山口俊の穴をどう埋める⁉︎ 巨人の今季ローテーションはこうなる

菅野に続く先発ピッチャーは誰になるのか? 本命、そして大穴を大胆予想! 

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韓国のSKワイバーンズから巨人に加入したサンチェス投手。最速156キロとの触れ込み

昨年は原辰徳監督が復帰し、丸佳浩、炭谷銀仁朗などの大型補強も功を奏して5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人。しかし日本シリーズではソフトバンクに4連敗を喫し、オフにはFAでの選手獲得にも失敗するなど連覇に向けて楽観できる状況ではない。特に大きな不安要素となるのが勝ち頭だった山口俊が抜けた先発投手陣だ。山口が昨年稼いだ15勝、11の貯金を埋めるためにどのようなやりくりとなるのか。今季のローテーションを占ってみたいと思う。

一番手は7年間で6度の二桁勝利をマークしている菅野智之だが、続く存在がなかなか出てこない。昨年チーム3位タイの8勝をマークし、貴重なサウスポーでもあるメルセデスが先日左肘の違和感を訴えて戦線を離脱した。

そんな中で期待がかかるのが新外国人のサンチェスだ。メジャーでは通算8試合の登板で1勝と実績はないものの、昨年はKBO(韓国プロ野球)で17勝5敗、防御率2.62という見事な数字を残している。推定年俸3億4000万円の二年契約という条件にもチームの大きな期待が感じられる。打者を圧倒するようなスピードがあるわけではないが、オーソドックスなフォームでまとまりがあり、決め球のツーシームの精度も高い。不安要素は28試合で165回というイニング数。1試合あたりに直すと6回を下回っており、長いイニングを投げ切ることは難しそうだ。

昨年の成績から考えるとサンチェスに続く存在になりそうなのが、桜井俊貴高橋優貴のドラフト1位コンビだ。桜井は昨年、大学時代のボールの勢いを取り戻して8勝をマーク。最近の投手では珍しい大きいカーブで打者の目線を変えられるのが大きい。高橋はルーキーながら開幕ローテーションに抜擢され、ブレーキのあるスクリューを武器に5勝をマークした。負けが二つ先行したものの、防御率3.19という数字は立派だ。しかしこの二人は昨年が先発として登板した初のシーズンであり、“2年目のジンクス”が大きな不安要素になりそうだ。

これ以外の投手となると大きく実績組と若手組に分けられる。

実績組は岩隈久志、大竹寛、野上亮磨の三人だ。しかし岩隈は故障からの復帰が遅れ、昨年は二軍でわずか2試合の登板に終わり、一昨年FAで加入した野上も年々成績を落としている。昨年、見事な復活を見せた大竹も中継ぎでの起用だっただけに、先発として成績を残せるかは未知数と言えるだろう。

一方の若手組では畠世周、古川侑利、髙田萌生、戸郷翔征などの名前が挙がる。

現時点で最もローテーションに近いのはではないだろうか。昨年は右肘の故障もあってプロ入り初の0勝に終わったが、ボールの勢いとスケールの大きさでは頭一つ抜けている。オフに行われたウインターリーグでも好投を見せており、復調を印象付けた。コンディションさえ万全なら6勝をマークしたルーキーイヤー以上の活躍が期待できるだろう。

飛躍を期待したいのが高校卒4年目の髙田だ。二軍では2年連続でチーム最多の勝利数をマークしており、昨年オフに派遣されたプエルトリコのウインターリーグでも結果を残している。決め球に課題はあるものの、好調時のストレートは目を見張るものがあるだけに、今年こそ一軍のローテーションに食い込みたいところだ。

他では中堅の田口麗斗、今村信貴の両サウスポーも控えているが、田口はリリーフでの起用が増え、今村も毎年期待されながらもうひとつ殻を破ることができていない。

そんな中で大穴として名前を挙げたいのがドラフト2位で入団した太田龍だ。

2月15日時点での振り分けではまだ三軍で慎重に調整が進められているが、190cmの長身から投げ下ろす角度のある150キロ台のストレートは迫力十分で、昨年指名された投手の中でもスケールの大きさは指折りだ。ドラフト解禁の年となった昨年はフォームが安定せずに調子の波が激しかったものの、良い時のピッチングができれば一軍で通用する可能性は高い。今年で22歳という年齢を考えると、くれぐれも無理は禁物だが、三軍、二軍で実績を残せばシーズン途中で先発に抜擢される可能性も十分にあるだろう。

昨年は山口が復活し、リリーフも大竹や途中加入のデラロサなどのやりくりで上手くシーズンを乗り切った印象が強いが、原監督の真骨頂は無名の若手選手の抜擢である。菅野のメジャー移籍も現実味を帯びてきていることを考えても、世代交代は必要不可欠となってくる。そういう意味でも、将来に希望が持てるような若手中心のローテーションとなることを期待したい。

  • 西尾典文(にしお・のりふみ)

    スポーツライター。愛知県出身。’79年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究(PABBlab)」主任研究員。

  • 写真時事通信社

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