「センター試験痴漢」遅刻できない受験生を狙う卑劣犯罪の実態

《試験に遅刻できない受験生は警察に通報しない》など悪辣な書き込みは1000件以上も

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センター試験の会場となった東大本郷キャンパスには、緊張した面持ちの3000人近くの受験生が集まった

今年で最後となる大学入試センター試験が1月18日、19日に実施された。時を同じくしてネット上の匿名掲示板では、センター恒例の話題で盛り上がっていた。それは、〈センター試験当日はチカンし放題〉というものだ。〈試験に遅刻できない受験生は警察に通報しないから、捕まる心配がない〉という卑劣極まりない主張にネット民は大ウケ。悪辣な書き込みは1000件を超えた。

これがネット上の悪ふざけならまだいいが、実際に受験生を狙った痴漢被害は多発している。試験前日の17日には、東京大学農学部に在学中の宮下岳容疑者(22)が小田急線内で女子高生に痴漢した疑いで逮捕。他にも事件化していない被害が無数にあるのだ。

今年の話ではないが、かつて実際に大学試験の日に痴漢にあった女性の体験談を聞くことができた。

「試験会場に向かうため満員電車に揺られていたときのことです。スカートがしきりにめくれる感触がありました。最初は、単にスカートが誰かの荷物に引っかかっているだけかと思い、何度も直したりしたんですが、直しても直してもめくれる。すると今度は、パンツの上から手が触れる感触が。これは痴漢されているのだと直感し、全身からサッと血の気が引きました。 

私は、過去にも痴漢にあったことがあります。そのときは犯人を捕まえましたが、駅員と警察に詳細を説明しなければならず、学校に行くのが2時間ほど遅れました。その経験があるから、この日も試験に大遅刻するのではないかと不安になって、声を上げることができなかったんです……。顔を確認しようとしても、満員のため何もわからず、自分が降りる駅までただただ我慢するしかありませんでした。

幸い、次の駅で降りる予定だったので、すぐに痴漢から逃げることができましたが、突然のことに気持ちが動転してしまい、試験に集中できませんでした。試験終了後も、また痴漢に襲われるのではないかと怖くて仕方なく、父に迎えに来てもらい、一緒に帰りました」

こういった試験当日の痴漢被害は、各地で報告されている。この事態を受け、なるべく私服、特にズボンを着用することや、友人・保護者と一緒に会場に向かうよう指導している高校もあるという。

また今年は、民間発の痴漢防止運動も立ち上がった。運動の一つである「#withyellow」を企画し、痴漢被害のデータを共有するアプリの開発者でもある片山玲文(れもん)氏は言う。

「主な活動内容は、センター試験当日の電車内パトロールです。賛同者はみな、身体のどこかに黄色いものを身につけて、朝の電車に痴漢魔がいないか目を光らせました。運動はネットでどんどん拡散され、最終的には全国で数千の人々が参加するほどのムーブメントになったのです」

運動に賛同した人の中には、センター試験当日に痴漢魔を撃退した女性もいたという。襲われている高校生を見かけた彼女は、咳払いをしながら痴漢の足を踏みつけ、男を追い払った。助けられた女子高生は涙ながらに感謝したそうだ。

痴漢は決して許される行為ではない。まして、受験生の弱みにつけ込んでセンター試験当日を狙うような痴漢は、人間のクズとしか言いようがないだろう。

昨年5月に赤羽駅で撮影された痴漢魔確保の瞬間。逃げる男性を女子高生二人が追いかけた(ツイッターより)
18日、「#withyellow」の賛同者が渋谷駅に集合。50人以上の有志がプラカードを持って痴漢撲滅を訴えた

『FRIDAY』2020年2月7日号より

  • 撮影蓮尾真司(1枚目写真)

Photo Gallary3

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