『いだてん』が高満足? 視聴“質”での男女別人気番組トップ10

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テレビ内臓のセンサーで視聴者の顔の動きなどを測定するデモ画像。喜怒哀楽も判定。プライバシー保護のため録画さられることはない

「テレビ番組を視聴率だけでとらえては見えないことも多い。どれだけジックリ見られたか、番組の質で測定する指標があってもいいのではないか。そう考えて、“視聴質”という概念での調査を始めました」

ベンチャー企業「TVISION INSIGHTS」(以下、T社)社長・郡谷康士氏(36)が話す。郡谷氏が言う視聴質とは、番組がどれだけシッカリ見られたかを計測するための新たな基準だ。協力世帯(全国で1000世帯弱)のテレビにセンサーを取りつけ、視聴者がどれくらいテレビ画面に顔を向けているかなどを測る。調査に使うのは主に二つの指標。「テレビの前に人がいるか」を表すVI値と、「テレビの前の人が画面に顔が向いているか」のAI値だ。

「’15年6月から調査を始め、地上波6局7チャンネル、BS8局9チャンネル、MXテレビを対象にしています。基準期間中の全番組を毎秒測定し、その平均値を1としているんです。数値が高いほど、視聴者が番組にクギ付けになったということになります」(郡谷氏)

以下はT社が調べた、’19年7月期の視聴質ランキングトップ10だ(番組名の後の数値は左からVI値、AI値、VI値×AI値)。

1位 TBS『ノーサイド・ゲーム』(ドラマ)        1.37 1.28 1.75
2位 NHK『なつぞら』(ドラマ)             1.24 1.34 1.67
3位 NHK『いだてん』(ドラマ)             1.30 1.28 1.66
4位 日本テレビ『あなたの番です』(ドラマ)        1.22 1.31 1.61
5位 日本テレビ『ボイス110緊急指令室』(ドラマ)     1.16 1.34 1.55
6位 TBS『東大王』(バラエティ)            1.41 1.07 1.51
7位 日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』(バラエティ) 1.41 1.05 1.48
8位 TBS『凪のお暇』(ドラマ)             1.13 1.30 1.47
9位 フジテレビ『潜在能力テスト』(バラエティ)      1.32 1.09 1.45
10位 テレビ朝日『ドラえもん』(アニメ)          1.30 1.11 1.44

「興味深いのが、3位のNHK大河ドラマ『いだてん』です。世帯視聴率は平均で8.2%(ビデオリサーチ社調べ、関東地区)と、大河ドラマ史上最低でした。しかし視聴質では、2位の『なつぞら』(平均世帯視聴率21.0%)と肩を並べている。視聴者を虜にした、質が高く魅力的な番組と言えるでしょう」(郡谷氏

さらに男女別の人気番組を見ると、面白い現象が浮かびあがる。まずは男性のベスト10を紹介しよう(数値は全体と同じ)。

1位 TBS『ノーサイド・ゲーム』(ドラマ)            1.57 1.25 1.96
2位 テレビ東京『YOUは何しに日本へ?』(バラエティ)     1.63 1.10 1.79
3位 テレビ東京『世界!ニッポン行きたい人応援団』(バラエティ) 1.69 1.05 1.78
4位 NHK『いだてん』(ドラマ)                1.33 1.28 1.71
5位 テレビ東京『出川哲郎の充電させてもらえませんか』(バラエティ)1.50 1.07 1.61
6位 フジテレビ『ジャンクSPORTS』(バラエティ)      1.45 1.08 1.56
7位 NHK『ブラタモリ』(バラエティ)             1.47 1.05 1.55
8位 テレビ東京『モヤモヤさま~ず2』(バラエティ)       1.56 0.99 1.55
9位 TBS『東大王』(バラエティ)               1.45 1.06 1.54
10位 NHK『チコちゃんに叱られる!』(バラエティ)       1.50 1.01 1.51

次は女性の人気番組だ。

1位 日本テレビ『あなたの番です』(ドラマ)           1.44 1.33 1.93
2位 NHK『なつぞら』(ドラマ)                1.29 1.49 1.92
3位 日本テレビ『ボイス110緊急指令室』(ドラマ)        1.25 1.30 1.63
4位 NHK『いだてん』(ドラマ)                1.25 1.28 1.60
5位 テレビ朝日『ミュージックステーション』(音楽)       1.52 1.05 1.59
6位 テレビ朝日『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(バラエティ)1.47 1.05 1.55
7位 フジテレビ『潜在能力テスト』(バラエティ)         1.41 1.10 1.55
8位 TBS『凪のお暇』(ドラマ)                1.15 1.34 1.54
9位 TBS『ノーサイド・ゲーム』(ドラマ)           1.14 1.32 1.51
10位 テレビ朝日『ドラえもん』(アニメ)             1.36 1.11 1.50

前出の郡谷氏が解説する。

「男性のランキングにドラマは2つしか入っていませんが、女性は5つあります。また男性1位の『ノーサイド・ゲーム』はラグビーが題材ということもあるのか、女性では9位と順位が高くない。またテレビ局別に見ると男性はテレビ東京のバラエティ番組を好んで見ているのに対し、女性のトップ10には一つも入っていません。逆に男性と違い、女性はテレビ朝日の番組が三つもランクインしています。視聴質からは、男女の好みの違いもハッキリわかるんです」

‘90年代までは毎晩、家族そろってテレビを見るという形態が一般的だった。だが時代は変わり家族みんなでの視聴は激減し、録画で番組を見る人も増えている。テレビをつけていれば、見ていようが見ていまいが同じ数値になる世帯視聴率はもう古い。作品の内容で番組の良し悪しを判断する視聴質は、今の時代に合った指標だろう。T社のセンサーは視聴者の喜怒哀楽も測定が可能。新しい技術を活用し、より幅広く人々の動向をとらえる視聴質の開発に取り組む予定だ。

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