パートナー探しの新しい形「ゲーム婚活」って何だ?
今、ゲームを通して交際し、結婚する人が増えている。“ゲームを通して結婚”とはいったいどういうことなのか。ゲーム婚・ゲーム婚活に迫る。

ゲームの種類はいろいろあるが、一緒にチームになってできる『荒夜行動』などが出会いの穴場となっている。そもそも『荒夜行動』とは、100人ほどのプレイヤーが無人島に降り立ち、最後の一人となるまで戦い続けるというバトルロワイヤル型ゲーム。
オンラインでのチーム戦なので、マッチングで全く知らなかった人との組み合わせになることもあれば、友人とチームになることもできる。この、全く知らない赤の他人とオンライン上でチームメイトになれるというのが、ゲーム婚活で重要なポイントだ。
『荒夜行動』にはボイスチャットというものがあり、敵が近くにいるなどチーム同士で話したいことがあれば会話も可能だ。また、ゲームの人口は限りなく男性が多いため、女性の参加者は男性の参加者から優しくしてもらえるという。オンライン上で危機的状況になったのを助けてくれるシーンが多いため、だんだんと距離が近くなっていく。
試合中に仲間うちで雑談をして盛り上がり、試合後も「フレンド」という機能を使い、お互いに申請し合ってチャットやボイスチャットで連絡先を交換する。ボイスチャットで声は聞けるものの、いったいどんな人なのかパーソナルが全くわからない状態なので、まずはTwitterやInstagramを交換する人が多いという。
お互い『荒夜行動』というゲームが好きで出会っているので、その後もゲーム内でコミュニケーションを図りつつ、SNSでパーソナルな部分が見えてきて、この人となら「会ってもいいかな?」と思えたところで、LINEアカウントの交換。「会って一緒にゲームしようよ!」というていで、デートの約束も取り付けやすい。
『荒夜行動』内では、チーム戦となっているときにお互いを助け合い、日常ではありえないような事を一緒に経験するため、絆が非常に深まっている。いざ出会った相手が思ったよりカッコよくなくても「嫌だ」と思わないという声が多い。ゲーム中の、容姿が表示されない中で恋に落ちた場合、実際に会ってみても中身重視でいられるというのだ。「この人は、あの危機的状況だったときにあれだけ助けてくれたのだから顔なんて関係ない」と思える点で、婚活にはもってこいといえる。
ゲーム人口は『任天堂スウィッチ』でおよそ75:25といわれるほどの男性市場だ。ゲームができる女性と一緒に遊びたいという男性も多い。ゲームオタクとして知られる本田翼がゲーム実況でフィーバーしているが、ゲーム業界ではそんな女性がモテるそうだ。
『荒夜行動』以外のゲームとしては、『モンスターハンター』や『スプラトゥーン』があげられる。『モンスターハンター』は『荒夜行動』以上に交際や結婚に発展しやすいとの噂もある。
『モンスターハンター』は、狩猟を生業とするハンターの1人となり、何人かでアイテムを収集し、モンスターを狩猟していくアクションゲームだ。ゲーム内に「コミュニティ」というものが存在し、そのサークルに参加するとメンバー同士で集会を開けるのだそう。最大50人くらいのサークルもあり、自然に話も盛り上がってオフ会をしよういう流れになることも多い。
次に婚活に向いていると噂なのが『スプラトゥーン』だ。4対4でチームを組んで行う対人シューティングゲームで、これもチーム戦なので自然と距離が近くなっていく。フレンド申請し、ボイスチャットでフレンド募集している人と交流を深め、ある程度親しくなったらLINEを交換する。
ただし、あまりにもゲーム内でフレンドを作りすぎると出会い目的でやってきたのではないかと排除されたりすることもあるので注意が必要だという。
ゲーム内でフレンドを探しまくり排除されるリスクを避けるためには、TwitterやInstagramなどで先にフレンドを募るという方法もある。「#スプラフレンド募集」「#モンハン好きと繋がりたい」「#荒野行動している人と繋がりたい」とTwitterで検索してみると出る出る! フレンド募集の数々。「SNSで新しく知り合った仲間とゲームがしたい」と、“いろんな意味で”出会いを求めているというていだ。
他には、ゲーム好きだけを集めた「ゲーム婚活パーティ」というものも盛況だ。実際に会ってゲームの話で盛り上がり、通常の婚活パーティよりも距離が縮まりやすいという。ハマっているゲーム縛りのものもあるが、なんのゲームか問わないものも多い。ゲーム好きというのは、あらゆるゲームのアカウントを持っていることが多いので、どんな話でも合うし、一緒にプレイすることも可能なのだ。
珍しくなくなってきたゲーム婚活。成功しやすいことも判明しており、実際に家に引きこもりがちだった女性が、ゲームを通して彼氏を作ることができて結婚したという話も聞こえてくる。結婚式で堂々と「ゲームを通して出会った」と宣言するのもアリな時代、今やゲーム内での出会いは世間一般で認められるものとなった。
ブームがまだまだ続く中、今後もゲームを通して交際し結婚するカップルが増えることだろう。
取材・文:花崎阿弓
大学卒業後の2011年4月にケーブルネット鈴鹿に入社。その後、2012年4月に静岡エフエム放送へ転職。2013年4月に退社する。フリーとしてエフエム栃木、スカパーが運営している局を経て再びフリーアナウンサーとして活動している。