コロナウイルス担当37歳警部・帰国者施設で飛び降り自殺のなぜ | FRIDAYデジタル

コロナウイルス担当37歳警部・帰国者施設で飛び降り自殺のなぜ

警視庁から内閣官房に出向中のエリート警部に何があったのか

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埼玉・和光の国立保健医療科学院は保健や医療に携わる職員に教育訓練を行う施設。寄宿舎を併設しており、中国・武漢から帰国した98名が収容された
埼玉・和光の国立保健医療科学院は保健や医療に携わる職員に教育訓練を行う施設。寄宿舎を併設しており、中国・武漢から帰国した98名が収容された

亡くなったのは、将来を嘱望された警視庁のエリート警部I氏(37)だった。

2月1日10時15分頃、埼玉県和光市にある国立保健医療科学院の敷地内で倒れているI氏が発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。自殺と見られる。現場は中国・武漢から政府のチャーター機で帰国した邦人を収容する施設だった。

「I氏は警視庁から警察庁を経て内閣官房に出向し、内閣官房副長官補室に配属されていました。そこが今回の新型コロナウイルスの担当になり、施設に駆り出された。I氏は警視庁でこそ若きエリート警部ですが、内閣官房には各省庁から生え抜きの超エリートキャリア官僚たちが集められています。ノンキャリのI氏が彼らに交じって仕事をするのに相当な苦労をしていたのは間違いない。そこへ緊急事態が重なって、精神のバランスを失ってしまったのかもしれません。

事件以降、施設のエレベーター内に『会話を一休み』と書かれたステッカーが貼られるようになったそうです。職員同士で勝手なうわさ話をするなという意味でしょう」(全国紙社会部記者)

政府の対応の遅れも、現場に負担をかける一因となっている。官僚組織に詳しいジャーナリストの森功氏が言う。

「内閣官房は危機管理の際に対策本部の事務を司る中心です。そのため、職員は情報収集と分析、対策に追われます。I氏が自殺した理由はわかりませんが、ノンキャリである彼に現場の実務が集中してもおかしくない。武漢から帰国した日本人を隔離するのか、それとも帰宅させるのか、政府の方針が定まっていない中、I氏が事務方と施設収容者の板挟みになった可能性はあります」

2月5日現在、新型肺炎で死亡した日本人はいない。しかし「自死」を選択したI氏は紛れもなく被害者である。

健康状態に異常がない人が帰国から2週間滞在。埼玉県内の病院から医師と看護師が派遣されている
健康状態に異常がない人が帰国から2週間滞在。埼玉県内の病院から医師と看護師が派遣されている

『FRIDAY』2020年2月21日号より

  • 撮影結束武郎

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