防災グッズにのぼり旗 群雄割拠のホームセンターお勧めグッズ12

100円ショップなどに押され気味だったホームセンターが進化。各店の最新事情リポート

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千葉県習志野市にあるカインズ幕張店。島忠・ホームズが近接し、双方が火花を散らす激戦区となっている

ホームセンターが激動の時代を迎えている。これまで「日曜大工」が好きな男性客やプロの職人向けの商品を取り揃えてきたホームセンターだが、品揃えや店内のレイアウトが大きく変わっている。

流通アナリストの渡辺広明氏が言う。

「ホームセンターは工具や家具、日用品など、広く家に関する品物を扱ってきましたが、日用品の客は医薬品で儲けて日用品を安く売るドラッグストアに取られた。そして、素人が自宅で使う工具は、100円ショップに取られた。ちょっとしたネジを締めるくらいなら、百均のドライバーで事足りますからね。さらに家具や寝具は、ニトリやイケアにシェアを奪われています。

しかし、ホームセンター業界の市場規模は4兆円程度で、伸びもしていないけど、減ってもいません。ドラッグストアや100円ショップによる売り上げの落ち込みを、新しい客層を呼び込むことでカバーしているのです」

近年、自分で家具や雑貨などを自作する「DIY」(Do It Yourselfの略語)がブームになり、女性にも広がるなど、新たな顧客の取り込みに各ホームセンターは躍起になっている。

「ホームセンターがなんとか踏みとどまっているのは、お店に体験型エンターテインメントの要素があるからです。たとえば、噴水がおいてあり、『こんなの誰が買うんだよ』とツッコミを入れるのも楽しい。こういったすぐには売れない『死に筋商品』があるのが、ホームセンターの魅力です。死に筋があることで、売れ筋商品が輝いて見えるのです」(渡辺氏) 

機能的でおしゃれ

ただし、安穏としていては業界として衰退していくばかり。各ホームセンターチェーンでは生き残りをかけた合従連衡が始まっている。

「元々ホームセンターは地域とのつながりが強い業態でした。たとえば、コメリは新潟県三条市の米屋、ナフコは福岡県北九州市の家具屋からスタートし、最終的に何でも揃うホームセンターになった。そのため、その地域の『豪商』的な存在で、よその地域までは荒らしにいかないのが暗黙のルールでした。

ところが、20年ほど前から、コメリが小規模店舗を他地域に出し始め、バランスが崩れたという印象があります。対抗するように中部地方のカーマと西日本のダイキ、北海道のホーマックが手を組んで、DCMホールディングスという連合体を作った。これまではある特定の企業がその土地を統治している印象が強い業界でしたが、それが崩れたことで戦国時代の様相を呈しています」(流通ジャーナリストの森山真二氏)

北関東を中心に28都道府県に218店舗を出店する群馬県高崎市が発祥のカインズは、全国制覇へ向けて女性客の取り込みに余念がない。本誌記者もカインズ幕張店を訪れたが、無印良品やニトリのようなデザインの日用品や家具は機能的かつおしゃれで、安さも際立つ。

「カインズの特徴は、プライベートブランド(PB)商品に力を入れているところです。売り上げの約4割がPB商品で、海外のメーカーと直接やり取りして商品を生産しています。製造からデザイン、販売まで自社で取り仕切っているので、独自色の強い商品で勝負ができる。

ホームセンターは男社会と思われてきましたが、カインズでは女性社員の活躍が目立ち、女性目線での品揃えも特徴的です。ジョウロや灯油タンクも、グッドデザイン賞を取るほど、おしゃれで使いやすい。直営のカフェでは、『ホームメイドマフィン』(110円~)を焼いていますし、安くておいしいとSNSでバズっています」(専門誌記者)

楽天と組んだコーナン

カインズよりも売上高で劣るものの、出店数が多いのがコメリだ。大規模店『パワー』と小規模店『ハード&グリーン』の2種類の店舗を展開し、農業や園芸用品の充実に定評がある。ドライブスルー店舗や、工具や機械のレンタルなどユニークな取り組みも特徴的だ。

