元は汚部屋の住人  3児の母・づんが「手書き家計簿」で得たモノ | FRIDAYデジタル

元は汚部屋の住人  3児の母・づんが「手書き家計簿」で得たモノ

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現在、あるインスタグラマーのアカウントが人気を呼んでいるのはご存じだろうか?

づんさんのインスタグラムより
づんさんのインスタグラムより

2015年にInstagramに投稿した家計簿術『づんの家計簿』が反響を呼び、瞬く間にフォロワー7万人を超える有名投稿者となったづんさん。3日坊主になりがちな家計簿も、づんさんの方法を模倣すれば「無理なく続けられる」「節約できるようになった」と話題となり、「#づんの家計簿」で4万件以上の投稿が集まる。話題はSNS上だけに留まらず、その書き方を知りたいという声から『毎日が楽しくなる づんの家計簿ノート術』 『楽しく、貯まる「づんの家計簿」書きたくなるお金ノート』(ともに、ぴあ)などの書籍まで生まれた。

づんさんの家計簿はなぜ続けやすく、節約につながるのか―。家計簿の生みの親・づんさんに、家計簿の詳しいつけ方や節約のテクニックを聞いてみた。

挫折した人でも続く家計簿

島根県で3人の子育てをしている主婦・づんさん。その活動から、“几帳面な女性”というイメージを持つが、もともと「家計簿や日記などが続いたことがない」「汚部屋の住人だった」というほどズボラ主婦で、貯金も計画性も“ゼロ”だったという。

「最初は市販の家計簿を使っていました。でも、私にとっては枠が小さかったり、空白があると完成していない気持ちになったり、ちょっとしたストレスの積み重ねがあったんです。いつも1ヵ月で挫折して、少し経ったら散財してしまい“やっぱりやらなきゃ”と思って再開する、そんなスパイラルを繰り返していました。

気持ちが変わったのは子供が生まれたとき。“生涯設計をするためには、家計を把握することが大切だ”と再認識するきっかけになりました。そして、状況が把握できるように様々な工夫をすることで、今の家計簿にたどりついたんです」

家計のすべてを“見える化”

約2年の試行錯誤の末、ついに完成した『づんの家計簿』の特徴は、ルーズリーフやノートに線を引き、レシートの内容を毎日書き出すだけ、というもの。決まりごとは一切なし。家事や子育ての合間など、空き時間でつけられる簡単な仕組みなのだ。

「一見すると複雑そうに見えますが、実はとてもシンプルで、家計をやりくりするために必要な情報が一目でわかる優秀な家計簿なんです。家計簿にありがちなストレスを取り除き、“とにかく簡単に”“自分がいちばんやりやすい方法で”という書き方を追及したところ、買ったものをひとつひとつ手書きするスタイルに至りました。

大切なのは家計のすべてを“見える化”すること。複雑にあれこれ書き込むよりも、お金の流れやムダが分かることが最優先だと考えました」

“書く”ことで“見える”もの

近年は家計簿アプリなどが登場し、どんどん便利になっているが、書くという行為がタイピングより記録に残りやすいことは、さまざまな研究から実証されている。

「自分の人生にとって大切なお金を何に使いたいか。そのためにはいくら必要なのか。家計簿に書き出すことでどんどん整理されていくんです。“なんでこれを買ったのかな”とか“これはいらなかったかも”とか書きながらいろんなことが連動して頭に浮かび、やるべきことが見えてくるんです。そしたら家計簿をつけることが日課になっていました(笑)」

づんさんの書いた家計簿を見ると、買い物やその日に思ったこと、一日の過ごし方などの“一言メモ”が添えられている。このメモは余裕がなければ書かなくてもOKだそうだが、気づいたことを書き留めておくと、見返したときにさまざまな発見がありそうだ。

欲しいものはしっかり買う

家計簿をつけることで、づんさん自身の生き方や家族との関係もいい方向に変わっていったという。重きを置いているのは、“欲”との付き合い方。これを体得することが“貯める+家族円満”をダブルで叶える秘訣らしい。

「お金の把握ができていないときは、夫に“欲しいものがある”と相談されても、“私だって我慢しているのに…”と頭ごなしに拒絶していました。夫に飲み会や無駄遣いの文句を言っておきながら、いざ家計簿をつけてみると、実はこれまで無駄遣いをしていた犯人は私だと分かって…。“普段のやりくりをしっかりしないと”と改めて感じましたね。家計を把握できてからは、夫や子供と“今月はこうしよう”とお金の話ができるようになりました。

たとえば、息子がプラレールを欲しがっているけど、夫も洋服を欲しがっているとしますよね。そのときは夫に相談して、その月は息子の欲に比重を置き、夫は後倒しにしてもらうことでひと月に出費が偏らないようにしています。無理に節約せず、欲しいものを我慢せずに買うために、家族の欲しいものと家計を把握して“欲のバランスをとること”を大切にしています」

もうひとつ、本当に欲しいものはお金を貯めて買うことも大切だという。

「例えば、3万円のバッグがあったとします。自身のやりくりを見て“予算オーバーだな”と思ったら、似たようなデザインの安いものを見つけて買う方って、意外と多いんです。でも、待ってください。それは無駄遣いです! 本当に欲しいものと違うものを買うと、思い入れがないのですぐに使わなくなってしまいます。しかも、中途半端にしか欲が満たされないため、またすぐ別のものを買ってしまう…という負のスパイラルに陥ってしまうんです。それなら少し値が張っても、本当に欲しいものを買って、長く使えたほうがいいと思いませんか?」

本当に欲しいものを買う。欲が満たされる。罪悪感もなく、余計な買い物をしなくなる。それが長い目で見ると、節約の方程式なのだ。

今の家計簿のカタチを完成させて、約1年。我慢をすることなく生活費を1/3もカット(!)することができたそう。

家計簿=ポジティブになる道具

“無駄が一目で分かること”は、多くの方が感じている『づんの家計簿』のいちばんの特徴。家計の無駄を“見える化”することで、「問題解決=無駄遣いをしない」&「目標達成=旅行や貯金などを現実として認識」が可能になる。そして、それが「続けてみよう」というモチベーションにつながるのだ。づんさん自身、家計を把握することで、漠然とした未来への不安もなくなったという。

「今後、子供が成長して進学したときに固定費が増えても、家計簿をつけていれば慌てることはないという根拠のない自信がありますね。もちろん、これからの未来にまったく不安がないわけではありません。老後までの長い道のり、いつ、どんなお金がいくらかかるかなんて、知る由もないですから。それでも、常に現状を把握することは大切だと考えています。ピンチになっても慌てずに、今の方法を応用していけば、打開策も考えられると自負しているんです」

節約なんて無縁と思えるくらい、ハッピーなムードで包まれているづんさん。それは、楽しく貯まる『づんの家計簿』の成功の証かもしれない。

 

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  • 取材・文櫻井千佳

    ファッション、ビューティー関係の広告を中心に記事を執筆する編集・ライター・プランナー

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