淀川、武庫川、六甲山が危ない 近畿豪雨で「危険な山川」

「平成30年8月豪雨」シミュレーション 甲子園球場も浸水、芦屋の高級住宅街は土砂崩れに

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「いま危険視されているのが六甲山エリアです。山肌が宅地開発されていますが、『まさ土』と呼ばれるもろい土壌で崖崩れのリスクが非常に高く、国から災害が発生しやすい地域に指定されています。六甲山には、7月の豪雨で700㎜も降り、傾斜地が一部崩壊し、土砂災害があった。予兆はすでに現れています」

神戸・六甲山エリアの危険性を、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏はこう指摘する。前回の大雨に続き、さらに8月以降の台風や秋雨前線の豪雨が直撃すると危険度は急上昇する。

「兵庫県は7割が山地を占め、水害の危険が懸念されます。川の傾斜が激しいので山から瀬戸内海まで、土砂崩れを起こす危険性がある。六甲山周辺や麓の都市は浸水よりも土砂災害の危険性が極めて高い」(前出・渡辺氏)

実際、昭和13(’38)年、昭和42(’67)年には、それぞれ400㎜前後の大雨が降り注ぎ、神戸市、芦屋市、西宮市にわたって、土石流・山崩れ・洪水が同時多発する大災害が発生している。

昭和13年の阪神大水害では、現在の三宮駅付近にも土石流が押し寄せ、死者616名という大被害が出た。それに続き、昭和42年にも同じような水害が発生して、死者84名の大災害が発生している。

「昭和13年の水害を機に土砂災害対策が進められてきましたが、砂防ダムなど対策が必要な箇所が1000以上あり、治水対策が追いついているとは言えません。7月の豪雨で六甲山には雨水が溜まっている。ここにさらに大雨が来ると、過去最大規模の大災害が起きることは火を見るよりも明らかです」(関西大学社会安全学部特別任命教授・河田惠昭(よしあき)氏)

六甲山で土砂災害が起きると、西は神戸駅から東は夙川(しゅくがわ)駅まで広範囲にわたって被害が及ぶ。高級住宅街の芦屋も被災を免れないだろう。

さらに、武庫川の大氾濫も避けられない。上のマップを見ると、西宮市、尼崎市の大部分が水没していることがわかる。「全国高校野球選手権大会」が開催される阪神甲子園球場も例外ではない。全域が最大5m水没するので、もはや野球どころではない。

過去には、’99年に武庫川が氾濫し、宝塚市、尼崎市、西宮市の住宅が浸水した。’14年8月に台風11号が通過した際は、300㎜以上の雨が降り武庫川が氾濫しかけた。この時は一部地域に避難勧告が出るなど、ギリギリの状態だった。300㎜で限界なのに、7月のような1000㎜クラスの大豪雨が来ると、どのような被害が出るのか想像もできない。

大阪も被害は避けられない。淀川がさばききれなかった水が川周辺の大阪市エリアに浸水してくる。中でも危険なのが、日本最大級の地下街で237店舗が軒を連ねる難波駅地下「なんばウォーク」だ。

「ここは必ず水没します。というのも、淀川の水位が上昇すると、小さい川に水が逆流する『バックウォーター現象』が起きる。大阪を巡っている小川は、海面とほぼ同じ高さで排水が弱く、ましてや逆流が起きるとすぐに溢れかえります。そうなると、地下鉄や地下街が確実に浸水するんです。大阪駅はもっと危ない。淀川が決壊した場合には、大阪の都市機能がすべて停止する可能性も十分あり得ます」(立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学氏)

ハザードマップは「堤防が決壊した想定」で作成されているが、高橋氏の言うような「バックウォーター現象」が起きると大阪周辺の全河川に氾濫の危険性がある。そうなると、大阪は全滅だ。

これらの情報を「まさか」と思ってはいけない。油断はあなた自身や家族の危機に直結するのだ。

図版作成:アトリエプラン

 

Photo Gallary1

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