アタアタ・モエアキオラが日本代表で感じた「ワン・チーム」の真意

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W杯で試合出場はなかったが、「ワン・チーム」の大切さを学んだと語るアタアタ・モエアキオラ(写真:AFP/アフロ)

トップリーグ連覇を狙う神戸製鋼は開幕連勝を記録した。キヤノンには50-16、ヤマハ発動機には36-24とする。

チームとともに好調なのが新人ウイングのアタアタ・モエアキオラだ。

昨春、東海大を卒業後、国際リーグ・スーパーラグビーにチーフス(ニュージーランド・ワイカト)の一員として参戦。8試合に出場した。

昨秋のワールドカップでは日本代表に選ばれた。試合出場こそなかったが、経験値を上げ、神戸製鋼に新加入した。

モエアキオラはキヤノン戦で後半20分に交替出場。ヤマハ発動機戦では先発する。1月26日のサントリー戦(ノエビアスタジアム、13時キックオフ)でも、48時間前発表のメンバーにリザーブとして名を連ねる。

リーグ戦では2試合連続トライ中。キヤノン戦では出場2分後、ヤマハ発動機戦では前半30分だった。このサントリー戦で3試合連続に挑む。

トンガ出身で中3時に来日。高校は目黒学院に学んだ。日本滞在は9年になるため、日本語も流ちょうだ。速さ、強さとも申し分ない23歳が初めて参加したワールドカップやトップリーグのことなどを語った。

――日本初の8強に進んだワールドカップはいかがでした

あの日本代表の一員に選ばれたことはよかったです。「ワン・チーム」という言葉が流行語になりましたが、ひとつのチームで練習も試合も一緒にできました。毎日が楽しかったですね。 

――残念ながら試合出場はありませんでした。特に学んだことはありますか。

「ワン・チーム」の言葉通り、チームとしてひとつになる大切さを学びました。だからこそベストエイトに進めたと思います。

――大会期間中に印象的だったことを聞かせて下さい。

応援のすごさですね。たくさんの人たちが応援してくれました。今までのワールドカップに出た日本の歴史で一番の多さだと思います。あんなに応援してもらえるとは、思ってもみませんでした。びっくりしました。

――東海大を卒業して、まずチーフスに加入したのはなぜですか

世界のトップレベルとチームメイトになったり、対戦ができることに魅力を感じました。チーフスはニュージーランドのチームなので、その国の代表でもあるオールブラックスの選手たち(※1)とも一緒に過ごせました。これは私にとっての財産になりました

(※1)チーフスにはダミアン・マッケンジー(スタンドオフ)、アントン・レイナートブラウン(センター)や神戸製鋼でもチームメイトになるブロディ・レタリック(ロック)らがいた。

――チーフスでは8試合に出場しました。スーパーラグビーで学んだことは

基本をしっかりする、ということです。オールブラックスの選手でも特別なことはしていません。基本をおろそかにしないのがその強みだと思います。細かいスキルをきちっと積み重ねることが、プレーに反映されることを学びました。

――神戸製鋼を選んだ理由はなんですか

お互いを高め合える選手たちがいて、コーチ陣を含め、スタッフも充実しています(※2)。チームは伝統があり(※3)、会社のサポートもしっかりしている。自分が一番成長できるという点からこのチームを選びました。

(※2)ウエイン・スミス総監督はこのサントリー戦に合わせて来日。「世界最強」と呼ばれるニュージーランド代表ヘッドコーチ(監督)を2シーズン、アシスタントコーチを2期11シーズンつとめた。その間、2011年、2015年と2回のワールドカップで優勝している。チーフスのアシスタントコーチの経験もある。

(※3)神戸製鋼の創部は1928年(昭和3)。今年93年目。社会人のトップチームで最長の歴史を誇る。優勝はトップリーグ2回、全国社会人大会(トップリーグの前身)9回、日本選手権10回。「ミスター・ラグビー」と呼ばれた平尾誠二らを輩出した。

――このチームはいかがですか

日本代表の時と一緒で楽しいです。僕は今、ラグビー部の若手と社員寮に住んでいるのですが、ラグビーに集中できるいい環境を与えてもらっています。

昨年はスーパーラグビーにもチャレンジしたアタアタ。トップリーグ神戸製鋼では開幕から連続トライゲット中(写真:AFP/アフロ)

――開幕戦のキヤノン戦は交替出場ながらリーグ戦トライを挙げました

うれしかったですね。でもあのトライは山中さん(=亮平、フルバック)のおかげです。山中さんが動いて、僕の走るスペースを作ってくれました。パスもよかった。だから、山中さんに感謝しています。

――続くヤマハ戦でもトライをします

これも、みんながいいスペースを作ってくれたおかげです。ハードワークをしてくれました。僕はパスをとって、走っただけです。

――サントリー戦でトライを挙げれば、3試合連続になります。

僕がトライをとるかどうかは別にして、チームのために集中してプレーをしたいですね。

――目標にしている選手はいますか

チームメイトでもあるダン・カーターさん(※4)ですね。プレーを含めて、すべてを尊敬しています。一緒にプレーができて、とても幸せです。

(※4)スタンドオフのダン・カーターは昨季からチームに加入した。ニュージーランド代表キャップ112を持ち、正確無比なプレーから「世界の至宝」と呼ばれている。

――新人の年の目標は

自分の持ち味の力あるランで、1試合でも多く公式戦に出られるようにしたですね。そして、チームの勝利に貢献したいです。

――チームとしての目標は

自分としては初めてになりますが、チームとしては連覇になりますね。そのためには日本代表と同じようにみんなで「ワン・チーム」になって頑張ります。

◆アタアタ・モエアキオラ 1996年2月6日生まれ。トンガ生まれ、日本育ちの23歳。中3時に来日する。目黒学院→東海大→神戸製鋼。日本代表キャップは4。昨秋のワールドカップ日本大会では、31人のメンバーに入るも、出場はなし。昨春、東海大を卒業後、国際リーグ・スーパーラグビー(SR)のチーフスに参戦。SR終了後、神戸製鋼に合流する。185センチ、108キロ。

  • 取材・文鎮勝也

    (しずめかつや)1966年(昭和41)年生まれ。大阪府吹田市出身。スポーツライター。大阪府立摂津高校、立命館大学産業社会学部を卒業。デイリースポーツ、スポーツニッポン新聞社で整理、取材記者を経験する。スポーツ紙記者時代は主にアマ、プロ野球とラグビーを担当

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