SARS級の猛威 春節で蔓延の新型肺炎“日本でも死者数百人”

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中国国内で病院に搬送される新型肺炎の患者。武漢市では医師やベッドが足りず診療を断る病院もあるという

「中国で新型肺炎を発症している方のほとんどは、60歳以上の高齢者です。日本でも70代、80代の人を中心に被害が広がる可能性は十分あるでしょう」

こう語るのは、元東京大学医科学研究所特任教授でNPO法人「医療ガバナンス研究所」理事長の上昌広氏だ。

中国中部・武漢市で集団感染が確認された新型コロナウイルスによる肺炎の被害が、世界各地で広がっている。中国政府によると1月29 日現在、感染者は約6000人、死者は100人以上。恐ろしいのは、この原因不明の謎のウイルスがヒトからヒトへ感染することだ。武漢市では、ウイルス研究の第一人者である北京大学第一医院の王広発医師が万全の対策をしていたにもかかわらず現地調査中に感染。中国保険当局の専門チームは「春節での人の移動にともないリスクが高まる」と警鐘を鳴らしている。

春節――。のべ30億人が移動すると予測される、中国の旧正月にからむ大型連休だ。中国人ジャーナリストの周来友氏が語る。

「海外旅行先として、一番人気は日本です。中国人旅行者の間では、学生デモや独立志向の政権の影響で香港や台湾の人気が下がっている。その分、日本へ行こうと考える人の数が増えているんです。例年春節で訪日する中国人は70万人ほどですが、今年は過去最多の100万人近くになるのではないかと言われています」

100万人の中国人が来日すれば、新型ウイルスが蔓延する危険性も高まる。中国の国家衛生健康委員会は、新型肺炎を危険度順に分けた「甲類」「乙類」「丙類」の三つのカテゴリーのうち、「乙類伝染病」に分類している。これは’02年~’03年に世界中で大流行(パンデミック)した、重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じ分類だ。SARSは世界32ヵ国に広まり8000人ほどが感染。800人近くが命を落としている。前出の上氏が語る。

「新型肺炎は、日本でもSARSクラスの猛威をふるう可能性があります。日本政府は水際対策を強化すると言っていますが、効果は薄いでしょう。’09年に世界的に流行した新型インフルエンザでは、空港で食い止められた感染者は14人に一人ほどしかいなかった。100万人の中国人観光客が来日すれば、影響は計り知れません」

さらに上氏は、感染者数は中国政府の発表する数よりはるかに多いと考える。

「感染者数は、あくまで診断を受け新型肺炎の発症を確認された人の数です。病院に行けない、あるいは自覚症状のない人を含めると、その数十倍の感染者がいてもおかしくありません。中国政府は、沈静化のために感染しても軽症だと強調していますが根拠がない。今でも致死率は1%以上あるんです。コロナウイルスは変異します。大挙して来日する中国人観光客から感染し、重症化するウイルスを防ぎようがない。最悪の場合、日本だけで数百人以上の死者が出てもおかしくないでしょう」

日本経済を潤すはずのインバウンド効果が、今年に限っては悪夢の元凶となるかもしれない。

  • 写真ロイター/アフロ

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