神戸製鋼ラファエレ ティモシーが語る「W杯で一番感動した瞬間」

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ラファエレは、W杯で劇的なトライを何度もアシストした。写真はスコットランド戦(写真:アフロ)

トップリーグ連覇を狙う神戸製鋼は1月12日、開幕戦でキヤノンを50-16で下し、好発進した。

先発のセンターはラファエレ ティモシー。サモア生まれ、ニュージーランド育ちのラファエレは山梨学院大入学と同時に来日。今では日本国籍を有し、昨秋のワールドカップ日本大会にも出場した。

大会では不動のセンターとして初の日本8強入りの原動力となり準々決勝の南アフリカ戦を含め、全5試合すべてに先発した。

ラファエレは昨春、コカ・コーラから神戸製鋼に移籍。キヤノン戦でもワールドカップと同じセンターで、前後半80分間、交替することなく戦った。開幕2戦目のヤマハ発動機戦(1月18日、ヤマハスタジアム、13時キックオフ)でも先発する。

スピードと強さを兼ね備え、パスなどの技術も高い。28歳と選手としても脂の乗ったラファエレが初めて参加したワールドカップやトップリーグのことなどを語った。

ーー日本初の8強に進んだワールドカップはいかがでした?

このチームの一員であることが幸せでした。試合も、練習もすべてを楽しみました。選手もコーチもみんな仲がよかった。いいチームでした。

ーーその大会で全5試合に先発しました

びっくりしました。そうは思っていませんでした。もし出られるなら、その1試合に集中して、それを積み上げて行こうと思っていました。そうしたら5試合すべてに出ていました。自分にとって素晴らしいことでした。

ーー覚えているプレーはありますか

自分のことではありませんが、アイルランド戦(第2戦、日本は19-12で勝利)の前半、スクラムを押したシーンですね。あの強いアイルランドのスクラムに勝ちました。フォワードの仲間たちは1年間、必死にスクラムに取り組んでいました。その成果が私の目の前に広がっている。自分のプレーよりもそちらの方に感動しました。とてもうれしかったことを覚えています。

ラファエレがW杯でもっとも記憶に残っているのはアイルランド戦でのスクラムだという(写真:AFP/アフロ)

ーーワールドカップで得たことはなんですか

日本はアイルランドやスコットランドに勝って(19-12、28-21)、世界の強豪といい試合ができることを証明できました。その自信を得ましたね。

それと応援のすごさです。あれだけ熱狂的な応援をしてもらえるとは思っていなかったので驚きました。我々選手にとって大きな励みになりました。

ーー神戸製鋼に移籍した理由は?

自分がまだプレーヤーとして成長できると思いました。いいコーチ(※1)もいい選手(※2)もたくさんいます。そこから学べると考えました。毎日、練習に来るのが楽しいです。

(※1)ウエイン・スミス総監督は「世界最強」と呼ばれるニュージーランド代表ヘッドコーチ(監督)を2シーズン、アシスタントコーチを2期11シーズンつとめた。その間、2011年、2015年と2回のワールドカップで優勝している。

(※2)先のワールドカップに出場した日本代表は4人。ラファエレ、中島イシレリ(プロップ)、アタアタ・モエアキオラ(ウイング)、山中亮平(フルバック)。

ーー今住んでいる神戸と以前住んでいた福岡(コカ・コーラのホーム)を比べるといかがですか

どちらもいいですね。福岡は海がきれいです。神戸はビーフ(神戸牛)が美味しい。とんこつラーメンは福岡から始まったと聞いていますが、私はどちらの味も好きです。

ーー開幕戦はキヤノンに大勝しました

フォワードとバックスのコンビネーションがとれていました。どちらかに偏ってはいませんでした。出場した15人全員の動きがよかったと思います。いいスタートが切れました。

ーーあの試合では前半、長いバックフリップパス(※3)も披露しました。観衆は「おー」と感動していました

いつも練習はしていますが、あの時はとっさの判断ですね。フレイザー(アンダーソン、ウイング)がよくとってくれました。

(※3)補球者に背中を向けた状態で、片手で放るパス。難易度が高い。

ーーニュージーランド代表キャップ(所属協会が認めた国際試合の出場数)112を持つダン・カーターらそうそうたる顔ぶれの中でプレーをしています 

ダン・カーターが来日する前から、もちろん彼のすごさは知っていました。一緒にプレーできて楽しいです。彼は練習中でも私にアドバイスをくれます。素晴らしい選手です。彼とプレーをするのは慣れてきましたが、依然として彼やリチャード(バックマン=もうひとりのセンター)から色々と学んでいます。

ーー次のリーグ戦はヤマハ発動機です。相手もトヨタ自動車を31-29で破り、同じように開幕白星を挙げました。

強いチームです。アタックもよくなっています。以前はどちらかというとスクラムとラインアウトのセットピースを中心にしたフォワードのチームでしたが、今はバックスの展開力もついてきています。侮れません。

私の大きな仕事はウイングにボールを回して、トライをとってもらうことです。ヤマハ戦ではアタアタ(モエアキオラ、日本代表でもチームメイト)がリーグ戦で初めて先発します。彼はランニングやパワーなど素晴らしい能力を持っている。その力を引き出せるようにしたいですね。

ーーリーグ戦のチームの目標はなんですか?

優勝することですね。このチームで言えば連覇です。私はまだトップリーグで優勝したことがありません。ぜひその経験を得たいと思っています。

ーー個人的な目標はなんですか?

 試合に出ることです。その上で優勝に貢献したいです。

ーー次の日本代表のことを考えていますか?

まずはこの神戸製鋼で結果を出したいですね。代表はその次にあるものですから。

◆ラファエレ ティモシー(らふぁえれ・てぃもしー) 1991年8月19日生まれ。サモア生まれ、ニュージーランド育ちの28歳。日本国籍を取得済み。デラセラ高→山梨学院大→コカ・コーラ→神戸製鋼。日本代表キャップは23。19年秋のワールドカップ日本大会では、不動のセンターとして準々決勝の南アフリカ戦(3-26)を含め、全5試合すべてに先発した。昨春、4シーズン在籍したコカ・コーラから神戸製鋼に移籍。2017~2019年には国際リーグ・スーパーラグビーのサンウルブズでも戦った。186センチ、98キロ。家族は夫人。

  • 取材・文鎮勝也

    (しずめかつや)1966年(昭和41)年生まれ。大阪府吹田市出身。スポーツライター。大阪府立摂津高校、立命館大学産業社会学部を卒業。デイリースポーツ、スポーツニッポン新聞社で整理、取材記者を経験する。スポーツ紙記者時代は主にアマ、プロ野球とラグビーを担当

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