早逝 さくらももこさん24歳の希少カット

53歳でこの世を去るなんて、早すぎるよ

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講談社漫画賞の贈呈式にて。高校時代からその文才を「現代の清少納言」と評されるほどだった

「早すぎます。まだまだやりたいこといっぱい、いっぱいあったと思います。今はただ先生の分身でもある小学三年生の子(ちびまる子)に、嘘のない命を吹き込み続けることしかできないです。私がそっちにいったら似たような声でいっぱいいっぱいお喋りしてくださいね」(「まる子」の声優を務めたTARAKO氏)

8月27日、『ちびまる子ちゃん』の作者として知られる漫画家、エッセイストのさくらももこさんが乳がんで亡くなっていたことが明らかになった。享年53、あまりに急で、早すぎる訃報だった。

上の写真は’89年6月に、『ちびまる子ちゃん』で講談社漫画賞(少女部門)を受賞した際のショットだ。当時のさくらさんは専業漫画家になりたての24歳。『ちびまる子ちゃん』が注目を浴び、国民的な人気作家への階段を上っていく直前の初々しい笑顔がそこにあった。

共著『ツチケンモモコラーゲン』(集英社)で対談し、さくらさんと親交があったお茶の水女子大学名誉教授の土屋賢二氏が、その人となりをこう話す。

「さくらさんは『ちびまる子ちゃん』をそのまま大人にしたような、天真爛漫で物怖じしない、格好をつけない人柄でした。同時に、紛れもない天才でもあった。エッセイの内容を詰めているときも『少し書きますね』と言って、すぐにさらさらと原稿用紙に書く。すると、その文章が推敲もしてないのに完璧なものになっていたので、驚いたものです」

私生活では結婚と出産、離婚、二度目の結婚を経験。一人息子との接し方にも、「らしさ」が滲み出ていたという。

「息子さんが小学生だったころ、夏休みが終わって『学校に行きたくない』って言うと、『行かなくて良いんだよ』って優しくさくらさんが言うんだそうです。『親は罰せられるかもしれないけど、それでも行きたくないと言うなら行かせたくないんです』って」(土屋氏)

自由で、飾らず、常識に囚われず……漫画家のちばてつや氏は、さくらさんとその作風について、こう評している。

「『ちびまる子ちゃん』は、いろいろな意味で日本人の家族を上手に表現して『サザエさん』とは違う家庭作品のジャンルを確立しました。さくらさんの作品には『力み』がないんです。すごいものを作ろうとか描こうっていうんじゃなくて、自分の日記を書いているような感じ。『こんなお馬鹿なのも人間だよ、人間って可愛いね』って語りかけてくるような作風です。読者はそういうところに親しみを持ったんじゃないかと思います」

さくらさんが遺した分身である「まる子」は、これからもきっと、お茶の間を優しい笑いで包んでいくことだろう。

’89年8月、さくらさんは本誌のインタビューに応じ、作品を「末永くかわいがってほしい」と話していた

ⒸM.S

さくらさん直筆のちびまる子ちゃん原画イラスト。ほのぼの、ほんわかした画風が特徴

撮影 鬼怒川 毅(2枚目)

Photo Gallary3

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