外崎修汰 ”リンゴマン”が西武を10年ぶりの優勝に導く

“指3本”で劇的変化 スペシャルインタビューで明かした好調のヒミツ

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とのさき・しゅうた ’92年、青森県生まれ。弘前実業では1年生春からレギュラーも甲子園出場はなし。富士大学からドラフト3位で西武へ入団。昨年までプロ通算3年で打率.239、13本塁打、57打点。右投げ右打ち。178cm、78kg

「リンゴマン! 今日も『アップルパンチ』を見せて~!!」

グラウンドに姿を現した、西武の外崎修汰(とのさきしゅうた)(25)に声援が飛ぶ。外崎は3代100年以上続く青森のリンゴ農家出身。今季は勝負所で適時打を連発するため、外崎のヒットはファンから親しみを込めて「アップルパンチ」と呼ばれているのだ。

「嬉しいですね。期待されているのが、ビシビシ伝わってきます。今季は交流戦で調子を崩したんです。自分なりに理由を考えたら、始動のタイミングがバラバラだったことに気づいた。それで相手投手を一人ひとり分析して、どこで始動すれば良いか決めました。それからです。好調を維持できるようになったのは」

両親の手伝いで小学生の時から満杯のリンゴ箱を運び、「筋トレをしていた」と言う外崎。富士大学(岩手県花巻市)では北東北大学リーグで首位打者、打点王などのタイトルを総ナメ。’15年にドラフト3位で西武に入団した。だが……。


「2年目まで打率は2割にも届きませんでした。一旦打てなくなると、どんどんマイナス思考が強まっていったんです。打席に入る前に『また凡退したらどうしよう』と余計なことを考え積極性が消え、ファーストストライクはほとんど見逃していました。学生時代のままでは通用しない。焦りばかりを募らせていました」

“指3本”で劇的変化

打撃の不振は守備にも影響する。当初は学生時代から守っていたショートで起用されていたが、エラーの多さから’17年にポジションをルーキーの源田壮亮(そうすけ)に奪われてしまったのだ。外崎は外野へのコンバートを命じられる。

「外野は初めてで何もわかりませんでしたが、がむしゃらにやるしかありません。とにかく試合に出たかったんです」

転機は昨年のキャンプ中に訪れた。辻発彦監督に、こう忠告されたのだ。

「速いボールにタイミングが合っていないな。バットを短く持ってみろよ」

守備位置変更は受け入れられても、打撃フォーム修正への拒否感は強かった。


「小学校からずっと野球をやってきて、バットを短く持ったことなど一度もありませんでしたからね。飛距離が出なくなるんじゃないか、打球の力が弱くなったらイヤだな……。そんな不安が先に立って、なかなか踏み切れませんでした」

だが外崎の打率は1割台にとどまり、一向に上昇しない。見かねた辻監督は、昨年5月の広島との交流戦前に「(相手先発の)薮田(和樹)は球が速いから短く持っていけ」と再び声をかける。


「もう後がないと覚悟を決めました。短くしたのは指3本ほどです。しかし、そのわずかな違いで劇的に変わった。完全にハマッたんです。バットコントロールがしやすくなり、腕の力もスムーズに伝えられ逆に飛距離も伸びました。6月の巨人戦では、プロ入り初の満塁本塁打も記録した。それまで2年間で3本だった本塁打が昨季は10本です。一度掴んだいい感触を忘れたくないと、それからはバットを短く持って一日中振り続けました。自分のスタイルが確立すると気持ちが前向きになり、今では『打てる』と思えば初球から振っています」

チームの中心打者に成長した外崎。’08年以来10年ぶりとなる日本一へ向け、ライオンズの”山賊打線”を引っぱる。

今季は3割近い打率に本塁打11本。盗塁もリーグ5位の20(7月17日現在)

本誌未掲載カット

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撮影:小松寛之

 

Photo Gallary5

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