「農家から農産物を買い取って販売する食料品店『旬や米利』を展開するなど、コメリはもともと『農村コンビニ』と呼ばれていただけあって、農家に寄り添うことでシェアを広げています。店舗数が多いですが、情報は中央に集約されていて、在庫管理などがうまくコントロールされていることも強みです」(前出・森山氏)

今年は日本列島を何度も台風が直撃するなど、災害が多発した。防災意識の高まりや被害を受けたときの補修などで、ホームセンターに注目が集まっている。

実際、千葉県にあるコメリ『パワー四街道店』では、台風直後から大型発電機のレンタル(一日3080円)への注文が殺到し、常に貸し出し中という状況で、発電機以外にも高圧洗浄機や耕運機、2tダンプの人気が高かったという。

関西地方が地盤のコーナンは楽天と提携することで、新たな客層の開拓に邁進している。

「今年4月から楽天ポイントを導入しました。リアルな店舗データがほしい楽天と、マーケティングデータがほしいコーナンでシナジー効果があるでしょう。ホームセンターはなにしろアイテム数が多すぎるので、データ分析が難しい業界。楽天と協力して、顧客データを整理しようとしているわけです。

コーナンを運営するコーナン商事は、年商5000億円、つまり業界トップを狙うと公言しており、11月には『ドン・キホーテ』系のホームセンター、ドイトの買収も決定。首都圏へのさらなる出店を画策しているのでしょう」(森山氏)

西日本を中心に展開するナフコは、カジュアルなワークウェアの提案に注力し、新ブランド「フィールスカイ」を立ち上げた。なかでも「ウォームアップインサレーションジャケット」(3900円)は裏地にアルミ素材を使用し、女性が悩む「冷え」から体を守ると評判だ。機能的な作業着を一般向けに売り出し、大ブームを引き起こした『ワークマンプラス』を追撃する。

業界のダークホース

今後、さらなる合併&買収が進みそうなホームセンター業界で、22期連続増収を果たし、九州で11店舗を展開するハンズマンが注目を集めている。

「全国展開はまだですが、ハンズマンは業界のダークホース的存在です。一般のホームセンターの品揃えは1店舗あたり6万~7万点ですが、ハンズマンには約23万点に迫るアイテム数があり、本当になんでも揃います。店頭に出す『のぼり』も売っていて、社長自らがデザインしているという。

お客さんから『これ、ないの?』と尋ねられたら要望書にまとめ、4店舗から同じ商品が挙がれば確実に仕入れるそうです。お客さんがほしいと言えば、ネジや電子部品もバラ売りをするし、ストローだって1本から売る。100本入りのストローしかなければ、99本は会社で使って1本だけ売る、という徹底した顧客主義。これまでは九州だけの出店でしたが、全国から出店要請が絶えず、ついに’21年に大阪府松原市に1万坪の旗艦店を出店予定です。業界がハンズマンの動向を注視しています」(前出・専門誌記者)

ホームセンターは地方色が強いため、それぞれの店を比較しづらい。しかし、その「楽しさ」は共通している。ホームセンター大好き芸人、お笑いコンビ「うしろシティ」の阿諏訪泰義(あすわたいぎ)氏がその魅力を力説する。

「最大の魅力は、商品もさることながら、ホームセンターで買った材料や工具でDIYをしたら、たとえば机などは相当いい素材を使っても非常に安く作れることです。自分で作れば愛着も湧くし、壊れたときには自分で修理できます。

ホームセンターを活用することで、人生が豊かになりました。今の時代、モノが壊れたら捨てるか、おカネを払って修理してもらうかですが、実は自分の力で解決できることって結構あるんです。たとえば網戸は外れやすいですが、ネジと滑車を調整すれば、自分で修理できます。日々の生活の中で『もっと便利にならないかな』『なぜ壊れやすいんだろう?』と常に考えていれば、ホームセンターがその問題解決を手助けしてくれます。自分で問題を解決することで、人生がすごく楽しくなりますよ」

今の時季は各店舗で防寒や大掃除グッズに力を入れている。日常を楽しく、もっと便利にするために、ホームセンターに行ってみる価値はありそうだ。

『FRIDAY』2020年1月3日号より

  • 撮影結束武郎

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