大量脱毛、生理不順、肌ボロボロ…無謀ダイエットで私が失ったもの

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低糖質ダイエット+断食の組み合わせで10キロの減量に成功したフリーアナウンサーの花崎阿弓氏。3ヵ月後に髪の毛がごっそり抜けて病院にいったところ、過去の栄養失調からくるものだったという。「低糖質」「断食」など巷をにぎわすダイエットの数々は、本来であれば専門家の指導の下で慎重に行うことが理想。だが、早く痩せようと思うあまり無謀なダイエットに走ることの危険を、自身の経験からレポートしてくれた。

無理な低糖質ダイエットや断食によるホルモンバランスの乱れ、ストレス、栄養不足が、深刻な体調不良を招く 写真:アフロ

“ケーブルテレビの水卜ちゃん” 気づいたら10キロ増

私は、“ケーブルテレビの水卜ちゃん”と呼ばれていたように、もともとは、ぽっちゃり程度の体型だったのですが、食べるのとお酒を飲むのが好きなこともあり、気づいたらこの1年で、10キロ以上体重が増えていました。周りから“ぽっちゃり”ではなく“デブ”と言われるまでになり、ダイエットを決心。

そこで試したのが、低糖質ダイエット+断食の組み合わせでした。3日食べない、1日野菜食べる、2日食べない、1日野菜食べる、2日食べないと合計約1週間。断食のときは水だけ飲むというこの1週間のダイエットで、3キロほど体重が落ちました。そこからすぐに炭水化物や糖質などを摂るとリバウンドしてしまうということだったので、回復食としてしばらくは野菜のスープだけを食べ、そこから炭水化物などを抜く低糖質ダイエットを始めました。

大好きだったカレーやラーメンを我慢し、お酒もビールから太りにくいとされている蒸留酒のハイボールに替えました。そこからまた断食をしてみたり、少しだけ筋トレをしてみたりといろいろ組み合わせて10キロの減量に成功。見た目も元のぽっちゃり体型に戻り大満足でした。トータルで2週間くらいのダイエットだったでしょうか。

胃が小さくなったのと、今まで好きだった脂っこいものを進んで食べようと思わなくなったことで、リバウンドすることもなく、それでも食べることと飲むことは好きなので、その分ジムにも通い始めました。

10キロ減量する前の花崎氏(左)と減量後、水卜アナそっくりの花崎氏(右)

大量に抜けた髪の毛が排水溝に……

ダイエット後3ヵ月が経ち、ジムのシャワーを浴びていたとき、とんでもないことが起こりました。髪の毛がスルスルと抜け始めたのです! 数分間、髪は抜け続けました。「これ以上抜けたらダメだ」と怯えながら、大量に抜けた毛が排水溝にたまるのを茫然と見つめていました。我に返って、これ以上髪の毛を触るのはやめようとかなり優しくタオルで水分をふき取って鏡台の前に立ちました。

毛量が多いほうだったのですが、髪の毛のボリュームがぺちゃんとし、さらに白髪が大量に生えていることに気づき本当に驚きました。このときは、髪の毛が抜けた理由がさっぱりわかりませんでした。さらに肌の調子が悪くなり、高い化粧水や美容液をつけても改善せず、白い粉のような皮脂がぽろぽろ落ちてくるようにーー。

心配になったので病院にいったところ、問題は過去の栄養失調によるものとのことでした。その時点では、栄養もしっかり取って運動もしていたのですが、ダイエットのときに短期間とはいえ栄養不足状態だったために、3ヵ月経ってから影響が出たそうです。

無理なダイエットの怖ろしい弊害を身をもって体験した私は、どういうメカニズムでこのようなことが起きたのか、AGA(男性型脱毛症)にも詳しい鈴木絵里医師に話を訊きました。

「女性型脱毛症のことをFAGAと言い、男性の薄毛とは異なり、女性型脱毛症は髪の毛の量が全体的にボリュームダウンしてしまうのが特徴です」(柏厚生総合病院 鈴木絵里医師 以下同)

