するにつれて前歯の両隣が奥に引っ込み、すき間が目立ちはじめた。
15歳あたりから歯列矯正をスタートし、現在では美しい歯の持ち主に。
そういえば、エマがグンと垢抜けたと言われ出したのも、歯並びを整えてホワイトニングした直後のことだ。エマの魅力や人気に歯並びは関係ないが、美しい口元がエマを引き立てているのは間違いない。
エマ同様、幼いころからショービズ界入りした女優でシンガーのマイリー・サイラスも、10代で歯並びを治したひとり。マイリーは笑うと歯ぐきが大きく見えてしまう“ガミースマイル”の持ち主。そのうえ、当時は歯並びが悪く、大きな歯と小さな歯が混在するプレティーンらしい口元だった。
そんなマイリーは、ディズニーチャンネルの『ハンナ・モンタナ』に出演してキッズたちの大スターだったころに、俳優のジェイミー・フォックスから「マイリー・サイラスって、あの“歯ぐきの子”でしょ」とけなされたことがある。
この不適切な発言には「子ども相手に大人げない」「デリカシーがない」と非難が集まり、ジェイミーは謝罪に追い込まれた。
のちにマイリーは歯並びを治したが、ガミースマイルはそのままだった。
歯ぐきが見える人は珍しくない。ジェイミーにバカにされたマイリーに自分を重ねて、傷ついた人もいるだろう。マイリーが歯列矯正をしたのは、立派な歯ぐきを見せつけるためだったのかもしれない。
ハリウッドでもトップクラスの人気と実力を誇る「Aリストスター」のトム・クルーズも、歯の美容治療をほどこしたセレブだ。
デビューしてまもなくは黄色くガタガタの乱ぐい歯で、現在のさわやかなイメージとはかけ離れていた。1983年の映画『アウトサイダー』は、歯のコンディションが悪かったころの出演作である。
矯正により歯の向きを整えたところ、トムの仕事はますます増えた。
ところが再び歯並びの崩れが目立つようになり、2002年ごろにはレッドカーペットでブラケットを装着する姿を目撃されている。
プロ意識の高いトムのことなので、ブラケットが確認されたとき以外にも、目立たない矯正具を使っていた可能性は充分にある。
しかし、よく見るとトムの歯は全体に左側にズレており、Aリストスターの財力をもってしても、どうやらその修整は困難だったようだ。
そこでトムは、完璧な笑顔を作ることで口元への視線を回避。正中線のズレを見事にカモフラージュした。
様々なコンプレックスを克服し、一線で活躍し続けるのだから、やはりトム・クルーズはスゴイ。
多くのセレブは美しい歯にこだわっているけれど、女優のダコタ・ジョンソンはむしろ逆。
ダコタのトレードマークは前歯のすきっ歯だったが、歯の内側に装着していたという矯正具を外したところ、なんとすき間がきれいに埋まってしまったそう。
出世作の『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』でも、ダコタの前歯はセクシーなチャームポイントだった。
本人もお気に入りのすきっ歯が消滅し、残念に感じているとのことだ。
美しい歯並びも素敵だけれど、ふぞろいな歯並びも個性があって魅力的。
歯の美容治療は、本人の好きなようにするのが一番である。
- 文:原西香
(はら あきか)海外セレブ情報誌を10年ほど編集・執筆。休刊後、フリーランスライターとして、セレブまわりなどを執筆中