クビ寸前が一転 巨人・中島“開幕一塁スタメンに急浮上”した理由 | FRIDAYデジタル

クビ寸前が一転 巨人・中島“開幕一塁スタメンに急浮上”した理由

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2月16日のDeNA戦でオープン戦チーム1号となる本塁打をはなった中島宏之。「いい音だったでしょ」と試合後はご機嫌だった
2月16日のDeNA戦でオープン戦チーム1号となる本塁打をはなった中島宏之。「いい音だったでしょ」と試合後はご機嫌だった

打った瞬間、それとわかる当たりだった。2月22日に行われた日本ハムとのオープン戦で、巨人の中島宏之(37)が2戦連発となる本塁打を放ったのだ。

「いい感じで、いいポイントで打つことができた。練習で感じ良く打てているので、それを実戦でちょっとずつできるようになっている」

試合後、中島は興奮気味に報道陣へ語った。

‘18年オフにオリックスを自由契約となった中島は、1億5000万円で巨人と契約。主力として期待された。たが……結果は散々だった。出場試合数は43にとどまり打率.148、1本塁打、5打点。契約更改では87%の大幅ダウンとなる2000万円(推定)を受け入れざるを得なかった。

「中島の獲得は、原辰徳監督の意向です。原さんが日本代表の監督を務めていた’09年のWBCで、中島は打率.364、6打点と大活躍。日本の2大会連続2度目の優勝に、大きく貢献しました。中島はムードメーカーとして、ベンチでは最前列に立ちチームメイトを鼓舞した。こうした姿勢を原監督が高く評価し、以後は頻繁にゴルフをラウンドするほど仲良くなったんです。30代後半になってもまだまだ活躍できるという原監督のお墨付きで、巨人に入団させたんですよ」(スポーツ紙記者)

だが、こうした“特別待遇”が逆に中島を苦しませた。

「期待の大きさがプレッシャーになったんでしょう。結果が残せないと本来の明るさが失われ、チーム内でも徐々に浮いていきました。気軽に話しをするのは、同じ西武に在籍経験のある炭谷銀仁朗ぐらい。若手は、どう接していいかわからない状態でした」(同前)

最高出塁率2回、ベストナインを4回獲得した中島も、さすがに危機感を抱いたのだろう。今季は周囲にこう語っているという。

「自分が甘かった。覚悟が足りなかった。このままでは(獲ってくれた)原監督に申し訳ない」

昨年は速球に差し込まれるケースが多かった中島。今季は始動が遅れないようにグリップの位置を下げ、足の上げ幅も小さくするフォームに改造している。石井琢朗・野手総合コーチから「オマエはパワーがあるんだから力まなくていいんだ」とアドバイスされ、動きを極力シンプルにしているのだ。こうした取り組みが、キャンプやオープン戦での好調につながっている。

「クビ寸前の選手でしたが一転、開幕一塁スタメン候補に急浮上しています。ライバルは捕手と兼任の大城卓三、外野が本職の陽岱鋼、育成選手のモタでしょう。いまのところ中島が頭一つリードしている。ベテランの奮起に、原監督も『いいバッティングができているね。非常に戦力として必要性を感じています』と喜んでいます」(球団関係者)

中島と同じ西武、巨人に在籍した、野球評論家のデーブ大久保氏が評価する。

「ナカジ(中島の愛称)の開幕スタメンは、十分ありえますよ。もともと(昨年起用された)代打タイプではなく、試合の流れを見ながら打撃を変えるスタメンで活躍する選手です。100試合出場すれば、打率2割台後半、ホームラン20本は打てるでしょう。出塁率が高いから、数字以上の貢献が期待できます。野球への姿勢もマジメです。私が西武の打撃コーチをしていた’08年のアーリーワーク(朝のトレーニング)では、ほとんどの選手が打撃練習をしていました。ナカジは守備に不安があったのでしょう。私に『ボクだけ守ってもいいですか』と聞くんです。それから努力を続け、ショートでゴールデングラブ賞を3度獲得するまでに成長した。一塁の守備にも問題はありません」

日米通算で20年目のシーズンを迎えた37歳が、引退覚悟の猛アピールを続けている。

  • 写真時事通信社

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