血税300万円 投入地元・山口県庁内で安倍首相“礼賛企画”開催

山口県庁で行われた『山口県の総理大臣展』。実際は安倍晋三首相を褒め称える内容だった

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等身大パネル 3万1100円

山口県庁に飾ってあった安倍晋三首相のパネル。等身大で税金3万1100円が投入された

「手続きのために県庁に出向くと、毎回イヤでも目につくんです。正面玄関から入ってすぐのところで、大々的に開催されていましたからね。すべての山口県民はすべて安倍首相の支持者というわけではないことを県は考えてほしいですよ」(山口県在住の50代会社員)

昨年12月、山口県庁1階のエントランスホールで26日間にわたり、首を捻(ひね)りたくなるような催しが開かれていた。

『山口県の総理大臣展』だ。

主催は山口県。安倍晋三首相(65)の総理在職日数が歴代最長となったことを記念して、山口県出身の8人の総理をパネルによって紹介した企画展である。

だが、実際のところは、安倍首相をこれでもかと褒(ほ)め称(たた)えるためとしか思えないイベントだった。

まずホールの入り口上には、安倍首相を祝う巨大な横断幕。さらにポスターには、山縣有朋、桂太郎、佐藤榮作ら「歴史的人物」たちよりも目立つ位置に、安倍首相の写真がドーンと掲載されていた。

展示内容は、前半こそ8人のゆかりの地や、安倍首相以外の7人の経歴や業績を紹介していたが、後半から「安倍一色」にガラリと変わる。安倍首相の生誕から現在までをたどった詳細な写真入り年表や、通算在職日数1位を示すパネルから始まり、これまでの政治活動を紹介する写真パネルが8枚も続く。さらに極めつきは、安倍首相と記念撮影が自由にできるとアピールされた等身大パネルだ。

これらの展示物はすべて税金によって作成されたものである。ちなみに菅直人元首相は山口県出身だが、選挙区が同県ではないことを理由に外されている。

情報公開請求によって明らかになった契約書などによれば、山口県がこの催しのために業者に支払った金額はピッタリ300万円(横断幕は別途)。

その内訳の一部を、写真とともに掲載した。

県知事は自民党べったり

全国市民オンブズマン連絡会議事務局長を務める弁護士の新海聡氏はこう憤る。

「現職の政治家で自民党総裁である安倍首相の在職最長を、山口県が公費を使って祝う必要があるのでしょうか。県庁全体が安倍首相の後援会になった印象さえ受けます。憲法上の民主主義の原則からすれば、地方自治体が特定の政治家の選挙運動につながる偏った支出をしていいわけがなく、自治体運営の政治的中立性を害する行為だと思います。長期政権によって、そうした感覚が鈍っているとしか思えません」

山口県の村岡嗣政(つぐまさ)知事(47)は元総務官僚で、自民党の推薦を受けて’14年に初当選。’17年には自民党に入党し、同党山口県連の全面的な支援を受けて、’18年に再選を果たしている。今回の催しに関する内部文書をいち早く入手したジャーナリストの三宅勝久氏はこう指摘する。

「村岡知事の『選挙運動費用収支報告書』によれば、’14年の選挙の際に、自民党本部と自民党山口県支部連合会から計800万円の寄附を受けています。’18年の二期目の選挙でも、自民党から同様に、推薦料の名目で計400万円の寄附がなされています。また、村岡知事は選挙事務所として自民党下関支部を使っていました。安倍首相を持ち上げる企画展は、そうした知事の選挙支援に対する『お礼』、及び自民党の選挙のためと言うほかなく、県の公金が使われたことは、はなはだしい公私混同です」

一方、山口県庁の担当者は本誌の取材に対してこう回答する。

「『山口県の総理大臣展』は、本県出身の8人の総理大臣の歴史と業績やゆかりの地等を紹介し、県民の皆様の郷土への誇りと愛着を高めていただくために開催したものであり、問題はないと考えている」

また、等身大パネルは安倍首相サイドの了解をとって作成したのだという。「桜を見る会」と同様に、安倍首相の厚顔ぶりが露になった。

横断幕 15万4000円(取付施工費・屋外看板を含む)
安倍首相の紹介パネル 1万3000円×4枚 2万6000円×4枚
柱巻き看板 19万8000円×3台

『FRIDAY』2020年2月28日号より

  • 企画協力三宅勝久撮影横田 一(横断幕)

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