苦難の大河もスタート! 2020新作ドラマの舞台裏を一気公開!

長谷川博己、佐藤健、上白石萌音、本田翼、吉高由里子、流星ほか 今シーズンの見どころは

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『麒麟がくる』 長谷川博己

『麒麟がくる』 長谷川博己

1話から10話までの撮り直しを余儀なくされ、〝なかなかやって来なかった〟NHK大河ドラマ『麒麟がくる』だったが、予定より2週遅れで放送というハンデをはね返し、19.1%という驚異的な高視聴率でスタートを切った。

「沢尻ショックが奏功したのでしょう」と言うのは放送作家だ。

「働き方改革を遵守するNHKはスケジュールを前倒しして撮影することで、土日の撮休&一日8時間労働を守ってきました。ところが、沢尻エリカの逮捕&降板ですべてが狂った。12月から休日も年末年始も返上して撮り直すハメになったのは周知の通り。ただ、この悲報が各メディアで繰り返し報道されたことで最高の〝番宣〟となったのです。共演者も巻き込んでの再撮ですから、『あの本木雅弘ですら再撮に応じたのか』と思うと、視聴者も感慨深いですよね。前作の『いだてん』で離れた従来の大河ファンが戻ってきたのも大きい」

キー局プロデューサーが感じたのは「NHKの覚悟」だ。

「冒頭のドローンを駆使した美しい田園風景、極彩色で彩られた野盗の急襲シーン、そして稲葉山城や京の町のセットと、相当お金をかけたなという印象です。1話のラスト、燃えさかる家から明智十兵衛が女児を救出するシーンなんて、まるでハリウッド映画のようなスケール感でした。数字が獲れない近代史をあえて取り上げて平均視聴率一ケタと爆死した『いだてん』の轍(てつ)は踏まない―という覚悟を感じましたね」

低迷「月9」の救世主

フジテレビのドラマ看板枠「月9」の『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』も10.6%と好スタートを切った。

「もともと上戸彩主演で火曜夜に放送されていたのですが、好評だったので’18年のシーズン3から、当時数字が低迷していた月9枠に投入されました。上戸が子育てに専念するため主役を降りるというアクシデントがあったのですが、彼女の穴を埋めるべく、シーズン3からヤンチャな美人捜査員役で本田翼が登場。なんとか平均視聴率二ケタをキープしました。月9はそこから5作連続で二ケタ超えを果たしており、フジにとって『絶対零度』は悪い流れを変えた救世主的作品なんです」(制作会社ディレクター)

視聴者からは「その本田がアキレス腱。普通にしていれば映えるのに、『やっちゃっていいスか〜?』なんて言ってみたり、演技がいちいちオーバーで古臭くて冷める。今作で俳優デビューした『霜降り明星』の粗品のほうが上手い」(ドラマウォッチャーの吉井和美氏)と心配する声もあがっているが、前出のディレクターは「本田の降板はない」と言う。

「次のクールの月9は織田裕二の『スーツ』の続編が放送される予定。フジはトレンディ路線を捨て、医療系や人気シリーズの続編など、確実に数字が見込める作品を重視する方針に舵(かじ)を切った。数字が一ケタに落ちたりしない限り、現行メンバーで続編が作られるでしょう」

1月の寒空の下、東京郊外の病院で緊急搬送のシーンを撮影していたのは佐藤健(30)と上白石萌音(かみしらいしもね)(21)だ。

「『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)のロケですね。実は佐藤は萌音の妹・萌歌(もか)と同じTBSのドラマ『義母と娘のブルース』でコンビを組んでいて、つい先日、『義母と娘のブルース』のスペシャルドラマが放送されていました。TBSは佐藤&上白石姉妹というトレンドを作ろうとしているのかもしれません」(ドラマウォッチャー・北川昌弘氏)

その効果はさておき、佐藤の演技は主婦層に確実に刺さっている。

「新年ドラマは医療ものが6作あって、患者のお涙頂戴話や新人ナースのドタバタ劇は正直、お腹いっぱい。その点、今作で佐藤が演じる〝ドSのイケメン医師〟は新鮮です。もっと恋愛要素をまぶして、独自路線をいってほしい」(吉井氏)

