背水のプリンス 広島・堂林を奮起させた“女性ファン号泣事件” | FRIDAYデジタル

背水のプリンス 広島・堂林を奮起させた“女性ファン号泣事件”

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プロ入り11年目を迎えた広島の堂林。毎年のように打撃フォームを改造しているが、なかなか結果に結びつかない。写真は’17年の春季キャンプ
プロ入り11年目を迎えた広島の堂林。毎年のように打撃フォームを改造しているが、なかなか結果に結びつかない。写真は’17年の春季キャンプ

「今年ダメなら最後」

悲壮な覚悟で、2月1日から宮崎県日南市で行われる春季キャンプに臨む選手がいる。かつて“広島のプリンス”と呼ばれた堂林翔太(28)だ――。

堂林は’09年の夏の甲子園に、エースで4番として出場。打率.522、12打点の活躍で、中京大中京の7度目の優勝に貢献した。同年のドラフト会議では2位指名され広島へ入団。端正なマスクとスタイルの良さから、将来のカープのスターと期待された。だが……。

「入団3年目の’12年こそ全試合に出場し、打率.242、14本塁打の成績を残しましたが、その後は下降線をたどります。三塁のポジションは安部友裕などに奪われ、ここ2年は本塁打ゼロ。昨年の出場試合数は28にとどまりました。しかし堂林には、甲子園のスターというプライドがあります。松田元オーナーのおぼえもめでたい。性格もマジメなため、周囲に相談もできず悩みを自身で抱え込んでしまった。気持ちが、どんどん後ろ向きになったのでしょう。報道陣にも不貞腐れた態度をみせるようになりました」(スポーツ紙記者)

転機は昨年9月に訪れた。広島OBで野球解説者の達川光男氏が語る。

「9月12日の中日戦で、藤嶋健人から5年ぶりとなるサヨナラヒットを放ったんです。堂林が苦しんでいたことを、ファンもよくわかっていたのでしょう。スタンドにいた何人かの女性が感動して、涙をボロボロ流し号泣しました。その姿を試合後のテレビで見た堂林は、目を潤ませこう言ったそうです。『ボクのために、ここまで泣いてくれる人たちがいるんだ……。一人で悩んでいる場合じゃないな』と」

家族の姿も堂林の励みとなった。

「’14年に元TBSのアナウンサー桝田絵理奈さんと結婚した堂林には、幼い子どもが3人います。今年5歳になる長男は、昨年あたりからテレビで広島戦を見るようになり、無邪気にこう言うそうです。『どうしてパパは試合に出ないの?』と。堂林は息子の言葉に発奮します。必ず自分が活躍する姿を息子に見せよう、絶対に復活してやると、心に誓っているんです」(前出・記者)

堂林はプライドを捨てる。毎年オフに行っていた最福寺(鹿児島県平川町)での護摩行は、これまで1日1回のところ3日で5回敢行。今年1月には後輩の鈴木誠也に頭を下げ、宮崎・串間で合同自主トレを行いフォーム改造に挑戦した。自主トレ中には栄養士が帯同し、食事をしっかり摂り体重は5kgほど増えたという。

前出の達川氏が語る。

「誠也も堂林も、スライダーに弱いという共通の欠点がありました。堂林は弱点を克服した誠也から『頭が突っ込みがちです』などとアドバイスをもらい、スライダーを打てるようになったそうです。堂林は、もともとストレートにはめっぽう強い。変化球にも対応できるようになれば、今年は期待できるでしょう。本人も相当な危機感を持っています。今年ダメなら引退もありうると。堂林にとって、勝負の年であることは間違いありません」

広島のプリンスもプロ入り11年目。プライドも過去の栄光も捨て復活を期す。

  • 写真時事通信社

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