逮捕されない元TBS山口氏と逮捕された新井浩文の“決定的違い”

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逮捕された新井は実刑の可能性が高いが、山口氏は民事裁判の一審では敗訴したが、逮捕されることはなかった

 

女性の同意なしに性行為に及ぶ強制性交罪、もしくは準強制性交罪。前者は暴行がセットで、女性を抵抗できない状態にして性交する重罪だ。

今年2月、派遣型マッサージ店の女性従業員に対する強制性交罪で逮捕、有罪判決を受けたのが俳優の新井浩文だ。

この手の犯罪は当事者のみの密室で起きる場合が大半で、決定的な証拠が出ることは少ない。新井被告の場合も、被害女性Aさんが暗闇の中、力ずくで体を押さえつけられたと証言したのに対し、新井被告は「同意があったと受け取ってもおかしくない状況だった」と主張するなど、双方の言い分は食い違ったままだ。

そうなるとわかった上で、警察はなぜ新井被告を逮捕したのか? 全国紙の社会部記者が話す。

「何よりもAさんの本気度。被害に遭ってからすぐに警察署に駆け込み、被害届を提出した。逮捕までの7カ月間、新井被告は示談金を増額して行き、最後は2000万円を提示したという。言い方は悪いが、これほどの金額になると、示談に応じるパターンが多い。それでもAさんはお金ではなく、新井被告を罰する道を選んだ。裁判所も『Aさんの話は信じるに値する』と判断した」

一方でこんな話もある。スポーツ紙記者が解説する。

「薬物事件を見てもそうだが、警察が有名人を挙げたがる傾向にあるのは間違いない。正直、今回の事件の物的証拠は乏しく、新井のマンションの防犯カメラにも被害を連想させる映像は映っていなかった。それでも逮捕に踏み切ったのは、Aさんの証言の信憑性が高く、彼女が部屋を出る際に新井が5万円を渡したことなど、状況証拠において合理的な裏付けができると判断したからだろう」

新井被告は一審判決を不服として、控訴。高裁で判決が覆る可能性も残されている。ただ、法曹関係者によると、「覆る可能性は2~3割程度といったところでしょうか」と話す。

一方、ジャーナリストの伊藤詩織さんと同意のないまま性行為に及び、東京地裁から賠償命令を受けた元TBSワシントン支局長・山口敬之氏は、逮捕されていない。

あくまで民事で下された330万円の支払い命令は、同意なき性交で肉体的、精神的苦痛を負ったことへの損害賠償。山口氏はことあるごとに「私は法を犯してはいない」と繰り返しているが、それは正しい。

事件を簡単に振り返ると、伊藤さんは米国の大学に在籍した‘13年12月に、アルバイト先のバーで山口氏と知り合った。彼女は正社員としての就職先を求めるメールを山口氏に送信したことをきっかけに、帰国。‘15年4月3日彼と会食した際、意識を失い、ホテルで暴行を受けたとして、準強姦容疑(現在は準強制性交)で警視庁に被害届を提出した。

同6月に山口氏の逮捕状が発行されたが、逮捕直前に取り消されたという。対する山口氏は合意に基づく性行為だと反論。東京地検は‘16年7月、嫌疑不十分で不起訴とし、伊藤さんは翌17年5月に不起訴不当を訴えたが、東京第6検察審査会も同9月、不起訴を覆すだけの理由がないとして不起訴相当と議決した。

ここでも双方の主張は食い違っているが、1つ言えるのは逮捕状が発行されたという事実だ。

「逮捕状は捜査機関が作成し、それを裁判所が許可して初めて発行される。つまり裁判所も山口氏の逮捕には同意しているわけで、そう簡単に出したり、引っ込めたりすることはできない。逮捕後に嫌疑不十分で釈放されるケースはいくらでもあるが、土壇場で逮捕状自体が取り消されるのは、極めて異例と言わざるを得ない」(全国紙社会部記者)

そこで再三言われているのは、“山口氏が安倍晋三首相に近いため、何らかの便宜が図られたのではないか?”という疑惑だ。これについては当時の警視庁刑事部長の関与も指摘されているが、実際どうなのかはわからない。

当の山口氏も判決後の12月19日に外国特派員協会で行った記者会見で、

「この事案について、私はどの政治家にも警察にも、官僚にも、要するに誰にも何もお願いしていない」

と否定している。とはいえ、新井と山口氏では立件のハードルがあまりにも違いすぎると誰もが感じるだろう。前出の社会部記者は「むしろ、密室で1対1だった新井の事件よりも、伊藤詩織さんの件はホテルマンやタクシー運転手などの第三者が彼女の異変について証言しているため、証拠は多いはず」と話す。

やはり、すべては権力者によるサジ加減なのだろうか。

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