いつ結婚?『スカーレット』信作役・林遣都の非イケメン演技が秀逸

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「あの信作が!」と、喜美子と照子が相手も知らずに大喜びした信作の結婚話。

おとなしかった少年時代から一変、高校でモテ男になるも、13人連続でフラれつづけていた“あの”信作が、百合子に真剣に愛を告白した姿にキュンとなった人も多いだろう。そんな信作の魅力を、プロポーズ大作戦を振り返りながら考察してみた。

2018年10月ドラマ『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜』(テレビ朝日系)ロケ現場での林遣都

気弱でお調子者なところがかわいい! 愛され “弟”キャラ

林遣都演じる大野信作は、喜美子(戸田恵梨香)と照子(大島優子)の幼なじみ。引っ込み思案で気が弱い性格からか2人には頭が上がらず、後ろをひょこひょこついていた様子は、まさに“弟”そのものだった。その立場は大人になってからも変わらず、ダメ出しされると渋い顔をするのがせいいっぱい。でも、そこで距離をおくのではなく、大袈裟におどけた顔をして自分ごと笑い飛ばす調子の良さと大らかさが、信作のかわいいところ。

林は、信作の“かわいさ”を、イケメン役者とは思えぬ顔芸とコミカルな動作で見事に表現している。第31話「3年ぶりの帰郷」では、「信さま」と呼ぶ女学生相手に渋い顔をいっしょうけんめい作ってみたり、アイアン・クローをかました喜美子に「ええ匂いするから嗅いでみ」とゲロ臭いスーツを嗅がせて反撃したりと、少年っぽいいたずらな顔をのぞかせる。大きくなっても信作は信作だと感じた瞬間、信作は朝ドラファンみんなの“弟”になったのだ。

NHK連続テレビ小説『スカーレット』公式ホームページより

特に女性ファンを悶えさせたのが、第46話「商品開発部の立ち上げ」での信作と八郎(松下洸平)のやり取り。新入社員の八郎を見て「ええなぁ若い人」と偉そうに言ったものの、八郎が年上だと知ったとたん態度を変えるヘタレぶり。さらに緊張したのか、その後の会話が続かず、男2人がしばし見つめ合う姿に、「惚れちゃった!?」と林が演じた『おっさんずラブ』の“牧くん”を連想した人も多かった。凹むと八郎に愚痴っては慰めてもらう甘えん坊な姿も、弟感がたっぷり。

一方で、意外とやるなと思わせてくれたのが、第80話で喜美子と八郎を前に「今の喜美子は、喜美子やない!」とはっきり言ったことだ。喜美子の生き様を近くで見てきた信作の指摘に、八郎もはっとさせられたに違いない。そしてその話以降、百合子(福田麻由子)との結婚を意識した信作は、「男らしさ」を示そうとユニークな顔をいっぱい見せてくれるようになる。

前途多難!? 信作の結婚大作戦

常治が亡くなったとき、ひとり涙していた百合子に寄り添い、優しく抱きしめた信作。後に「こないだ百合子抱きとめたとき、2ミリくらいドキドキしたで」と言っているように、「妹」として見ていた百合子を、女性として意識した瞬間だったのだろう。

その後、カノジョのふりという口実で百合子を抱き寄せたり、2人きりで飲みに行ったり……。百合子が他の男と手の大きさを比べるのを見て「他の男に触れさせんなや!」と怒ったりと信作なりに距離を詰め、遂に百合子から「結婚前提でお付き合いする?」と提案してもらい、「してくれるの?(うれしい!)」ということで、めでたく交際スタートとなった。

しかし、すんなり結婚といかないところが信作の悲&喜劇の始まり。

さりげなく喜美子に話をしようとすると、なぜか必ず邪魔が入る。結婚の挨拶も、川原家のお騒がせ次女・直子(桜庭ななみ)の急な訪問で、百合子に「結婚の問題は先送りに」と言われ「……うん」と返事するしかないやるせなさ。川原家の事情をよく知っているからこそ、ここで自分がなにを言ってもたぶん無駄という悟りの境地だ。挙げ句、「柔道で自分を投げ飛ばすくらい強い男なら結婚を許す」という喜美子の発言を真に受け、逆に照子に投げ飛ばされボロボロになって、八郎に慰めてもらう始末。

でも、結果はどうあれ一生懸命がんばるところが、信作の良いところ。だからこそ、きちんと「百合子かわいい。大事にしたい。好きや」と伝え、「結婚してください」と改めてプロポーズした男らしさは感動モノだった。その感動をより印象深くしたのが、泣きそうなほど緊張して、上目遣いで言葉を絞り出す林の演技。あんなに余裕がなくてかわいい表情でプロポーズされたら、百合子じゃなくても即OKだろう。

というわけで、もう結婚したかのような祝福ムードが漂っているが、肝心要の「喜美子のお許し」はいただけていない現状。Xデーはいつ来るのか、もしかしたら最終回でもまだ来ないのか、ますます先が楽しみな『スカーレット』。

そして、ただのイケメン俳優にはないユニークな表現をたっぷりと見せてくれる、林遣都の演技力にも注目したい。

  • 取材・文中村美奈子

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