『麒麟がくる』視聴率急落のピンチを救う「岡村隆史=忍者説」とは

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俳優としても輝かしい経歴を持つ岡村が、視聴率アップのキーマンになりそうだ(’19年6月)

沢尻エリカの薬物事件で急遽代役を立て、10話分の出演シーンが撮り直しとなった今年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』。前代未聞の不祥事で二週間遅れのスタート。しかしそれが逆に功を奏したのか、初回の平均視聴率は19.1%と‘16年の『真田丸』以来の好発進となった。

しかしその後、2話17.9%、3話16.1%、4話13.5%、5話13.2%と視聴率が急落。

「第4話放送後の定例会見で、NHKの木田放送総局長は『不安材料はない』と強気の発言をしていますが、合戦や毒殺、権謀術数渦巻く戦国大河に女性視聴者が早くも脱落。さらに史実に基づかない架空の人物である医師・望月東庵(堺正章)、駒(門脇麦)、菊丸(岡村隆史)達が大きくフィーチャーされ、大河ドラマ人気を支える歴史ファンの気持ちが離れたとする声もあります。こう言った意見から、彼らの登場するシーンを短くすることも検討しているといった報道も。どちらにせよ、このまま放置しては『いだてん〜東京オリムピック噺〜』のように視聴率ひと桁台の恐れもあります」(ワイドショー関係者)

しかし、果たしてオリジナルキャラクターが視聴率を急落させた張本人なのだろうか。

今回の大河ドラマの制作統括を務める落合将氏が「ドラマのオリジナルキャラクターはすべて、このドラマのキーパーソン」と発言しているように、脚本家および制作サイドが生み出すオリジナルキャラクターこそが史実に埋もれた戦国の世の声なき声であり、今回の大河ドラマを読み解く鍵ではないのか。

『麒麟がくる』では初回から、オリジナルキャラクターが重要な役割を担っている。

「初回で長谷川博己演じる光秀が病床にある主君の奥方のために名医を探し、さらに主君のために鉄砲を持ち帰る、まるでドラクエのような展開が描かれます。その旅の途中で出会った医師が単なる名医なのか、それともその時代を読み解く声なき声の語り部なのか。答えは勿論、後者。タイトルにもなった『麒麟がくる』の由来も、戦災孤児となり東庵(堺)に拾われた駒(門脇)の口から語られるからこそ重みも出る。声なき声のオリジナルキャラこそ、脚本家の腕の見せ所でもあるわけです」(制作会社プロデューサー)

そして第4話では、今後のドラマを占う上で、注目に値するシーンが登場する。

「薬草売りの兄弟を装い、光秀と菊丸が尾張・古渡城に潜入。城内に囚われの身となった幼い竹千代(徳川家康)に助けを求められる場面で、菊丸は『わしは三河の百姓じゃが、同じ三河者。あの方の気持ちはようわかります』と前置きした上で、尾張に頭を下げて若君を人質に差し出さなければならない三河者の苦しい胸の内を、まるで我が事のように光秀に語る菊丸(岡村)の演技には、称賛の声が寄せられました」(前出・制作会社プロデューサー)

しかも美濃に戻る山中では尾張の追っ手が急襲。その際、苦戦する光秀を木陰から野良着姿の集団が”礫”を投げて窮地を救うシーンが登場する。この場面を観たネット民からは、菊丸はただの百姓ではない。「菊丸=忍者」説を唱える声も数多く上がっている。

「制作統括の落合氏によると菊丸というキャラクターは、”コメディアン的な人が演じるイメージ”。そこで”身体能力の高い”岡村に白羽の矢が立ったようです。もし岡村が、忍者として活躍するようなら、今まで大河ドラマを観たことがなかった視聴者層を味方につけることもできるはず」(前出・ワイドショー関係者)

意外と知られていないが、岡村は俳優としても輝かしい経歴の持ち主。‘96年には井筒和幸監督の映画『岸和田少年愚連隊』で、ブルーリボン賞新人賞を受賞。‘99年には香港映画『無問題』に単独主演。アクションコメディでスマッシュヒットを飛ばすと‘01年には続編も作られている。

「今まではバラエティが忙しく、『映画は決められた期間にパッと撮るけど、連ドラは長い期間だからバラエティと平行になって、自分の中で整理がつかなくなる』としてドラマへの出演を断っていました。ところが‘18年3月をもって『めちゃイケ』(フジテレビ系)が終了。満を持して大河ドラマに出演したというわけです。去年11月に公開された映画『決算!忠臣蔵』では好演が認められ、日本アカデミー賞では錚々たるメンバーと共に優秀助演男優賞を受賞。『麒麟がくる』は、岡村にとって初の連ドラレギュラー出演作であり、本人も大きなチャンスと捉えているようです」(放送作家)

オリジナルキャラクターこそ、大河ドラマを彩る生命線と考えるなら、「岡村=忍者説」にこそ、視聴率回復の鍵が隠されているのではないか。

「岡村自身も『菊丸はちょっと謎の部分もある気がする』『スタッフに聞いてみたら、みんな目をそらして誰も教えてくれません』と発言。この件に関して制作統括の落合氏は『あと1ヶ月くらいすればわかる』と意味深な発言をしています」(前出・放送作家)

東京オリンピックイヤーを迎え、「忍者ブーム」は盛り上がるばかり。しかも関ヶ原の戦いを始め、戦国時代を彩る様々な合戦の裏には、忍者が関わっていたことも昨今の研究では明らかになっており、史実に反するといった批判にも値しない。

今年の大河ドラマは、”麒麟”だけじゃなく、”忍者”もくる!?

 

  • 取材・文島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓

  • PHOTO西圭介

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