安倍晋三事務所が政治資金として神社にバラまいた「会費」の正体

特徴的な領収書、同じ書体、同じ金額……。政教分離の大原則を無視した「寄付行為」か

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「桜を見る会」での安倍晋三首相と昭恵夫人。安倍首相は「神道政治連盟国会議員懇談会」の会長でもある

なぜ神社にこんなにカネを配るのか――。

安倍晋三首相が代表を務める地元の政治団体「自民党山口県第四選挙区支部」(下関市)の収支報告書(’18年)に添付された1万円以下の少額領収書を本誌はいち早く入手し、精査を行った。すると、不可解な領収書が大量に見つかった。

自身の選挙区である下関市内の15社以上の神社に、「会費」という名目で、のべ約50回も支払いを行っていたのだ。

ここにズラリと並んだ領収書はその支払いの一部だが、不自然な点が目につく。すべてが四隅に特徴的な模様が入った、まったく同じ領収書用紙なのである。しかも、領収書の宛名や金額、但し書きの「会費として」という書体も大半が同一。支払額もピッタリ3000円である。

安倍首相の政治資金について長年にわたって情報公開請求しているフリージャーナリストの三宅勝久氏が言う。

「おそらくは祭りなどの神事の際に秘書が神社を訪れ、祈祷やお祓い、お参りの謝礼としておカネを置いていっているのでしょう。その際、神社側の領収書だと『初穂料』『玉串料』などと但し書きが記載されるので、有権者に対する『寄附行為』であることが明らかになり、公職選挙法違反に問われる恐れがあります。それをごまかすために、『会費として』と書いた領収書を安倍事務所が自分たちで用意し、神社側に名前だけを書かせている可能性が極めて高いと思います。手間をかけて工作していること自体が、違法性を認識している証拠です」

実際、下関市内のある神社の担当者は、本誌の取材に対してこう証言する。

「『会費』というのは、夏祭りや節分などのお祭りの際に玉串料として包んでこられたものですね。領収書は安倍事務所が準備して、こちらは判を押すだけです」

安倍事務所の神社へのおカネの使い方はグレーだと言わざるをえない。政治資金の問題に詳しい日本大学法学部の岩井奉信教授(政治学)もこう手厳しい。

「『会費』であれば、言い訳できるということでしょうが、政教分離の大原則からすれば、宗教行事に対しては個人で支払いをすべきで、政治資金から出すことは妥当ではありません。いくら地域との付き合いと言っても、政治活動とは言えないでしょう。また、支払う側が領収書を準備することは法的には問題なくても、税務の面から考えると適切ではない。政治資金の会計は税務と同じように考えるべきであり、疑われることはするべきではないと思います」

たかが3000円と思うなかれ。政教分離の原則に反する憲法違反、税務的な脱法行為の疑いがあるのだ。

企画協力:三宅勝久

『FRIDAY』2020年2月14日号より

  • 写真時事通信(中山神社)

Photo Gallary7

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