中学受験に異変 早慶より日東駒専“中堅付属校”人気急上昇の理由

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大学も付属校も難化している慶応義塾大学。東京・三田の本部キャンパスで慶応の象徴的な建物である図書館(旧館)を東門からのぞむ

「中学受験で、早慶やMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の付属校人気は頭打ちです。今年のトレンドは、日東駒専など中堅校になります」

こう語るのは、森上教育研究所所長の森上展安氏だ。2月1日から中学受験が本格化する。だが森上氏によると、例年と違う現象が起きているという。早稲田や慶応というトップクラスの付属校より、日東駒専(日大、東洋、駒沢、専修)などの中堅の付属校に人気が集まりそうなのだ。森上氏が続ける。

「’18年から始まった文部科学省による定員の厳格化により、大規模私立大学は一斉に難化しました。それまで合格者数の定員超過率は1.2倍以内でしたが、1.1倍以内に引き下げられたんです。各大学で合格者が減少。倍率が一気に上がりました。親世代は『大学入試が厳しいなら息子や娘を中学から付属校に入学させよう』と考え、2~3年前から早慶の付属校の倍率が上がります。昨年はMARCHの付属校が難化しました。早慶やMARCHの倍率は、それまでの2~3倍から5~6倍に上昇。そのため上位校を敬遠した受験生の人気が、日東駒専など中堅校に集まっているんです。今年は東洋大京北(東京・文京区)や、日出学園から校名を変えた目黒日大(同目黒区)の倍率が上がりそうです」

中堅附属校に入学するメリットは、エスカレーターで大学に上がれるだけではない。進学校としての魅力もあるという。

「早慶やMARCHの付属校の生徒は、大半が系列の大学に進学します。早稲田実業や慶応中等部の生徒は、90%以上の生徒が早大や慶大へ入学するんです。しかし中堅校の内部進学率は高くない。例えば日大二中の内部進学率は、30%ほどしかありません。東北大や筑波大などの国公立をはじめ、早慶にも多数の合格者を出しています。国学院大学の附属校である国学院久我山などは、毎年、東大に5人前後の合格者を出している。中堅校では系列大学へ進学しなくても、さらに上のクラスの大学を目指せるんです」(森上氏)

森上氏はOBの考えも強いと考える。

「日大は日本でもっともOBが多い学校です。早慶に合格できる実力がなければ、息子や娘を日大の付属校に入学させたいと考える母校愛の強いOBはかなりいます。日大付属校の生徒の中には、親も日大出身というケースがたくさんあるんです。実際、昨年アメリカンフットボール部の悪質タックルで日大がバッシングされても、付属校の倍率は下がりませんでした。卒業して日大OBの幅広いネットワークを利用できるのも、大きなメリットでしょう」

日東駒専以外の中堅校付属校にも、早慶にはない魅力があるという。

「例えば成蹊大学の附属中学は、説明会での親たちへのプレゼンテーションがうまい。通常は進学実績や最新の設備など、自分の学校の長所をとうとうと説明します。成蹊は違います。進学実績などは、ほとんど話さない。部活や留学で生徒がいかに楽しそうに、輝いた学校生活を送っているか、映像をまじえ伝えるんです。東大合格者数など、難関校と同じレベルの説明をしても保護者の心に響きません。中堅校に親が求めるのは、息子や娘がどれだけ充実した生活を送れるかでしょう。成蹊は保護者の気持ちを、よく理解している。また企業とのつながりも大きく影響しています。成蹊は三菱財閥総帥の岩崎小弥太が長らく理事長を務めたため、有名企業への就職率が高いんです。親としては、偏差値以上に魅力的な学校に映るんですよ」(森上氏)

大学受験や就職で一発逆転。そんなメリットが中堅付属校人気の要因のようだ。

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