今年は大混戦!日本一早いセンバツ優勝校予想&プロ注目の選手達 | FRIDAYデジタル

今年は大混戦!日本一早いセンバツ優勝校予想&プロ注目の選手達

明治神宮大会優勝の中京大中京(愛知)が本命だが、不安要素も!

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2019年の選抜決勝で、先制の2ランホームランを放った石川昂弥(東邦)
2019年の選抜決勝で、先制の2ランホームランを放った石川昂弥(東邦)

1月24日の選考委員会で出場32校が決定した第92回選抜高校野球。平成最後の大会となった昨年は石川昂弥(中日ドラフト1位指名)の活躍で東邦(愛知)が30年ぶりの優勝を飾ったが、令和最初の選抜王者はどこになるのか。秋の地方大会の戦いぶりから占ってみたいと思う。

まず優勝候補の筆頭に挙げられるのが中京大中京(愛知)だ。新チームとなってからの公式戦は19戦無敗。選抜の前哨戦と言われる明治神宮大会も安定した戦いぶりで優勝を果たした。エースの高橋宏斗、背番号10の松島元希という安定した2人の投手を擁し、失点を計算できることがまず大きい。野手陣も印出太一(捕手)、中山礼都(遊撃手)、西村友哉(中堅手)のセンターラインの3人を中心に好素材が揃い、総合力では頭一つ抜けている印象だ。

しかし不安要素がないわけではない。過去20年間を振り返ってみると、前年の明治神宮大会優勝校が選抜でも優勝したケースは第74回大会の報徳学園(兵庫)だけなのだ。この結果の背景には様々な要素があるが、明治神宮大会に優勝したことで他チームからのマークが厳しくなるというのは大きいと考えられる。近年はデータ分析を積極的に行っているチームが増えていることも影響しており、中京大中京が秋と同じように戦うことは難しい可能性が高いだろう。

中京大中京以外には近畿勢に有力校が揃った。
明石商(兵庫)、履正社(大阪)、智弁和歌山(和歌山)の3校は昨年春夏に続く甲子園出場であり、旧チームから経験のあるメンバーが残っているのが強みだ。

明石商は世代ナンバーワン投手の呼び声高い中森俊介の存在が大きい。秋は本調子ではなかったものの、それでも随所にさすがというピッチングを見せた。万全の状態なら打ち崩すことは難しいだろう。強打の外野手、来田涼斗にも注目だ。

履正社も昨年夏の甲子園優勝を経験した岩崎峻典小深田大地の投打の柱2人が中心。新チームから正捕手となった関本勇輔の強肩強打も魅力だ。二番手以降の投手が整備されれば、夏春連覇も十分に狙えるだろう。

智弁和歌山もリードオフマンの細川凌平、主砲の徳丸天晴を中心に強力打線は健在だ。秋は不調だったエースの小林樹斗が復調すれば頂点を狙えるチーム力は備えている。

そんな強豪揃いの近畿大会を制した天理(奈良)、その天理に県大会の準決勝で5回コールド勝ちをおさめている智弁学園(奈良)も打線に力があり侮れない存在だ。

そして近畿勢で忘れてはならないのが2018年の春夏連覇以来、3季ぶりの甲子園となる大阪桐蔭(大阪)だ。バリエーションのある左右の好投手5人を揃え、全員が最速140㎞を超えるスピードを誇る。また旧チームから中軸を打つ西野力矢、船曳烈士に加え、新チームから台頭してきた仲三河優太など野手にも好素材が多い。この冬の上積み次第では、3年前のように一気に頂点に上り詰めることも十分に考えられる。

その他の有力校では仙台育英(宮城)、健大高崎(群馬)、東海大相模(神奈川)、星稜(石川)、明豊(大分)などの名前が挙がる。どのチームも複数の力のある投手を揃えており、得点力も申し分ない。また健大高崎以外の4校は昨年の甲子園を経験したメンバーが残っていることも強みになりそうだ。

ダークホースに挙げたいのが花咲徳栄(埼玉)鹿児島城西(鹿児島)の2校だ。

花咲徳栄は昨年夏の甲子園でも活躍した井上朋也、中井大我など力のある打者が揃い、エース高森陽生の安定感も折り紙付き。関東5校目の選出だが、地力は十分だ。

鹿児島城西は春夏を通じて初の甲子園出場となるが、八方悠介、前野将輝の二枚看板はともに140kmを超えるスピードを誇る。課題の守備陣が整備されれば、上位進出も十分に狙えるだろう。

最後に注目選手だが、ドラフト的な観点では投手なら先述した中森俊介(明石商)、小林樹斗(智弁和歌山)、高橋宏斗(中京大中京)の3人が中心となる。いずれも140㎞台後半のスピードを誇り、フォームに悪いクセがないのも魅力だ。

野手では三拍子揃った来田涼斗(明石商)、細川凌平(智弁和歌山)の2人と小深田大地(履正社)、西川僚祐(東海大相模)、井上朋也(花咲徳栄)、入江大樹(仙台育英)の強打者タイプ4人が中心となる。それぞれタイプや持ち味は異なるものの、本人が志望すれば高校から直接プロ入りできるだけのポテンシャルを秘めた選手達だ。

冒頭でも触れたように昨年は石川の活躍で東邦が優勝を果たしたが、大会前の評判はそこまで高いものではなかった。今年も昨年の石川、東邦のように大会中に大きく成長する選手やチームが出てくることにも期待したい。

  • 西尾典文(にしお・のりふみ)

    スポーツライター。愛知県出身。’79年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究(PABBlab)」主任研究員。

  • 写真アフロ

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