乱立する医療ドラマのなかで、最も数字をとっているのは、天海祐希(52)主演の『トップナイフ―天才脳外科医の条件―』(日本テレビ系)の13%だ。

「『医龍』や『コード・ブルー』を手掛けた人気脚本家・林宏司の小説が原作。演出は『女王の教室』で天海と組んだ大塚恭司が担当。脇を固めるのは椎名桔平、福士誠治ら芸達者で、広瀬アリス、『全裸監督』でブレイクした森田望智(みさと)ら話題の人も出演―とヒットの要素がこれでもかと揃っている。チームプレー、主人公の成長にサスペンスの要素と盛りだくさんの内容ですが、テンポが良く、安心して観ていられる」(ライター・大山くまお氏)

エンディングでは天海が元宝塚トップスターならではのダンスを披露。ヅカファンをも貪欲に取りに行く姿勢が、数字にあらわれているのだろう。

前作で定時に帰宅していた吉高由里子(31)は一転、『知らなくていいコト』(日テレ系)で昼夜関係なく飛び回る週刊誌記者を演じる。

「脚本を書いている大石静さんは週刊誌に連載を持っていた関係で、業界に精通している。編集部の雰囲気とか、中吊り広告だとか、細かく作り込んでいますよ。企画が採用される前にターゲットに直撃取材するなど、作中の吉高はツッコミどころ満載ですが、大石さんの愛あるデフォルメでしょう」(民放ディレクター)

昨年の「YAHOO!検索大賞」に輝いたモテ男・横浜流星(23)は『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(日テレ系)で、清野菜名(せいのなな)(25)と世にはびこる悪党どもを成敗する。

「流星人気もさることながら、清野のキレッキレのアクションも見ものです。実は彼女、10代のころから養成所などでみっちりと修業を積んだ本格派。大ジャンプにバク転にと、そのワザがいかんなく発揮されています」(大山氏)

最後に、テレビ東京の佐久間宣行プロデューサーら、著名クリエイターたちが「すごいドラマが始まった」と絶賛している作品を紹介しよう。『心の傷を癒すということ』(NHK)は「医療現場における過重負担問題」や「在日問題」、「阪神・淡路大震災」と「震災後の心のケア」等々、当時の世相と社会問題を斬りながら、主人公の精神科医の内面を映し出す。

「NHKは伝統的にこういう社会モノに強い。しかも制作はNHK大阪。東京の本局への対抗心は凄まじく、朝の『連続テレビ小説』は東京と大阪が交互に制作することで磨き上げられてきたという背景がある。自身も被災した桑原亮子が脚本にドキュメンタリー要素を加え、柄本佑と尾野真千子という演技派が役になりきる。全4話必見でしょう」(放送作家)

どの作品にも舞台裏の〝ドラマ〟があるのだ。

昨年11月末のある夜、まさに『麒麟がくる』の撮り直しに追われていたころの長谷川博己。NHKを出た後、都内の酒屋に寄って高級シャンパンを買って、外で待たせていた送迎車で帰宅した

『恋はつづくよどこまでも』 佐藤健&上白石萌音

1月19日昼ごろ、 東京郊外の病院で撮影されていた鬼気迫る緊急搬送のシーン。右から3人目が佐藤健で左端が上白石萌音だ
冷え込みが厳しかったので、カメラが回る直前まで、佐藤健はジャンパーを羽織っていた

『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』 横浜流星 『知らなくていいコト』吉高由里子

昨年11月、吉高由里子(左)と横浜流星は有名焼き肉店での映画の打ち上げに参加。新年ドラマではともに主役を張る

『絶対零度』 本田翼

本田翼が演じるのは格闘のプロで豪快な性格の捜査員。シーズン3から出演し、ヒロイン的存在となっている

『FRIDAY』2020年2月7日号より

  • 写真原 一平、近藤裕介、西 圭介

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