充実の西武・松坂大輔 “筋肉痛で全身湿布だらけ”でも自信満々
注目の新人ロッテ・佐々木は性格が垢抜け夏に一軍デビューも。匿名座談会で判明したパ各球団の明暗
デスク パ・リーグの話題はなんといっても、西武・松坂大輔(39)と千葉ロッテ・佐々木朗希(ろうき)(18)の新旧怪物だね。
記者 松坂は日本に帰ってきてから一番、いいフォームで投げている。注目は下半身の沈み込みの深さ。体重移動がスムーズにできるから球威が増すし、リリースポイントがキャッチャーに近くなるから、打者は差し込まれる。
ライター 筋肉痛で全身湿布だらけだそうですが、充実した表情をしていますよね。松坂は「真っすぐを見せ球にして、ボールを動かしまくる技巧派ピッチングで勝負する」と宣言していますが、パの猛者たちを抑える自信があるのでしょう。実際、中日時代に巨人の四番、岡本和真(23)と対戦した際は、まともにバッティングをさせませんでした。「大砲を料理するのにスピードはいらない。むしろ、速球を続けて単調になるほうが危ない」と言っていましたから。ソフトバンクの柳田悠岐(ゆうき)(31)も、技巧派を苦手にしていますからね。
記者 松坂より長く現役を張っている選手は数えるほどしかいない。メジャーも経験しているし、引き出しの数はすごいよ。いつだったか、松坂は「中村剛也に『サンペイ!』と声をかけたら、周囲がギョッとしていた」と苦笑いしていた。
後輩に気軽に声をかけたつもりが、松坂がメジャーに行っている間に中村は日本を代表するスラッガーに成長。誰も気安く声をかけられない大物となっていた、という、浦島太郎的なオチだった。
ライター 中村が芸人の三瓶に似てるからサンペイと呼ばれていたことすら、今の選手は知らないでしょうね(笑)。
デスク そういや、朴訥(ぼくとつ)としていて初々しかった佐々木は垢(あか)抜けたらしいな。
ライター 契約のときに同席した佐々木の母の美貌が井口資仁(ただひと)監督(45)ら首脳陣やベテラン選手の間で話題になって、「朗希! お前の母ちゃん美人だな」とイジられていたのが懐(なつ)かしいですね。佐々木は「ありがとうございます!」とテレまくっていましたが、コミュニケーションのいい”ツール”になっていました。
デスク 理論派の吉井理人(まさと)投手コーチ(54)がマンツーマンで指導しているけど、首脳陣は皆、「モノが違う」と絶賛しているね。このまま開幕まで一軍に帯同させるらしいよ。さすがにその後はファームで先発させるんだろうけど、夏前には一軍デビューしている可能性大だね。
記者 モノが違うといえば、オリックスの新外国人、アダム・ジョーンズ(34)はオーラが凄い。メジャーで7年連続25ホーマーを記録した打撃はダテじゃない。打球がミサイルみたいに速い。彼のフリーバッティングが始まると、西村徳文監督(60)以下、チーム総出で見ているよ。
ライター ただ、昼前には「オッケーイ!」と言い残してホテルに戻っちゃうんですよ。西村さんは「早いんだよねー、帰るのも」と言いつつ止めようとしない(笑)。
デスク 3年連続日本一のソフトバンクの話題が聞こえてこないな。
ライター ビックリするくらいドラ1ルーキーが地味なんです。佐藤直樹(21)って知っています? 売りは足と守備。打撃は、これまたビックリするくらい、打たない……。
記者 そりゃ、城島(健司・会長付特別アドバイザー)が一番目立つわけだ。
ライター 気になるのはエースの千賀ですね。昨年からダルビッシュ有(33)に心酔していて、練習もダル流。「インナーマッスル系はやらない」「重いものを持って、筋肥大させたほうがいい」「ランニングも不要」なんて言い始めた。で、ちょっと走っただけで「ふくらはぎに張りがある」とか言い出す始末です。
記者 千賀はメジャー志向が強いから、あっちみたいに2月中旬から本気出すつもりなんじゃないの?(笑)
キャンプインから2週間で、早くも見えてきた希望の光と不安要素。ペナントレースで輝くのははたして――!?


『FRIDAY』2020年2月28日号より
写真:時事通信社