「睡眠薬」怖すぎる副作用!依存症、禁断症状、がん発症リスクも

世界トップクラスの”睡眠薬大国”日本の恐るべき実態

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ドラッグストアで、医師の処方箋が必要ない「睡眠改善薬」を購入することが可能。この薬は、一時的な不眠症状を緩和する

「今、日本で一番使われている睡眠薬は、『ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬』です。即効性があるため、精神科や心療内科はもとより一般内科、外科、婦人科、耳鼻科、皮膚科まで、当たり前のように処方されています。病院で不眠を訴えたら、必ずと言っていいほど、医師から『軽い睡眠薬ですよ』と処方されるでしょう。何しろ日本は、BZ系睡眠薬の消費量が世界トップクラスですから」(和漢堂松田医院院長・松田史彦医師)

下の表を見れば日本の消費量の多さは一目瞭然。日本はアジアでは圧倒的な1位、世界でもベルギーに次いで2位で、アメリカの6倍の消費量と言われている。日本は〝睡眠薬大国〟なのだ。

BZ系睡眠薬の薬剤名を挙げると、「ハルシオン」「デパス」「サイレース」「ユーロジン」「レンドルミン」など。名前を聞いたことがある人は少なくないだろう。

だが、松田医師はこう警鐘を鳴らす。

「BZ系睡眠薬は飲んでいるうちに徐々に効かなくなってきます。そのため患者さんから『もうちょっと量を増やしてほしい』『強い薬にしてほしい』といったリクエストがくるのです。すると、医師も商売ですから、さらに薬を出す。私の病院にもBZ系睡眠薬を5種類も飲んでいる患者さんが来たことがあります。極めて依存性が高いのが問題です。

ヨーロッパではその危険性から2〜4週間程度の処方期間の制限を行っている国が多い。アメリカでは、すでに’79年にエドワード・ケネディ上院議員が公聴会で、『ベンゾジアゼピンは治療と回復がいたって難しい依存症と中毒性という悪夢をもたらした』と発言しています。依存の度合いは個人差がありますが、覚醒剤や麻薬と同じとまで言われているんです」

禁断症状が辛すぎる

睡眠薬を飲み続けても、不眠症状が根本的に回復することはなく、「飲まないと寝られない」という悪循環に陥るだけなのだ。そうした依存症以外にも、脳に働きかける睡眠薬には副作用がいくつもある。薬剤師で医薬情報研究所エス・アイ・シー取締役の堀美智子氏が解説する。

「当たり前の副作用は、朝に目が覚めてもまだ眠気が残っている『持ち越し効果』です。ほかにもBZ系の場合、筋弛緩作用があり、『ふらつき』の症状が出る場合があります。目覚めてトイレに行ったときに転倒してしまい、骨折するケースが多いんです。また、BZ系には『前向性健忘』という副作用もあります。飲んだ後に何をしたのか全然覚えていない記憶障害が起こりえるんです。さらに『奇異行動』という副作用も知っておく必要があります。普段は大人しい人が異常に興奮したり、攻撃性が強く出ることがあり、これらの行動をまるで覚えていないこともある。こういった副作用を知ると急に睡眠薬を止めてしまう方がいますが、そうすると不眠はもちろん、精神的に不安定になってしまうことがあります。いつもと違うと感じたら中止せずに医師に相談し、指示に従ってください」

睡眠薬はさらに重大な副作用をもたらす恐れもあるという。薬剤師の宇多川久美子氏はこう注意を促す。

「睡眠薬は脳の中枢に働きかけるので、必ず副作用があります。多量に飲めば呼吸抑制も起こって、命の危険もあります。認知症につながるとも言われており、因果関係ははっきりしませんが、リスクが高まることは確かです。うつ病が発症するリスクも確実に高くなり、肝機能障害が生じる危険性やホルモン分泌を乱すことなども指摘されています。

また睡眠薬とアルコールを一緒に飲むと、麻薬のような快感を得られると若者の間で流行したことがありますが、これは一番危険な行為です。睡眠薬の効果が増大してしまうので、その分、強い副作用が出やすくなります」

米国・スクリプス研究所の医師チームが発表した論文によれば、睡眠薬を多用すると、がん発症リスクが35%増加する可能性さえあるという。

では、BZ系から非BZ系に替えればいいのかというと、そう簡単ではない。前出の松田医師が言う。

「非BZ系睡眠薬の『マイスリー』などもBZとほぼ同じ依存性があります。別系統の『ロゼレム』などは効果が弱いので、BZ系のように『すぐ寝られました』とはならない。普段、BZ系を飲んでいる人だと効かないことが多いんです」

思い切って睡眠薬を止めようとしても、それはかなり難しい。睡眠薬の離脱症状(禁断症状)はとても辛いのだ。

「少量しか飲んでいなかったとしても、止めればてきめんに眠れなくなる。また、自律神経が乱れて、動悸、呼吸困難感などの症状が出ることもあります。ほかにも、耳や知覚、胃腸がおかしくなったり、気分が落ち込んでしまうなど、ありとあらゆる症状が出ます。少しずつ睡眠薬を減らしていっても禁断症状が出るので、途中で諦(あきら)めてしまう患者さんが多い。あっという間に依存して、止めると禁断症状が出る。まさに麻薬と同じ。病院や薬局にも問題はあります。依存という重大な副作用を説明しないところが少なくありません」(松田医師)

前出の宇多川氏もこう言う。

「今の時代は、睡眠改善薬が市販されている。その影響で、睡眠薬が怖いというイメージが無くなっているんです。そもそも睡眠障害の原因は、ストレスなどのメンタル面がほとんど。まず、眠れなくなった原因を探って、それを解決することが大切です。安易に睡眠薬に手を出せば、副作用に苦しむことになります」

睡眠薬は飲まないに越したことはない。それが間違いのない真実である。

日本がダントツ!アジア各国の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)の消費量/「睡眠薬」怖すぎる副作用!依存症、禁断症状、がん発症リスクも
会見するお笑い芸人の堤下敦。睡眠薬服用後に車の運転をし、意識が朦朧としているところを警察に発見された

『FRIDAY』2020年2月7日号より

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