「W杯出場は奇跡」と語る中島イシレリ トップリーグ連覇はなるか | FRIDAYデジタル

「W杯出場は奇跡」と語る中島イシレリ トップリーグ連覇はなるか

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W杯アイルランド戦後の一コマ。左から、ヴァルアサエリ愛、中島イシレリ、トンプソン ルーク
W杯アイルランド戦後の一コマ。左から、ヴァルアサエリ愛、中島イシレリ、トンプソン ルーク

トップリーグ連覇を狙う神戸製鋼は開幕4連勝を記録した。

中島イシレリもプロップやロックで全試合に出場し、勝利に貢献する。

リーグ5戦目となる2月15日(土)のリコー戦も左プロップで先発が予定されている(神戸・ユニバー記念競技場、13時キックオフ)。

先のワールドカップでは日本代表入り。そのプレーもさることながら、「イヤボイ」のかけ声や金髪などで一躍有名になった。

大会では全5試合で、先発した稲垣啓太と後半に交替する形をとった。186センチ、125キロのサイズを利したインパクトプレーヤーとして活躍する。

元々はナンバーエイトやロックをこなしていた。プロップ転向9か月でのワールドカップ出場は、リーグ屈指の身体能力の高さや破壊力を裏づける。

神戸製鋼で5年目。30歳とベテランの域に入ってきた中島が初めて参加したワールドカップやトップリーグのことなどを語った。

――日本初の8強に進んだワールドカップはいかがでしたか?プロップ転向後、9か月で世界の舞台を踏みました。

出られたのはね、もう奇跡です(笑)。ワールドカップに出るのはとても難しい。ロックでは行けないだろうなあ、と思っていました。そうしたらプロップとして声がかかりました。家族がみんな応援してくれたし、選ばれたらチームのために頑張ろうという気でやりました。

――ワールドカップで一番覚えている試合はなんですか

スコットランド戦(予選リーグ最終戦、10月13日、28-21で勝利)ですかね。台風が来て開催が危ぶまれましたし、日本が決勝トーナメントに進むには勝たないといけない試合でした。だから、結構緊張しました。でも、相手のスクラムを止めることができて、勝てました。うれしかったですね。

――「イヤボイ」のかけ声も含めて、ワールドカップ後、人気者になりました。最近はTwitter(※1)も始めたと聞いています。

街を歩いていても、イシちゃん、イシレリさん、イヤボイちゃん、中島さんなどと気軽に声をかけてもらえるようになりました。ありがたいことですね。Twitterをやっていれば、(そこからダイレクトメールなどが来て)仕事につながるかもしれません(笑)。日本語の勉強にもなりますしね。

(※1)2月7日に初投稿する。現在のフォロワーは1万人弱。

――神戸製鋼はここまで負けなしの4連勝です。何がいいと思いますか。

今、チームにはまとまりがあり、ひとつになっています。それがいいのではないでしょうか。対戦相手に対するフィードバック(前戦の結果を次戦に反映させること)もしっかりできています。サントリー戦(リーグ3戦目、35-29)の時には、相手のフィジカルの強さに手を焼いた場面がありましたが、そこでもっとファイトする指示がでました。次のNTTドコモ戦(97-0)ではそれをきちっと反映できました(※2)。実際、すぐに修正できるだけの戦力の充実が今のチームにはあります。

(※2)97得点はトップリーグ史上2位。97点差は歴代最多。トップリーグの最多得点は2012年度の東芝-九州電力の101-5。

――2月2日のNTTドコモ戦からスケジュール上、2週間空いて、15日はリコーと戦います。体調はいかがですか。

この2週間、オフの日は鍼の治療を受けたり、マッサージをしてもらったり、体を軽く動かしたりしていました。テレビなどの収録はしていません(笑)。自分としてはリフレッシュして15日のリコー戦に臨めそうです。

――どういうプレーをしたいですか

体を張りたいですね。

――ケガ人などの影響もあって、開幕から3試合はプロップ、サントリー戦はロック、このリコー戦はまたプロップで出場します。フィットしていますか。

自分自身がどのポジションにフィットするというのではなく、チームの要求にフィットしていかなくてはいけません。基本的にはいつでも、どのポジションでも、試合に出る準備はしています。出られればポジションはどこでもいいです。僕は相手より勝ちたいという気持ちが強い。それはすごい大事。自分にとってのモチベーションになっています。

13日の練習ではBチーム(ノンメンバー)が「仮想・リコー」になってくれました。僕らの試合へのスイッチが入るすごくいい練習になりました。あの時はBの方が強かったですかね(笑)。

――神戸での生活は5年目に入りました

街があって、海があって、山があって、いい所です。ポートアイランドや六甲アイランドから見る夜景もきれい。人々も優しい。

このチームではみんなが自由にしています。他人を尊重して邪魔をしないようにしてくれている。でも試合の時はひとつになります。上下関係もしっかりしているし、先輩は後輩にプレー面を中心にいいことを教える。僕としてはすごくやりやすいですね。

――今年の目標は

チームとしてはもう1回、優勝することです。僕自身はできるだけ体をケアして、試合に出ることですね。このチームの勝利に貢献したいです。

◆中島イシレリ(なかじま・いしれり) 1989年7月9日生まれ。30歳。トンガで生まれ、大学から日本で暮らす。リアホナ高→流経大→NEC→神戸製鋼。日本代表キャップ(所属協会が認めた国際試合出場数)は8。昨秋のワールドカップ日本大会では、先発した稲垣啓太(パナソニック)と後半に交替して全5試合に出場した。元々はナンバーエイトやロック。プロップ転向9か月でワールドカップに出場できたほど、身体能力は高い。神戸製鋼では5年目を迎える。186センチ、125キロ。家族は夫人と2子。

  • 取材・文鎮勝也

    (しずめかつや)1966年(昭和41)年生まれ。大阪府吹田市出身。スポーツライター。大阪府立摂津高校、立命館大学産業社会学部を卒業。デイリースポーツ、スポーツニッポン新聞社で整理、取材記者を経験する。スポーツ紙記者時代は主にアマ、プロ野球とラグビーを担当

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