「今使ってなくてもアウト!」槇原敬之逮捕のウラに警察庁の大号令

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槇原の傍らには、当時彼の所属事務所の社長を務めているA氏の姿があった(’10年)

「潮目が変わった」

そう断言するのは、薬物事犯に詳しいライターだ。昨年末の女優・沢尻エリカの薬物逮捕に続き、今度は稀代のヒットメーカー・槇原敬之が覚醒剤取締法違反容疑(所持)などで逮捕された。

2人を挙げたのはどちらも警視庁管轄の組織犯罪対策5課。ともに共通するのは、薬物の使用については「シロ」ということだ(槇原は簡易鑑定で陰性。本鑑定の結果待ち)。

「芸能人の逮捕は社会的な影響力も大きいため、捜査は念には念を入れる。‘16年に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された元プロ野球選手・清原和博氏の時は、捜査員が突入した際にテーブルにブツが置いてあり、言い逃れできない状況だった。『いま踏み込めば、必ずブツが出る。尿検査も必ず陽性が出る』という裏付けのもと、動くのです」(警察関係者)

しかし、沢尻の事件では当初捜査員は「コカインもしくは大麻」を想定していたが、家宅捜索で出てきたのは合成麻薬のMDMAとLSD成分を含む紙片だった。しかも尿検査の結果は「陰性」。この手の事件では王道とも言える「所持と使用で逮捕」という文句なしの成果とはいかなかった。

槇原容疑者のケースはさらに“邪道”だ。

逮捕容疑はおよそ2年前、槇原容疑者と同居していた元所属事務所社長の男性が覚醒剤と危険ドラッグ「ラッシュ」所持で逮捕された一件から派生したものだった。槇原容疑者の部屋からも少量の覚醒剤などが見つかり、当局の取り調べに同居男性が「これはマッキーのもの」と供述したことが決め手となったという。

「本来ならば、2年前の時点で同居男性と共同所持容疑で逮捕されてもおかしくない案件。ところが、当局は同居男性だけを逮捕して、槇原容疑者は挙げなかった。現在の住まいとされる渋谷区の自宅から合成麻薬ラッシュが出てきたからまだ良かったものの、捜査のやり方としてはかなりの邪道と言えます」(前出・薬物事犯に詳しいライター)

これまでは、今回のようなケースで逮捕されることはほとんどなかった。組対5課としのぎを削る厚労省麻薬取締官の元捜査員も「薬物事犯の大原則は現行犯、所持と使用で挙げることだ」と断言する。裏を返せば、沢尻と槇原容疑者の事件で立件のハードルが著しく下がったことになる。民放キー局の報道記者がその舞台裏について明かす。

「実は警視庁ではなく、警察庁が昨秋から『違法薬物を撲滅せよ』と大号令をかけているんです。警察庁は国家公安委員会の特別機関で、全国の警察を管理・運営する組織。今年は五輪イヤーで、世界中の目が東京に注がれる。そんな中、薬物事件が乱発しては、国として大恥をかくことになります。海外の薬物組織は五輪を見据え、あの手この手で日本に違法薬物を持ち込んでいる。昨年から今年にかけて相次いで過去最大規模の薬物が押収されているのはそのためです。それらを踏まえて、警察庁は危機感を持っているのです」

沢尻の事件では、直前にTBSが彼女の姿をキャッチし、スクープ映像として流した。今回の槇原容疑者の事件では、フジテレビが逮捕の一週間前に同容疑者が自宅に戻るところを激写していた。

「このほか、週刊文春も沢尻が逮捕直前に訪れた渋谷区のクラブ『W』に潜入していました。それらは決して偶然ではなく、然るべきところからの事前リークによるもの。当初、それは組対5課の幹部からとみられていたが、最近になって警察庁も同じようなことを流していたという話です」(スポーツ紙芸能担当記者)

沢尻と槇原という大物2人をそれぞれ同レベルの嫌疑で挙げたことで、薬物捜査のスタンダードが書き換えられた。これにより、現行犯でなくとも使用や所持を立証できる確たる証拠さえあれば、躊躇なく逮捕することが可能となったという見方もある。これは「今はやってないけど…」という人にとっては脅威で、相当な抑止力が見込める。

ある意味、沢尻と槇原容疑者は薬物撲滅を宣言する警察庁のスケープゴートにされたのかもしれない。

  • 撮影山田宏次郎

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