「平成30年8月豪雨」シミュレーション「多摩川大洪水」のリアル

【首都水没ハザードマップ】 二子玉川、武蔵小杉ほか高級住宅街が水底に

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「平成30年7月豪雨の猛威を他人事だと思わないでください。同じ規模、あるいはそれ以上の大災害が日本を再び襲う可能性が十分にあります。特に8月と9月は台風が多く、なおかつ近年の台風は一度上陸するとなかなか出ていかない。大型の台風に停滞されると、一気に降雨量が増え、河川の氾濫や洪水などにより大きな被害が発生するでしょう」

そう強く警鐘を鳴らすのは、『首都水没』の著書があるリバーフロント研究所技術参与の土屋信行氏だ。西日本を襲った豪雨の被災地支援が始まったばかりというのに、追い打ちをかけるように再び大雨災害が日本列島を襲う可能性がある。「平成30年8月豪雨」は必ずやってくるのだ。

人口が密集する東京近郊を大豪雨が直撃した場合、どのような被害が想定されるのか。江戸川、荒川はもちろん実は東京西部を流れる多摩川で洪水が発生する恐れがあり、特に危ないのは、高級住宅地の二子玉川や、人気急上昇中の再開発エリア、武蔵小杉だと土屋氏は言う。

「’07年に台風9号の豪雨で多摩川の水位が上昇し、二子玉川の土手ギリギリまで水が迫る事態が起きました。この時は二子玉川周辺の740世帯1490人に避難勧告が出た。多摩川は、治水対策が進みましたが、昔から危険な河川なんです」

タワーマンションが立ち並び、住みたい街ランキング等で常に上位の武蔵小杉も、水害の前にはひとたまりもない。

「武蔵小杉なども危険なエリアです。確実に水没する。とは言え、マンションの4階以上に住んでいる人は浸水の可能性は低い。ただし、周りが水没するので2週間は孤立してしまう。停電するのでエレベーターは使えなくなりますし、水道も止まるのでトイレもままなりません。高い階に住んでいるから、と油断すれば命にかかわることになる」(土屋氏)

また、立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学氏は、東京23区の中心部を流れる神田川の洪水を警告する。

「神田川は、杉並区、中野区、新宿区、豊島区、文京区、千代田区と都内の主要エリアを横断していますが、排水能力が低い。豪雨に見舞われれば、上野から秋葉原、神田と水没していく。特に神田のあたりは土地が低いので、最悪の場合2mほど水にどっぷり浸ります」

合わせて上のマップも見てほしい。世田谷区、目黒区、品川区を流れる目黒川沿いもかなりのエリアが水没する。

高級住宅街が多く存在する世田谷区は多くの範囲が水浸しになる。中でも目黒川に挟まれた経堂駅付近は危険エリアだ。浸水が始まった時には、東西南北から水が押し寄せ、逃げ場を失ってしまう。

さらに下流の五反田駅、大崎駅、品川駅周辺は浸水時の深さが最大で5mにも達する。山手線を直撃するので、首都圏の交通網は目黒川の氾濫一つで大打撃を受けてしまう。

地下への浸水も大きな危険を孕んでいる。東京都には13路線285もの地下鉄の駅があり、それ以外にも地下街などが多く存在している。そこに水が流れ込むと何が起きるのか。

「地下に降りる階段は傾斜が30度ほどですが、これはかなりの急勾配です。高さ10㎝の水であったとしても、ものすごい勢いで流れ込んでくるので、完全に足を取られます。お年寄りや女性だと手すりを使っても階段を上れないでしょう。さらに30㎝にもなると、もはやどんなに屈強な男性でも流されてしまいます。水が流れ込んできた時点で、もう助かりません」(高橋氏)

水害に対し、東京は極めて弱い。決して雨を甘くみてはならない。

図版作成:アトリエプラン

 

Photo Gallary1

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