私もそうでした。急にペタンコになって驚いたこの現象こそが、女性型脱毛症だったのです。

「髪の毛には1本1本に寿命があり、伸びる(成長期)、抜ける(退行期)、生える(休止期)というヘアサイクルを繰り返します。薄毛で悩む方は、このヘアサイクルにおける成長期に髪の毛を作り出す毛包の成長が十分でないため、髪の毛が育たないうちに抜けてしまい、やがて薄毛・抜け毛が目立つようになってくるのです。

女性の場合、ヘアサイクルが乱れる原因はホルモンバランスの乱れや血流不全などが特に多いとされていますが、ストレスをはじめ、遺伝的要素、冷え性や睡眠不足、産後の分娩後脱毛症など様々な原因が考えられます」

私の場合は、無理な低糖質ダイエットや断食によるホルモンバランスの乱れ、ストレス、また栄養不足などにより、ヘアサイクルが乱れたことで脱毛が起きたということです。

「低糖質ダイエットで極端に炭水化物や糖質を抜いた上、断食をしたことで爪や髪の毛を作っているたんぱく質・ミネラル・ビタミンも不足していたのだと考えられます。また、栄養不足になった体は基礎代謝が落ちて細胞の生まれ変わりが起きにくくなり、お肌のターンオーバーもうまくいなかくなってくるのです。

薄毛の治療としては、ジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる悪玉脱毛ホルモンを強力に抑えるスピロノラクトン、血管を拡張させ血流を増加させることで毛根の発毛力を高め髪成長を早めるミノキシジル、髪の成長に必要な栄養分を含む各種ビタミンなどを摂取すること。とにかく栄養をしっかりとることが大切です」

無理なダイエットをすることでホルモンバランスが崩れ、かえって体調不良を起こして太りやすい身体になってしまうこともあるそう。炭水化物や糖分も含めた食事をバランスよく摂って、運動もしつつの健康的なダイエットをしていきたいですね。

私は、糖質ダイエットをしている最中は、体がすごくだるかったのを憶えています。運動する気にもなれず体調不良のような状態が続いていました。

「無理な低糖質ダイエットは本当に危険。炭水化物を程よく摂りつつ低脂質を心がけ、筋肉もつけることが大切なのです」

私自身、ダイエット直後は見た目的にもカラダ的にも何の問題もなく、体重が減ったことを喜んでいました。まさかその時に栄養失調を引き起こしていて、時間差で髪の毛が抜けてくるとは思ってもいませんでした。

生活習慣病、免疫力低下、生理不順も引き起こす

同じように低糖質ダイエットをした友人は、ダイエット終了後に高血圧などの生活習慣病にかかったといいます。また、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったうえに、生理まで止まってしまったそうです。

「無理なダイエットをすると、体は生命の危機を感じて心臓や脳に栄養を送ることを優先するため、卵巣に十分な栄養を送れず生理不順になることも考えられます」

私も今になって生理が遅れたり、お腹が重くなる生理がきたりするようになってきました。断食中にそういった症状が現れていたら、すぐに気づいて断食を中断していたかもしれませんが、少し時間が経ってから体の不調が出てきたことで、大きな不安に襲われました。かなり深刻な病気なのではないかと思っていろいろな検査をした結果が、栄養不足。これは、かなりショックでした。

太っているときは食べるのが悪いことだと思ってしまい、より早く痩せることしか考えていませんでした。そして過度な低糖質ダイエットをして、一番大切な健康と若さを失ってしまったように感じます。ちなみに私の脱毛は今も続いています。栄養をしっかり摂るようにしていますが、すぐに戻りそうにはありません。一度失ったものを取り戻すには、かなり長い時間が必要となってきそうです。

  • 取材・文花崎阿弓

    大学卒業後の2011年4月にケーブルネット鈴鹿に入社。その後、2012年4月に静岡エフエム放送へ転職。2013年4月に退社する。フリーとしてエフエム栃木、スカパーが運営している局を経て再びフリーアナウンサーとして活動している。

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