高額美容に先行投資 女子高生達のプチプラコスメ離れが止まらない

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今や、高校生といえどもメイクをするのが当たり前な時代。そして、基本小遣い制の女子高生たちは買いやすいプチプラ(プチプライス)コスメが精いっぱいだろうというイメージは過去の話。今や大人顔負けのデパコス(デパートコスメ)を使う女子高生が急増しているというのだ。女子高生のイベントを主催する「チームシンデレラプロジェクト」のコーディネーターを務め、彼女たちの流行に精通しているフリーアナウンサーの花崎阿弓氏が、その実態に迫った。

ごく普通の女子高生でも、デパコスを持っていることがそう珍しくなくなってきているようだ 写真:アフロ

今や女子高生が選ぶブランドコスメランキングでは、パッケージが可愛いジル・スチュアート(JILLSTUART)やポール & ジョー ボーテ(PAUL & JOE BEAUTE)、そして圧倒的にカッコいいイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)やマック(M·A·C)などの決して安くはないデパコスブランドがランキング上位に並んでいる。

美容ブロガーをしている女子高生によると、彼女たちが美容にここまでお金をかけるようになったのは、美容系女子高生ユーチューバーの影響が大きいのではないかということだ。125万人の登録者数を誇る美容系女子高生ユーチューバー「さあやちゃん」などもデパコスの良さを広めており、その動画を見てデパートに買いに走る女子高生も増えているのではないかと。

また、デパコスを持っていること自体が周りの友達などに一目置いてもらえる要素となるため、妥協せずに高価なものを購入する。「洋服1着分くらいの出費で良いコスメが買えるのなら、むしろ安いものだ」と。特に美意識が高い人だけでなく、ごく普通の女子高生でもで、デパコスを持っていることがそう珍しくなくなってきているようだ。

娘がデパコスを使っている40代の母親によると、「自分が高校生の時代は、高校生が化粧をすることですらはばかられたのに、娘は自分と同じような高級化粧品を使っている」と驚きを隠さない。ただ、娘だけではなく娘の友人達もデパコスを使っているし、その効果で肌を綺麗に保てるのなら母親としても協力してあげたいと思っているそう。娘の誕生日に友達からのプレゼントでデパコスをもらうことがあるので、当然友達にもデパコスをお返しすることになり、その繰り返しで自然とデパコスを使うことが自然になっているというのだ。

女子高生にとって、今までコスメなどは嗜好品と考えられてきたが、今は必需品に近く、出費対象としての優先度が上がってきているようだ。人手不足により高校生のバイト時給が急騰していることも影響している可能性もある。

化粧が禁止されている私立高校生などでも、化粧水や美容液、乳液、日焼け止めなどの基礎化粧にかなり投資をして、素肌をきれいに保とうとしている傾向がある。高校生の時代から保湿にこだわり、絶対に乾燥しないよう化粧水ミストのスプレーを持ち歩くなどの努力を欠かさないそうだ。

それは、将来小じわやほうれい線ができにくくするための「先行投資」と考えられている。しわができてから「もっと早くに良いスキンケアをしたらよかった」と後悔するくらいなら、若いうちから高くても良い化粧品でスキンケアをする習慣をつけるという考え方だ。

プチプラでも浸透率の高い化粧水や、発色のいいリップやチークなどもあるため、使い分けているとは言うものの、女子高生のメイクポーチの中には必ずデパコスが入っているといって過言ではない。美容に対する追求心から、デパコスとプチプラのどちらがいいのかを仲間内で比較したり、美容系女子高生YouTuberが動画内でデパコスとプチプラを比較検証してその結果をまとめたり、研究に余念がない。

「とにかく、安いからいいという時代は終わったと思う。絶対的に品質が大切なので、安くても品質が良かったら買うかもしれない。逆に、どんなに安くてもすぐ使わなくなったら意味がないから、高くていいものを買ったほうがマシだと思う」(女子高生美容ブロガー)

また、口コミ情報を重要視する彼女たちは、YouTubeだけではなくSNSでも、どんなデパコスを使っていてどんなメイクをしているかを事細かに情報発信している。インスタに写り込むグッズに気を使う感覚で、白い背景にクリスチャン・ディオールやサンローランのコスメなどを並べて撮影したり、家族で行った海外旅行のデューティーフリーで買ったシャネルの口紅を、盛れるアプリで撮影してSNSにあげたり……。

そんな中、プチプラコスメを商材としている会社も、低年齢層だけを狙っているわけにはいかなくなっているようで、可愛いすぎるパッケージを見直し、シンプルなパッケージで大人の女性を狙うようになってきたという。

女子高生たちが金を惜しまず高級美容に先行投資をしていく一方で、プチプラコスメは子育て世代の主婦など、化粧品に予算を割けない女性たち向けに舵を切っていくのかもしれない。

  • 取材・文花崎阿弓

    大学卒業後の2011年4月にケーブルネット鈴鹿に入社。その後、2012年4月に静岡エフエム放送へ転職。2013年4月に退社する。フリーとしてエフエム栃木、スカパーが運営している局を経て再びフリーアナウンサーとして活動している。

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