初回19%超 『麒麟』を救った長谷川博己“ヒット請負人”の軌跡

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’19年11月、東京・渋谷区内のリカーショップでワインやシャンパンを購入した長谷川。事実婚・鈴木京香との仲も順調のようだ

長谷川博己(42)がやってくれた――。

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の初回平均視聴率は19.1%(ビデオリサーチ社調べ。関東地区)。謀反人の明智光秀という題材が悪いと酷評されるわ、共演の沢尻エリカが薬物使用で逮捕されるわと、不安要素しかないスタートとなっていたが、フタを開けてみれば’15年の『真田丸』以来の初回視聴率19%超え。まさに文句なしの結果だった。

この功労者は、主演の長谷川以外の何者でもないだろう。そもそも彼は、ずっとヒット請負人だったのだ。なのに、その功績があまりにも注目されていなかった。そこで『麒麟がくる』で初めて彼の実力を痛感した人たちに、長谷川のこれまでの実績をあらためて紹介したいと思う。

長谷川の出世作といえば、初主演を務めた『鈴木先生』(‘11年、テレビ東京)だ。視聴率こそ奮わなかったが、日本民間放送連盟賞を受賞するなどドラマは高い評価を受け、その後映画化もされた。

そして長谷川の存在を全国に知らしめたのが、あの『家政婦のミタ』(’11年、日本テレビ系)だ。ドラマがヒットしなくなったと言われていた当時において、最終回の視聴率は40.0%を記録。21世紀に放送された連ドラでは最大のヒットとなり、一般劇(NHK大河と朝の連続テレビ小説を抜いたすべてのドラマ)において最終回の視聴率歴代3位となるモンスター級のヒットを収めた。「承知しました」としか言わない松嶋菜々子演じる家政婦が、いじめ撃退から殺人まで、雇い主の家族から命じられた全てのことを実行しようとする、そんなぶっ飛んだ設定だ。このヒットは、松嶋の怪演もあって彼女の手柄のように語られた。が、実際は長谷川が演じた雇い主である家族の父親の、何とも現代的な薄っぺらい誠実さが、このドラマをただのキワモノ作品にしてしまわずリアルに落とし込んでいた、と見られている。

その後、再び彼の演技力が注目を集めるのは、杏が主演を務めた『デート~恋とはどんなものかしら~』(’15年、フジテレビ系)だ。恋愛経験ゼロのエリート女子と、女性に養ってもらおうと目論むニート男性との恋を描いたもので、ラブコメが苦戦する昨今において平均視聴率は12.5%を記録。長谷川が演じた“高等遊民”は、ニートやヒモに変わる新語として注目も集め、その後ドラマはスペシャル版も製作された。しかしこのときも、朝ドラ『ごちそうさん』(’13年、NHK)でヒットを収めた杏が、新境地となるコメディエンヌな一面を見せただけに、彼女の演技のほうばかりが注目されてしまった。が、その後杏が『偽装不倫』(’19年、日本テレビ系)で同じようなラブコメに挑戦し、こちらは結果が奮っていないことからも、『デート~』のヒットは長谷川あってのものだったと言っていいだろう。

そして’16年に大ヒットを記録した映画『シンゴジラ』。累計動員数500万人を突破し、興行収入も80憶円を超え、ゴジラシリーズ最大のヒットとなった。この映画は竹野内豊や石原さとみ、故・大杉漣、また当時社会現象になるほどの人気を博していた高橋一生など主演級の役者が勢ぞろいしていたため霞みがちになっているが、主演は長谷川が務めていたことを思い出してほしい。

そして‘17年の主演ドラマ『小さな巨人』(TBS系)。出世街道から外れ所轄の警察署長に左遷された長谷川が警察組織の陰謀を暴いていくというストーリーで、リアルタイム視聴と録画などを合わせた総合視聴率ではトップとなる21.3%を記録。最終回にいたっては、25.7%という満足度の高さだった。

極めつけは、主演の安藤サクラとともに存在感を見せた朝ドラ『まんぷく』(’19年、NHK)。21.7%という高い平均視聴率を記録した。この朝ドラに関しては、多くのイケメン企画を手掛ける女性誌ライターも次のように語っている。

「自立した女性を描く朝ドラにおいて『まんぷく』は、好き勝手に生きる男性をひたすら妻が励まし支える、というもの。正直、現代の朝ドラにあるまじき設定ですが、女性たちからブーイングが起きなかったのはそれを演じていたのが長谷川博己さんだったから。彼に反感を抱く女性は少ないんです」

以上、長谷川が実は隠れた高視聴率王であることに納得していただけたのではないだろうか。これだけの数字を出してきた人なのだから、必ずや1年という長きに渡る大河ドラマでもその実力を発揮し続けてくれるだろう。数字は嘘をつかないのだ。

  • 取材・文奈々子

    '72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影島 楓太

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