田中みな実&弘中綾香 人気急上昇女子アナの強みは“キャラ武装”
オリコンの『好きなアナウンサーランキング 女子アナ編』で、今年はテレビ朝日の弘中綾香アナが昨年の2位からついに1位に輝いた。
いっぽう『文春』の『アナウンサー好感度ランキング』では日本テレビの水卜麻美アナが連覇を果たし、弘中アナは8位にランクイン。弘中アナに関して言えば、昨年の18位から一気にジャンプアップしている。
これは、彼女の人気が急上昇しているということの表れだろう。前回はランク外だった嫌いな女子アナでも7位に登場していて、注目度が上がったことがうかがえる。
オリコンのランキングでは、弘中アナに次いで2位に田中みな実アナが登場。その一方で、田中は、文春のランキングでは好感度が14位、嫌いなアナで4位となっている。
かつては女子アナが注目を浴び、ブームを作ったこともあった。ブーム全盛だったころから長らく、人気となる女子アナの傾向はほぼほぼ決まっていて、まず“好感度”が一番だった。フジテレビの『パン』シリーズで人気の出た高島彩や生野陽子、加藤綾子、日本テレビの水卜麻美はまさに好感度が高いと言えるだろう。
最近は以前ほど盛り上がりを見せることは少ない。そんな中で、現在脚光を浴びている2人が弘中アナと田中アナなのだ。
彼女たちの人気の秘密は好感度ではないように感じる。どちらかと言えば“クセ”のある個性的な女性だ。
それどころか彼女たちは“あざとい”と言われることもある。ほかに“上から目線”や“ぶりっ子”“性格悪い”などと、およそ賛辞といえない言葉が投げかけられているのだ。
しかし、彼女たちの人気は絶大だ。特にオリコンランキング1位の弘中アナは10代から50代までの世代別のランキングですべて1位を獲っている。そしてこの人気を支えているのが女性たちだという。
「女子アナといえばファンは原則、男性が多いのですが、この2人は女性ファンも多い。それは2人ともしっかりした自我を持っていて、自己主張が強い。媚びることをしません。そこに女性ファンが共感しているのです。また田中さんは“美”に対する探究心も強く、同じ30代の女性たちが憧れる存在となりました」(広告代理店社員)
女性ファンが彼女たちを応援する理由は分かるが、男性ファン人気も獲得できているのはなぜなのか。そこにはある男性心理が関係しているという。
「古くは加賀まりこさんに代表されるような“小悪魔”的キャラの女優やタレントが、今でも人気があります。芸能界ではなくてはならないキャラであって貴重。吉高由里子さん、石原さとみさんもそうですね。彼女たちは絶大な人気があります。弘中アナや田中アナも彼女たちに共通するところがあります。火傷するかもしれないけど、そんな女性に翻弄されたい、と思う男たちはどの時代でもなくなりません。最近は特に草食系男子増加に加えて、女性に“叱られたい”と思うドM男性が増えた気がしますね」(同・広告代理店社員)
なるほどNHKの『チコちゃんに叱られる!』が大人気番組になったのも理解できるだろう。“ボーッと生きてんじゃねえよ!”と叱責されることに快感を覚えるのはほぼ男性らしい。
「世の中に持たれているネガティブなイメージを逆手にとって、バラエティで自己表現できているのが田中さんのすごいところです。本来は見せたくない部分にもかかわらず、“あざとさ”や“したたかさ”で上手に武装しているように感じます。求められていることをしっかり披露できるのが、彼女の強みだと思います」(番組製作スタッフ)
弘中アナも、何をいうかわからないというハラハラ感があって目が離せない部分が魅力とも言われている。
「今どきの子という感じで、物怖じしませんし我が強い部分もありますが、仕事はしっかりこなしています。普段はいたって当たり前の子ですよ。嫌な感じもまったくせず、むしろ局内人気は高いです。求められていることを察して、キャラでやっている部分もあるのではないでしょうか」(テレビ朝日関係者)
女子アナといえば“才色兼備”と決まっていたが、そんな概念が崩れ始めているのは確かなようだ――。
- 文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)
- 写真:時事
芸能ジャーナリスト
宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。最近は、コメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中