今年選ばれる3校はここだ! 選抜21世紀枠をいち早く大予想

過去のデータ、傾向、推薦校の状況を徹底分析したら、出場校が浮かび上がってきた!

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21世紀枠が導入された初年度、2001年にベスト4に進出した宜野座(沖縄)。21世紀枠で選ばれた高校としては2009年の利府(宮城)とともに最高成績

今月24日、3月に行われる選抜高校野球の出場校が発表される。その中でも出場校の予想が難しいのが21世紀枠だ。文字通り21世紀となった2001年の第73回大会から設けられた特別出場枠であり、地域的な困難を克服した学校や、野球以外での活動が他校の模範となる学校を3校選出している。果たして今年はどのチームが選出されるのか。過去の傾向や推薦校の状況から予想してみた。

まず今年全国の9地区から推薦されている学校は以下の通りである。

北海道:帯広農
東北:磐城(福島)
関東・東京:宇都宮(栃木)
北信越:敦賀(福井)
東海:近大高専(三重)
近畿:伊香(滋賀)
中国:平田(島根)
四国:城東(徳島)
九州:本部(沖縄)

まず東日本から1校、西日本から1校を選び、加えてもう1校を「その他」として選ぶのが現在のルールである。そして過去に選出された学校の顔ぶれを見てみると、大まかな傾向が見えてくる。

最も多いタイプは入試の偏差値が高い“文武両道型”だ。野球以外の評価という意味で最も分かりやすい指標であり、過去の出場校では松江北(島根)、一関一(岩手)、高松(香川)、金沢桜丘(石川)、都城泉ヶ丘(宮崎)、彦根東(滋賀)、大分上野丘(大分)、大館鳳鳴(秋田)、城南(徳島)、小山台(東京)、松山東(愛媛)、長田(兵庫)、膳所(滋賀)などがこれに該当する。今回の最終候補の中では磐城、宇都宮、城東がこの枠に当てはまりそうだ。

次に目立つのが地域の人口減少、離島や豪雪地帯などといった“地域的ハンデ型”だ。過去には鵡川(北海道)、隠岐(島根)、佐渡(新潟)、女満別(北海道)、遠軽(北海道)、大島(鹿児島)、小豆島(香川)などがこのような理由で選ばれている。また震災などの困難を乗り越えたというハンデも含めるとすると石巻工(宮城)、いわき海星(福島)、釜石(岩手)などもこの枠になるだろう。今回の推薦校の中では秋の東北大会中に台風19号に見舞われた磐城が当てはまるだろう。

絶対数は多くないが、時折登場するタイプが“伝統校復活型”だ。一般選考の枠では難しいものの、かつて甲子園出場を果たして地元を沸かせた学校が選ばれているケースが確かにある。向陽(和歌山)、洲本(兵庫)、土佐(高知)、海南(和歌山)、桐蔭(和歌山)などがこの枠に当てはまり、今年では磐城が1971年夏の甲子園で準優勝を果たしている。

そして最後のタイプが“好投手在籍型”だ。本来の趣旨とは異なるものの、あまりに大差がついてしまうのは望ましくないという考えが働くのか、好投手が在籍している学校を選んでいるケースが少なくない。木村正太(元・巨人)のいた一関一、小川泰弘(現・ヤクルト)のいた成章(愛知)、横山雄哉(現・阪神)のいた山形中央(山形)、伊藤優輔(現・三菱日立パワーシステムズ)のいた小山台、森奎真(現・JR東海)のいた豊橋工(愛知)、岩本大地(中央大進学予定)のいた石岡一(茨城)などがこれに当てはまる。今年の候補の中では伊香のエース隼瀬一樹が140kmを超えるスピードを誇り、注目を集めている。

以上のような傾向を鑑みて3校を予想すると、東日本からは磐城、西日本からは平田、そして最後の1校は近大高専となるのではないだろうか。

まず21世紀枠で出場した学校は過去3年間勝利から遠ざかっており、最後に勝利した釜石も相手は同じ21世紀枠の小豆島だった。2020年になりこの制度の是非が問われている中で、ある程度結果を残せるチームを選びたいという気持ちが選考委員の中にも強くなっているはずである。そういう意味でも磐城は秋の東北大会に出場して2勝、平田と近大高専も県大会を勝ち抜いて地区大会に出場しており、今回選ばれた学校の中では実力を備えているというのが大きい。

そして個別に見ていくと磐城は文武両道、ハンデ、伝統校という3要素を備えており、アピールポイントが非常に多い点が大きな強みとなる。多くのOB、関係者による応援で盛り上がることが予想されるところもプラスポイントだ。平田は昨年も最終候補に残っている点と、推薦理由にある地域の野球人口拡大の取り組みが高く評価されると読んで予想した。高野連にとっても野球人口の減少は大きな課題であり、野球振興のシンボルとして取り上げたいという気持ちは強いだろう。近大高専は高専として初の甲子園という点がプラスになると予想した。私立高校は過去に土佐しか選ばれていないが、それ以上に史上初の話題性が上回るのではないだろうか。

前述したように21世紀枠で出場した学校の成績は芳しくなく、制度を見直すべきという声も聞かれている。しかし選ばれる側の学校、選手にとっては大きなチャンスであることは間違いなく、小川泰弘などは21世紀枠をきっかけにステップアップした好例と言えるだろう。選ばれた学校、選手はこの機会を最大限に生かして、ぜひ甲子園の晴れ舞台で実力を最大限に発揮してもらいたい。

 

  • 西尾典文(にしお・のりふみ)

    スポーツライター。愛知県出身。’79年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究(PABBlab)」主任研究員。

  • 写真時事通信社

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