“崖っぷち投手”に明暗 藤浪が打者に顔ひきつり松坂が笑顔のワケ

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沖縄でのキャンプ。ブルペンでの投球を続ける藤浪晋太郎。左は馬場皐輔投手

「ローテーション投手なら『これで良かった』と言えるんでしょうけど、自分は結果を出さなければいけない立場なので……。大いに反省しています」

2月23日に沖縄で行われた広島とのオープン戦後、阪神の藤浪晋太郎(25)は報道陣に力なく語った。四球に死球……また背信の投球だった。2イニングの登板にもかわわらず41球をついやし、3四死球に押し出しで3失点と相変わらずのノーコンぶりを露呈したのだ。

「在阪のマスコミは阪神をおもんぱかり『速球は良かった』などイイことしか書きませんが、実際は制球難をまったく克服できていません。死球を恐れて、右打者には内角へのボールをほとんど投げられていない。昨年秋から山本昌・臨時コーチが二人三脚で指導し、リリースポイントを変えるなどしていますが、試合では修正できていないんです。ブルペンで調子良く投げていても、打者が立ったとたん顔がひきつるのがわかる。表情を見れば、自信のなさがうかがえます。成績は年々下降し、昨年はプロ入り後初めて未勝利に終わりました。もはや技術的なアドバイスでは、入団当初の勢いのあるピッチングは戻らないでしょう」(スポーツ紙記者)

その藤浪と2月9日の練習試合で投げ合ったのが、日本ハムの斎藤佑樹(31)だ。斎藤も2年連続0勝と、藤浪同様崖っぷちに立たされている。9日の試合では阪神打線を2回無失点4奪三振と抑え、試合後は「必死だった」と笑顔を見せた。

「今季から使うようになった、カーブが有効でした。沖縄の名護で習得したので“75(ナゴ)カーブ”だそうです……。ただ斎藤のストレートは130km台と速くないため、緩急の差をいかせません。今回はたまたま通用しましたが、それで1年間活躍できるほどプロは甘くないでしょう。本人は技巧派として短いイニングでの登板に活路を見出そうとしていますが、もともとテンポが悪いので配球も打者に読まれてしまう。ここ数年は、いつ戦力外通告を受けてもおかしくない成績です。日ハムがクビにしないのは斎藤に集客力があり、入団当初の数年で10億円以上の利益を球団にもたらしたから。特別な立場にある斎藤には、イマイチ危機感が薄いように感じます」(同前)

藤浪や斎藤と対照的なのが、今季から古巣・西武に戻った松坂大輔(39)だ。この5年間で6勝と結果を出せていないのに、笑顔が絶えないのだ。

「これまで在籍していたソフトバンクや中日では、お客さん扱いでした。周囲は腫れものに触るように接し、チーム内で浮いていた。ただ西武では自分が一時代を築いたという自負があり、首脳陣にも仲のイイ人間が多い。本人は『もうオジサンだから(練習後は)全身に湿布貼っているよ』と笑い、精神的な余裕がうかがえます。他の選手へも気軽に接している。ベテランの中村剛也には、『サンペイ!』と声をかけているんです。中村は日本を代表するスラッガー。中村が芸人の三瓶に似ているので若い頃『サンペイ』と呼ばれていましたが、今の選手はそのことを知らずギョッとしていました」(球団関係者)

現時点で明暗がハッキリ分かれた藤浪、斎藤、松坂の3人の右腕。今季復活できる可能性が高いのは、どの投手だろうか。野球評論家の江本孟紀氏が語る。

「藤浪のストレートは確かに素晴らしいが、問題は精神面でしょう。マウンドに上がってみないと調子がわからないようでは、監督としては戦力として計算できない。斎藤も厳しい。もともとスピードがないから、いくら球種を増やしても変化球をいかすことができません。松坂は様子を見ながら使えば、そこそこの投球ができると思います。ベテランですから登板間隔をあけたり、相性の良いチームに投げさせるなどすれば、年間通じて活躍できるしょう」

過去にどれだけ成功体験があっても、求められるのは今季の結果だ。かつては甲子園を沸かせた人気投手たちが、背水の陣でシーズンにのぞむ。

  • 写真時事通信社

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