ブラジル移籍の本田が1億円超える経済効果~開幕前からフィーバー
ユニフォームがバカ売れ、記念ビールが作られ、「本田サンバ」も作詞され……
ブラジル在住のフットボールライター・沢田啓明氏が言う。
「いまリオに行くと、日本人というだけで『ホンダ、ホンダ』と話しかけられ、写真を撮ってくれとせがまれます(笑)。クラブのフロント陣も『本田効果』には大いに期待していますね。実際、1月末時点で2万人だったソシオ(クラブ会員)が急増。2月末には倍の4万人に到達する勢いです」
ブラジルの名門『ボタフォゴ』へ入団した本田圭佑(33)の人気が止まらない。2月11日には、練習に初参加したが、「練習後にごみを拾って帰り、練習着もキレイに畳んでいた」とチーム関係者が絶賛。それがSNSで広がり、「生活態度まで素晴らしいのか」と、ファンからの評価はうなぎ上りだ。そんな状況だから当然、本田関連グッズもバカ売れしているという。
「本田のネーム入りユニフォーム(約8000円)は2パターン発売されていますが、ずっと売り切れ状態が続いています。スタジアムの外では海賊版のユニフォーム(約800円)も売られていますが、こちらを着ている人もよく見かけますね。さらに、2月8日のお披露目会の際には、クラブのスポンサーである『ブラマビール』が日本語表記の『ホンダ特別バージョン』のビールも販売。売り上げ上昇が見込まれています。他にも、本田の顔写真入りのポップコーンや顔写真入りのコップもよく売れているみたいです」(ブラジル在住のフットボールライター・大野美夏氏)
現地メディアによると、ユニフォームのみの売り上げが、入団からわずか10日で約2500万円に上るという。もろもろの関連商品を鑑みると、どんなに少なく見積もっても経済効果は1億円を超えるだろう。
多額の借金を抱えるクラブからすれば、リーグ戦開幕前から本田はすでに「救世主」だ。だからこそ、クラブ側も本田に最大限の配慮をしているという。
「本田は『東京五輪出場が目標である』と公言していますが、現状では代表招集は難しいでしょう。『ボタフォゴ』側もそれはわかっていて、クラブの副会長が直々に『我々が東京五輪に本田を連れて行く』と発表しました。『活躍して五輪代表に招集されて、ボタフォゴを出ていくことになってもいい』とまで言っているんです」(前出・大野氏)
33歳の本田は、ファンとクラブからのかつてない期待に応え、キャリアの集大成を飾れるか。
『FRIDAY』2020年3月6日号より
- 撮影:大野美夏