台風15号で倒壊したゴルフ場 オーナーは今も責任とる気なし

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倒壊したゴルフ場を見つめるオーナー(右)。土地を買いたいという問い合わせも数件きているという

「家屋を建て直す費用と、壊れた家具などを買い替える費用を考えると、ゴルフ練習場には少なくとも2000万円は補償してもらわないと……。このままでは、生活が立ち行きません」

3000万円かけて建てたマイホームを一瞬にして粉々にされた佐藤由美子さん(54)は、悲痛な表情でそう話した。

’19年9月9日に千葉県に上陸し、観測史上最大となる瞬間風速57.5mの暴風で甚大な被害を与えた台風15号。その強風にあおられて、千葉県市原市内にあるゴルフ練習場のネットと鉄柱が倒れ、隣接する16軒の家屋が破壊された。

ゴルフ場の女性オーナーは当初、弁護士を通じて「自然災害なので補償しない」と被害住民に通告していた。しかし、住民の猛反発と世間のバッシングを受け、担当弁護士を解任。災害補償に詳しい弁護士を新たに雇って補償する意向を示すようになった。だが……。

「被害から3ヵ月経ったいまでも、具体的な補償金額は決まっていません。オーナーの対応は遅すぎてまったく誠意が感じられない。怒りを通り越して、呆れるばかりです」(近隣住民)

いったいいつになったら責任をとるのか。12月中旬、ゴルフ場の事務所に来た女性オーナーを直撃した。

――まだ家屋の補償が決まっていないと聞きました。

「ええ、まだまだ。ゴルフ場の土地を売却し、補償のためのお金を捻出する予定ですが、売却先が決まっていないんです」

――売れた金額によっては、補償金が足りない可能性もあるということですか。

「住人の皆さんには、できる限りそれで納得していただくしかありません」

――鉄柱の撤去作業は、東京の解体業者が無償でやってくれたというのは事実でしょうか。

「そうですね。被害住民の方がかわいそうという思いで、ボランティアでやっていただきました。でも(撤去作業の際の)警備費用や(工事にかかる)保険料などは私たちが負担しているんですよ」

――鉄柱倒壊の原因は解明されたのでしょうか。

「原因は『神のみぞ知る』じゃないですか?」

――「鉄柱が古くなっていた」とも言われていますが、心当たりは。

「わからないです。強風で竜巻が生じていたという説もあるみたいですよ」

もちろん、自然災害の“発生”は誰のせいでもない。だが、ゴルフ場の過失が疑われるにもかかわらず、事故原因を調査しないオーナーの態度は、「責任をとる気がない」と批判されても仕方がない。賠償問題に詳しい加藤寛久弁護士が言う。

「ゴルフ練習場の鉄柱の設置または保存に瑕疵(かし)があったか、無かったかは重要な点です。もし鉄柱の老朽化などが指摘される場合、練習場サイドに賠償責任が発生することもありえます」

オーナーに求められているのは、弁護士を通じた交渉ではなく、被害者と真摯に向き合うことではないだろうか。

『FRIDAY』2020年1月10・17日号より

  • 撮影結束武郎

Photo Gallary1

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